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簡単に体が温まる! すぐ実践できる「ポカポカになる温活」 #190

ライフスタイル

めっきりと寒くなりました。冷えを感じやすい人は体質改善を目指しつつ、同時に即効性も求めたいですよね。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、カラダがすぐ温まる方法を教えてくれます!

カラダがすぐ温まる簡単な方法

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【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 190

寒さが厳しくなりましたね。朝起きると布団の中から出るのに時間がかかる日々が始まりました。外出時も腹巻やレッグウォーマー、マフラーなどの防寒対策を徐々に強化している方も多いのではないでしょうか。

もともと冷えやすい人は、急に寒さが厳しくなった今の時期とくにつらい思いをしていることだと思います。ただ、冷えの原因は栄養不足、偏食、運動不足、寝不足、自律神経の乱れ、血行不良などさまざまな原因がありますよね。ですが、最近の急な冷え込みに対して、根本から冷え体質を改善するには時間がかかってしまうと思います。そこで、今回は食べるカイロとなるようなポカポカになる食薬習慣を紹介していきたいと思います。

今週は、急な冷え込み対策となる食薬習慣

急な冷え込みにカラダがついていくのがやっとですよね。最近、暖房を常時つけ始めたり、ダウンを着る頻度が増えたりと本格的な冬へと移り変わっていくことをひしひしと感じますよね。

漢方では、腰回りがとくに冷えやすく、一度冷えると温まるまで時間のかかる『脾腎陽虚』というタイプ、栄養不足や浅い呼吸などによる代謝の低下によって冷えてしまう『気血両虚』というタイプ、運動不足やストレスなどで血流が悪くなり冷えてしまう『気滞血瘀』というタイプなどさまざまな冷えのタイプなどがあると考えます。

ですが、急な冷えを感じるときには手っ取り早く冷えを解消することが必要となりますよね。ということで、今週は体質を改善する目的ではなく、まずは手っ取り早く寒さを緩和するために『温陽散寒』して急な冷え込みからカラダを救ってあげましょう。食べるとよい食薬は、【生姜と豆板醤の中華風炊き込みご飯】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:生姜と豆板醤の中華風炊き込みご飯】

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作り方は簡単です。ご飯を炊くときに豆板醤、多めの千切りショウガ、人参などと醤油やみりんを一緒に入れて炊くだけ。仕上げにすりゴマやネギなどをプラスしてもよいですね。

【豆板醤】

豆板醤は、ソラマメを発酵させ、唐辛子で辛みを加えたものです。寒いなと感じた時には、カプサイシンを含む『温性』の調味料を活用するのがおすすめ。また、豆板醤は意外と余りがちな調味料だと思うので、冷蔵庫を探すと見つかることもあるかもしれませんね。寒い日には、豆板醤の存在を思い出し、体を温めていきましょう。

【生姜】

生姜は、加熱してから食べたほうが、カラダを温めるショウガオールという成分が増えるため、『散寒』の力が強い食材として有名です。生姜を加熱するとジンゲロールという強い抗菌作用をもつ成分が、カラダを温めるショウガオールに変化します。

最後にショウガオールを簡単に取り入れることのできる作り置き生姜の作り方を紹介します。すりおろした生姜を耐熱容器にいれ、水をヒタヒタになるまでいれ、レンジで温めるだけです。

このカラダを温める性質をもったショウガを常備して、飲み物やお味噌汁、お浸し、納豆などお好きな食べ物にちょい足ししてみることもおすすめです。また、今回は体質を改善するのではなく、一時的に温める食材を紹介しました。しつこい冷えにお悩みの方は、しっかり原因を追究して対策をとっていきましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもがカラダに影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人のカラダも約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

Information

大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika

https://aika-inc.co.jp/
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