ネットで簡単に検索できる時代、じっくり考えを巡らす時間は、圧倒的に減っているようです。まずは論理的パズルに挑戦して、理詰めで考えるスイッチを入れることから始めてみよう。
論理的思考不足の人が、いま増えている!?
自分の意見が定まらず、人に流されがち。そんな人は論理的思考力が欠けているのかも。
「論理的思考力とは、一つの物事を様々な角度から見つめ、推論を重ねながら自分が納得のいく結論を導き出す力です。これが足りないと、思考があちこちに飛んで、自分の考えをまとめることが難しくなってしまいます。そのため人の意見が自分にとって本当に良いかわからないまま、流されてしまうのです」とパズル作家・北村良子さん。
ネット社会のいま、“自分で考えない人”が増えているそう。
「情報の受け売りや、思いつきでのSNSへの投稿などが原因で、トラブルになることも。人間関係など、より良い日常を送るためにも、いまこそ論理的思考力を養うことが大切です」
トラブルの回避から、整理整頓まで自在に!
頭の中が整理されていて、それを筋道立ててアウトプットできることのメリットは?
「ビジネスでの成功が、その一つ。また、普段から様々な推論を立てて物事を考える姿勢は、いざという時の危機回避にもつながります。たとえば旅行ででも、飛行機の安全のしおりを確認するなど、論理的思考の延長で非常時に備えて考えるクセをつけていると、有事にも落ち着いて対処できるでしょう。日常生活においては、整理整頓の際に活用可能。どうしまうと次に使いやすいのかまで考えて、片づけができるようになります」
そんな論理的思考力を鍛えるためにはパズルにトライ。
「難しいと思ったら途中でやめてもいいんです。大事なのは思考を巡らせること」
それが脳の刺激となり、次にやる時は解ける可能性がアップ。
論理的パズルとは?
いろんな方向から可能性を検証することで、答えに辿り着くパズル。頓智やトリックのようにも思える問題を楽しんで解くうちに、自然と論理的思考力が鍛えられる。難易度は3段階。まずは簡単なパズルでウォーミングアップ。
【下図の4つのおもりを重い順に並べてください】
3つの天秤からヒントを探して。
一番上の天秤から、クローバーよりスペードのほうが重いとわかります。真ん中の天秤からスペードよりダイヤのほうが重いおもりとなります。ここまでで、重いほうからダイヤ、スペード、クローバーの順です。後はハートがどこに入るかを考えます。一番下の天秤を見ると、ハートとダイヤ2つが釣り合っているので、ハートのほうがダイヤより重いと決まります。これらの情報を合わせることで答えがわかります。
北村良子さん パズル作家。著書に『論理的思考力を鍛える33の思考実験』『楽しみながらステップアップ! 論理的思考力が6時間で身につく本』など。
(答え)重いほうからハート、ダイヤ、スペード、クローバー
※『anan』2018年2月14日号より。イラスト・南 夏希 取材、文・保手濱奈美
(by anan編集部)