「私も何か開発して世の中の役に立ちたいと思った時、まず思い浮かんだのが、生理中のお風呂上がりお助けアイテムでした。というのも、私自身、長年お風呂上がりのポタポタ経血に悩まされてきたんです。経血量が多いこともあり、1度の生理期間中に最低2回は経血が垂れてバスマットを汚してしまい…。お風呂上がりのわずか1~2分が、ストレスになっていました」
デリケートゾーンにナプキンを挟むという新発想によって経血垂れを防ぐナプラスe。まず、入浴前にナプラスeを広げて上にナプキンを重ねておく。入浴後すぐ、体を拭く前にナプキンを上にしてナプラスeをデリケートゾーンに挟む。ナプラスeには内ももで止まるようにストッパーがついていて落ちにくい。体を拭き、ナプラスeを挟んだままショーツをはく。その後、両羽部分を取り、お腹側からナプラスeを引っ張って取り出す。
一見難しそうだが、慣れれば数秒で一連の流れをできるようになるそうだ。
「ショーツをはいた後に引っ張って取り出しやすく、落ちにくいようにするといった課題を解決するため、9か月ほどかけて様々な形状の試作品を作り、実際に使って検討を重ねました。発売後、特許も取得しています」
気になるのが、体が濡れた状態でナプキンを挟むこと。濡れたままでも平気なのかどうか。
「ナプキンは水分を吸収し、閉じこめるように作られています。そのため、普段ナプキンでかぶれない人であれば、濡れたままつけても問題ありませんよ」
発売前に、地元の武庫川女子大の学生にアンケートを実施したところ、81%がお風呂上がりに経血が垂れてきて気になると回答。さらに、10代から60代の女性約4700人を対象にした調査では、「お風呂上がりの経血垂れがストレスになる」と回答した人が67%もいたそうだ。
「対策としてティッシュを挟んだり、超速でショーツをはくなど、みなさん苦労されていることが分かり、困っているのは私だけじゃないと実感しました」
昨年10月の発売開始直後に地元メディアに取り上げられ、大反響があった。ユーザーからは「お風呂上がりが本当にラクになった」「バスマットを汚して憂鬱にならずに済む」という喜びの声が届いているそう。
「夫の実家への帰省時、バスマットを汚すのが怖くて入浴を我慢しているという人もいました。今後も女性が抱える悩みに応え、“こんなものあったらいいな”を形にしていきたいです」
※『anan』2022年9月21日号より。写真・北尾 渉(中元さん) スタイリスト・石川美久 ヘア&メイク・遊佐こころ(PEACE MONKEY) イラスト・REDFISH 取材、文・音部美穂
(by anan編集部)