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嫌な出来事があったら即“手”を洗って!? 不安&ストレスを癒す、簡単セルフケア6選

不安やストレスを感じる状況では、自己肯定感が下がり、心の疲れを感じてしまうもの。そんなときに実践したい、自分を大切にする気持ちを高める、簡単なセルフケアをご紹介。日々の暮らしに取り入れて、心と体を癒しましょう。

やさしく自分に触れてオキシトシンの分泌を促進。

自分自身に触れたり、セルフハグしたり、皮膚にやさしい刺激を与えることによって、心と体を癒すケア法を教えてくれたのは、桜美林大学リベラルアーツ学群教授の山口創さん。

「主な効果は、脳内ホルモンのオキシトシンの分泌によるもの。オキシトシンは幸福ホルモンや絆ホルモンとも呼ばれ、思いやりの気持ちで自分や他人に触れることで分泌されます。オキシトシンが分泌されると、副交感神経が優位になり、ストレスが軽減されるなどの効果があります」

なぜオキシトシンを分泌させるのに「触れる」という行為が有効なのか。

「皮膚は『露出した脳』と呼ばれるくらい、脳との繋がりが深い臓器。言葉をかけることと比べると、触れることは皮膚の感覚を伴うので、脳に大きな効果を届けることができるのです。やさしく触れたときの心地よさや安心感は、母親や大事な人に撫でられた感覚を蘇らせることから、オキシトシンの分泌に繋がると考えられます」

ケア方法は、自分が取り入れやすいものを選んで続けるのがおすすめ。徐々に自分を大切に思えるようになったり、ストレスに耐性ができるなど、良い効果がたくさんあるはず!

TRY IT! 早速やってみよう!

どのケア方法も、いちばん即効性を感じられるのは、ストレスを感じた直後。職場など外出先であれば、トイレの個室内など、誰にも干渉されない安心できる環境で行うのがおすすめ。また、夜寝る前などリラックスできる時間帯の習慣にするのも効果的。

スージングタッチ

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自分にやさしい言葉をかけて慈しむ。
ストレスや不安を感じたときに、今よりも気分が落ち込んでしまうのを防ぎ、日々のネガティブな気持ちを小さくするために行うケア。嫌な気持ちを感じたらなるべくすぐに「あれは仕方ないな」「ドンマイ、私」など自分に対して慈愛の言葉をかけてみよう。そして、大切な人を慰めるときに触れる触れ方で自分の腕や胸などにやさしく触れて。これを行うと、自分を慈しむ気持ちが芽生え、続けることで自分を大切にする気持ちが高まり、ストレスがあってもまた頑張ろうと勇気が湧いてくるはず。夜、寝る前に行うと、リラックス効果によって睡眠の質が高まるのでおすすめ。

バタフライハグ

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左右交互に刺激を与えることで心を癒す。
心が傷つくような出来事があったり、強い不安やストレスを感じたときに、右脳と左脳のバランスを整えて安心感を得るためのケア。まず両手を交差させて胸のあたりに置き、鎖骨に指先が当たるようにする。次に自分を落ち込ませる嫌な出来事を鮮明に思い出し、右手→左手→右手の順に、鎖骨を交互に1秒間隔で軽く叩く。5分間のバタフライハグを行うことで、精神を安定させるセロトニンが増加し、不安が軽減されたという研究結果も。これを繰り返していると、嫌な出来事を思い出しても感受性が薄らいでいくため、悲しみや落ち込みが和らぐのが感じられるはず。

熱めのシャワーを浴びる

皮膚に刺激を与えて心をリフレッシュ。
ストレスや疲労が高まったときは、41~43°Cくらいのやや熱めのシャワーをゆっくり浴びると、皮膚が刺激されて心がリフレッシュする。シャワーは、頭→胸→腹→脚の順に1か所につき30秒程度かけてから移動していくと、脳の広い面積を刺激することができ、皮膚感覚が覚醒される。特にストレスホルモンをつくる副腎がある背中の部分にはお灸のように集中的に、1分ほどかけることで、ストレスホルモンの分泌を抑えられ、ストレスから早く回復することができる。また、シャワーを足に当てたり、足湯をして、足だけを温めても全身浴と同様に血流が良くなる効果が。

数息観

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ゆっくり息を数えて心を整えよう。
心を整えるために、自分の息を数えながら呼吸をするケア。15分の数息観を行ったところ、副交感神経が高まり、リラックスして不安が低減し、脳がα波状態になって集中できることがわかっている。定期的に行うことでストレス耐性が高まり、リラックスしていても頭は冴えた理想的な状態に。数え方は、息を吸うときに「い~」と、吐くときに「ち~」とゆっくり頭の中で唱え、1から10まで数えたら、再び1に戻り、これをひたすら繰り返す。途中で雑念が湧き上がって数えてきた数字を忘れてしまった場合は、深く考えずに再び1から始めて。

手を洗う

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不快なことがあったら手洗いでスッキリ!
嫌なことがあった直後に手を洗うと、気分がスッキリして不安感が軽くなることがわかっている。これは、体の中にある不快な感情が水とともに洗い流されたような感覚を得られるためだと考えられている。仕事中など、ストレスや不快な出来事があったときは、なるべくすぐに緊急避難するように手を洗いに行こう。蛇口から水を流しながら、両手を水流の中に入れて、石鹸をつけてゴシゴシと擦り合わせると効果的。手を洗った後は、好きな香りのハンドクリームなどで心を癒しながら手肌を潤して。うがいにも同様の効果があるので、同時に行うのもおすすめ。

フェイス・プレッシング

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自律神経の切り替えをスムーズに。
朝晩、顔を軽くプレスして、自律神経の切り替えをスムーズに行うケア。朝、顔をプレスすると交感神経が優位になり、頭がすっきりして活力が湧いてくる。一方、夜寝る前に顔をプレスすると副交感神経が優位になり、導眠効果が期待できる。やり方はまず、両手のひらを両頬を包み込むように当てる。次に、両手で心地よい強さで圧をかけながらプレス。手は動かさず、そのまま30秒から1分ほどプレスしつつ顔の感覚を感じて。なるべく心を無にして、ゆっくりと呼吸をしながら顔の感覚に意識を向けるのがポイント。朝晩のスキンケアの最後の習慣にしよう。

山口 創さん 桜美林大学リベラルアーツ学群教授、博士(人間科学)、臨床発達心理士。共著に『オトナ女子のおうちセルフケア』(秀和システム)、著書に『最良の身体を取り戻す―ここまでわかった心身の深層』(さくら舎)など。

※『anan』2022年7月6日号より。イラスト・obak 取材、文・古屋美枝

(by anan編集部)

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