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今までの漆工芸とは一味違う。武藤久由さんが作る漆100%の器「thin」

インテリア

日本の伝統工芸品である漆塗りの器。一般的には木のお椀などのベースに塗る塗料として使われる漆ですが、漆塗師である武藤久由(むとうひさよし)さんは、ベースがない漆100%の器を作る技法を考案しました。一層ずつ丁寧に塗り重ねられて作られる作品は、いつもの食卓をワンランクアップしたものにしてくれそう。

漆工芸に新たな風を吹き込む漆100%の器「thin」

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海外では「Japan」と呼ばれ、日本の象徴として世界に認識されている漆の工芸品。古くから受け継がれてきた技法から生まれる上品な艶めきは、国内外問わず現代も人々の心を魅了します。

今回ご紹介するのは、そんな漆工芸の世界に新しい風を吹き込んだ武藤久由(むとうひさよし)さんの漆100%の器、その名も「thin」。木のお椀や重箱に塗る塗料として使われるのが一般的な漆を、あえて相性が悪いガラスやプラスティックの型に何度も塗り重ね、厚みができたところでその型から剥離させることによって、ベースとなる素地がない、まさに漆100%の作品が生み出されます。

3段のグラデーションが美しい「WAIRO」

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漆だけで作られた器と聞くと、強度が心配になりますよね。ですが、天然樹脂である漆は湿気を与えられた際の成分の結合力がとても強く、一度固まると水はもちろん、酸やアルカリにも溶けることはないのだそう。武藤さんの作品は20層以上も漆を重ね塗りして作られているので、普段使いももちろん可能です。

thinはシリーズがいくつか展開されていて、サイズも豊富。また、少しくしゃっと手で握ったようなデザインによって、品のある漆の雰囲気にユーモアがプラスされています。

写真の「WAIRO/和色」シリーズはシックな赤のグラデーションが特徴的。3段のボーダーがテーブルにスタイリッシュなアクセントをもたらしてくれます。S・M・Lサイズに加えて片口のデザインのものもあるので、酒器としてもぴったりです。

漆100% thin【WAIRO/和色】
(左)S/15,120円(税込)
(左中)M/18,360円(税込)
(右中)L、(右)片口 L/各21,600円(税込)

赤と黒が混ざり合う「AKEBONO」と「NEGORO」

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こちらは、黒を基調に赤い模様が入った「AKEBONO/曙」(左)と、赤を基調に黒い模様が入った「NEGORO/根来」(右)。先ほどご紹介したWAIROもそうですが、そのネーミングにも風情を感じさせます。こちらもサイズがいくつかあるので、用途に合わせてお好きなものを選んでくださいね。

漆100% thin
(左)【AKEBONO/曙】L/21,600円(税込)
(右)【NEGORO/根来】L/21,600円(税込)

新しく広がった漆の世界を覗いてみて

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そのほか、表面に錫粉(すずふん)を蒔いて仕上げたメタリックや、色漆でマットに仕上げたカラフルなシリーズ(5色展開)など、さまざまな表情を見せる武藤さんの漆作品。漆は固まるのに1日かかるので、20回塗り重ねるということは最短でも20日間はかかります。そんな風に手間暇かけて作られている新しい漆工芸の、しっとりとした手触り、見た目の重厚感からは想像できない軽さ、しなやかな弾力を、ぜひその手に持って感じてみてください。

photo / 極うす漆器 漆六十〇

極うす漆器 漆六十〇

武藤仏壇漆工
愛知県弥富市五之三町福島141
TEL:0567-65-2818
FAX:0567-65-2818

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