さまざまな変化が起こった今年は、贈り物の渡し方や選び方にも一味違った気遣いが必要に。実践すると喜ばれること間違いなしの、新しいギフトマナーを紹介します。
相手のことを想像して渡し方&選び方を決めて。
「今年は手みやげのマナーにも大きな変化がありました」と話す、マナー専門家の西出ひろ子さん。
「カラダのことを意識する人が多い今、大事なのはストレスを溜めないコミュニケーションです。贈り物も手渡しにこだわるのではなく、郵送やオンラインギフトを活用するなどして、相手に安心してもらう気遣いをすることが何よりも大事。“相手がこのギフトを、こういうふうに渡されてどう思うか”ということを、これまで以上に想像することが求められる時代になったといえます」
また、喜ばれるアイテムにも変化があったという。
「家にいる時間が増えたからこそ、お花やルームフレグランスといったおうち時間が楽しくなるもの、また、調味料など自分では買わない値段の、ちょっといい生活必需品が人気です。特に今年になって喜ばれているのが、おしぼりとして使えるハンドタオルのセットです。このように、その時どきによって求められるものは変わります。そもそも贈り物は、相手の好みや状況をきちんと調べて選ぶことが心に響く秘訣ですが、これまで以上に重視されます」(ギフトコンシェルジュ・裏地桂子さん)
ニューノーマル時代に守りたい5つの新しいマナーを紹介!
Manners 2020/01 相手のことをしっかりとリサーチ
一番大切なのが、相手について考えること。特に今は、相手の状況が変わっている場合もあるので念入りに。「好みはもちろん、家族構成を考慮して分量を決めたり、一人暮らしの人であればお米でも小分けになったものを選ぶなど、負担にならない選び方が大切です」(裏地さん)
Manners 2020/02 対面で渡す時は一度テーブルに置く
面と向かって渡す時には、ひと工夫を。「手渡しするのではなく、一度テーブルの上などに置き、それを相手に取ってもらう方法がおすすめです。『こちらに置かせていただきますね』と一言添えることで印象が良くなります。手袋をはめて渡すのもいいでしょう」(西出さん)
Manners 2020/03 さりげない無言の気遣いを同封
「贈り物に、小さな消毒スプレーやマスク、お手拭きなどを一枚入れると、相手へのさりげない気遣いになり、喜ばれます」(裏地さん)。「ギフトパッケージを消毒液で拭き発送すると、開けた時に消毒の香りがして思いやりが伝わることも」(西出さん)。相手への配慮が見える工夫を。
Manners 2020/04 送る相手の名前や情報を間違えない
「意外と多いのが、情報の入力や変換ミスです」と西出さん。「特にオンラインギフトの場合は、送り先の情報を登録するため、間違ったままの名前や住所で何度も送ることになりかねません。また、取引先に送る時は、社名、部署、肩書にも注意して」。名刺などを見ながら慎重に。
Manners 2020/05 相手の在宅状況をチェック
サプライズ的に届く突然のギフトは嬉しいもの。ただ、「冷凍や冷蔵のものを贈る場合や、年末など相手が長期にわたって家を空ける可能性がある時は、事前に送ることを伝え、スケジュールを確認するようにしましょう。食品の場合は賞味期限もあるため注意が必要」(西出さん)
にしで・ひろこ マナーコンサルタント、美道家。NHK大河ドラマなどのマナー指導、講演を行う。オンラインサロン「HIROKO’s BAR」も人気。著作多数。
うらじ・けいこ ギフトコンシェルジュ。ギフトアイテムのセレクトや企画、商品開発を行う。『最上級のプチプラギフト100』(光文社)をはじめ著作多数。
※『anan』2020年11月18日号より。写真・土佐麻理子 イラスト・佐久間 薫 取材、文・重信 綾
(by anan編集部)