今、悩みはありますか? 人間関係、仕事、家庭・・・さまざまなところに悩みの種があり、毎日苦労されている方もおられるかもしれません。ですが、少し思考や行動を変えるだけで、誰しもが悩みをゼロにすることが可能になります。今回は、体や心の生活習慣改善を指導する、ナイトケアアドバイザーの小林麻利子が、悩みを無くす方法をご紹介します。
文・小林麻利子
【小林麻利子の美人の作り方】vol. 126
「悩み」は解決しないが、「考える」と必ず解決への道ができる
悩みというのは、頭で思いめぐらせ、どうしたらよいものかとぐるぐると渦を巻いている状態です。この状態では、解決のための具体的な対策に踏み込めず、いつか仮に解決できるとしてもかなりの時間を要します。
しかし、なぜ悩んでいるのか深堀して「考え」、それを解決する方法をたくさん用意することで、必ずゴールへの道ができます。つまり、きちんと考えることで、ただ悩んでいるだけよりも、素早く解決することができるのです。
「悩み」から「考える」にシフトしよう
まずは、その場に立ち止まって悩むのではなく、どうやったら解決できるのかを考えることが重要です。よく、悩みは解決しないから、悩みを忘れよう気にしないようにしようと、別の行動で紛らわせたり、時が過ぎ去るのを待とうとする方もいらっしゃいますが、気にしないようにしようとするほど気になるのが人間です。
イライラや悲しい、憂鬱感などの感情は、やめよう無くそうと思っても、消え去るものではありません。無理やり、その感情を抑えるのではなく、その感情にたどり着いた事柄を1つ1つクリアしていくことが大切なのです。
悩みの元を低減する
まずは、悩みの元を小さくする、それができなければ無くす対策を行います。悩みの元が、例えば、長時間残業であれば、どうやったら長時間残業がなくなるのか、できるかできないかは別として、できる限りたくさんの対策を考えて箇条書きで書いていきます。
時間を上司に交渉する、体が不調なら病院で診断書を書いてもらい提出する、仕事量を減らすために先輩に交渉する、夜ではなく朝に仕事をする……など、思いつくままたくさん書いていき、できそうなことから1つずつ実践していきます。失敗したら、次の対策を行っていけばいいのです。
それでもその悩みの影響による体調不良が治らなかったり、1つ1つ行った交渉が失敗に終わり、手段がなくなったときは、次の手として、退職、転職、別居など、悩みを無くす行動を行えばよいのです。これらは逃げではなく、「自分を守るための正しい行動」です。
自分の適応力をアップする
悩みの元の低減と同時に行っていただきたいのが、自分の適応力のアップです。先述の通り、心に出た負の感情を無理やり抑えようとするのではなく、体に出た一時的な不調を緩和するための行動をとります。
まずは、悩みがふっと心に宿ったときに、体のどこでもいいので叩きながら「私は今、ストレス状態にある」と自覚します。自覚しなければ、それが当たり前の症状となり、蓄積すれば体にさまざまな影響を与えてしまいます。
ただ心の中で思うだけでなく、体を叩いたり、声に出したりと、体に刺激を加えることで、今の状況はただごとではない、具体的に体や心を修復しなければと自覚させることが大切です。
鼻から吸って、息を充満させた後、口からゆっくり吐く。
その後、ゆっくりと呼吸を繰り返します。これは、例え電話中でも、プレゼン中でも、人と会話している時でもどこでもできる方法です。悩みが浮かんだとき、筋肉が硬直し、呼吸が速くなり、酸素状態が悪くなり、心臓の交感神経が優位になりがちです。
そのため、その時の体の状態をまずはフラットな状態に戻すために、ゆっくりと呼吸を繰り返すのです。鼻からゆっくりと息を吸って、少し充満させたあと、口からゆっくりと長く吐いていきます。呼吸が整えば、同時に心臓の鼓動もゆっくりとなり、酸素状態がよくなれば、筋肉のこわばりが緩和し、心もどんどん落ち着いていきます。
睡眠やお風呂は疎かにしない
適応力アップのためには、心や体をリカバリしてくれる、睡眠やお風呂の時間を確保することが大切です。思い悩むことを優先してしまうと、どうしてもお風呂に入る時間や睡眠時間が短くなりがちです。
ストレスホルモンのコルチゾールの分泌が最も少ない深夜0時頃に、深い眠りが得られ、体の修復を促す成長ホルモンがしっかり分泌すれば、ストレスに関わる副腎の機能が向上し、ストレスに強い体を作ることもできます。0時頃に深い眠りが出現するよう、例えば23時半に就寝、そして22時半にはお風呂からあがる時間設定を行うと良いでしょう。
深部体温がうまく下がり、体が休息方向へ向かい、翌朝スッキリと気持ちよく目覚めることができます。『美人のつくり方』過去記事をご覧いただき、上質な睡眠を得る方法をぜひ試してみてください。
過去記事はこちらをどうぞ。
https://ananweb.jp/column/kobayashi-bijin/
考えることは、目的意識がわかりやすく明確となり、どうやったらゴールできるのか、を導き出すことができます。悩むと目的意識が不明確なので、その場に立ちすくみ、どうしようもなくなってしまいます。
このように悩むから考えるにシフトして、具体的に考え行動を行うことで、誰しもが悩みをゼロにすることができるのです。いつか、悩みはありますか?と誰かに質問されたときに「悩みはありません!」と胸を張って言えるよう、ぜひみなさんも具体的に考えてみてくださいね。