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譲れない条件は3~5つ! 旅行するときに使える「個別選抜法」

ライフスタイル

習い事、旅行、車選び…。お金や時間がかかる物事の選択に「個別選抜法」を活用してみて! 今回は、この「個別選抜法」について、選択のプロ・印南一路先生にお話をうかがいます。

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例えば習い事や当面の引っ越し先。人生を左右するほど重要ではないけれど、良い選択のためにそれなりにお金や時間がかかる場合が。しかも、選択肢が複数あって選びきれないという時に有効なのが、個別選抜法。

「習い事でいうなら『費用』や『場所』など、選択するうえでの絶対条件を3~5つ挙げて、それらを満たさないものを除外する方法です。選択肢が膨大な場合でも、目的に適った選択肢を一気に抽出できます」

この方法で、1つに絞りきれなくてもOK。「残った選択肢はどれをとっても、あなたを最低限満足させてくれるもの。その先は難しく考えすぎずに決めるのが、この重要度の選択のコツです」

個別選抜法の使い方。

「個別選抜法」という名前のとおり、条件をいくつか挙げて、それに満たない選択肢をバッサリ除外。その後は、これから紹介する「満足化原理」に従って、手間を省いてあっさり選択! 時間やお金のかかる選択ではあるけれど、それほど時間や労力をかけて選ぶほどではない場合、また、選択肢がありすぎてどれを選んだらいいかわからない案件にも有効。

STEP1:思いつく習い事の候補を書き出す!

まずは、どれにしようか迷っている選択肢を、あるだけ書き出してみよう。例えば、習い事が決めきれないアン子の場合は、「着付け」「華道」「薬膳料理」「英会話」「ペン習字」など、興味のあるものをすべて列挙。習い事をしたいけど、漠然としていて何を習いたいかさえわからない、という人でも、この方法なら最終的に見極められるので、とりあえず知っている習い事をたくさん書き出して。

STEP2:譲れない習い事の条件を考える!

その選択に対して、自分は何を重視するのか。譲れない条件を、3~5つ挙げてみよう。アン子は、「費用は月1万円まで」「家から30分以内の場所」「楽しくできること」の3つに決定。これらは特に優先順位をつけなくてOK。ただ、きちんと自己分析ができたうえで絶対条件を決めないと、最終的な選択が満足のいかないものになってしまうので、ここでしっかり考えること。

STEP3:条件に当てはまる習い事だけを候補に残す!

STEP2で挙げた条件に当てはまる選択肢だけを残して、それ以外のものを切り捨てる。アン子の場合、すべての条件をクリアしたのは「着付け」と「薬膳料理」の2つ。例えば条件が、「楽しくできること」のように白黒つけられない場合、どちらともいえるようなら、「当てはまる」と考えて。この段階で選択肢が1つに絞り込まれれば、ここで終了。いくつか残った場合は次のステップへ!

STEP4:ここまで残った習い事は、すべて合格!

アン子のように選択肢がいくつか残ったとしても、それらはすべて自分の目的に適ったもの。すなわち、どれを選んでも正解ということです。余裕があれば全部やってみても◎。1つに絞る場合、さらに細かく比較検討するのは、この重要度の選択においては時間や労力の浪費になるので、“満足化原理”に従って、直感でどれにするか決めて。選択にかかる手間を省くことで、より早く実行に移せます。

いんなみ・いちろ 慶應義塾大学総合政策学部教授。専門分野は意思決定論、交渉論、組織論と医療福祉政策で、著書に『人生が輝く選択力 意思決定入門』(中公新書ラクレ)、『意思決定トレーニング』(ちくま新書)などが。

※『anan』2018年1月31日号より。イラスト・菜々子 文・保手濱奈美
(by anan編集部)

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