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成田悠輔さん「セックスと愛情と親心をぜんぶ家族の中に収めるのは荷が重すぎませんか」

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報道からバラエティ、YouTubeまで、新たな論客として引っぱりだこのイェール大学助教授・成田悠輔さん。子育てのこと、英語教育や海外脱出、ジェンダー問題、夫婦関係やセックスレスまで、VERY読者の疑問・悩みをバッサリ斬っていただきました。ときに楽観的、ときに革新的、ときに刺激的な金言をお届けします!

※掲載中の情報はVERY2022年12月号掲載時のものです。

【前田有紀さん】“好き”を仕事に。頼れるビジネス・パートナーとは?

Q. 専業主婦の私。 女性活躍についていけず、 孤独を感じます。

男女平等や女性活躍のムードは素晴らしいと思いますが、自分と真逆でしんどく感じることがあります。夫が転勤族で私は定職に就くことが難しく、今は専業主婦。バリバリ働く友達や昔の同僚を見ると途方もなく孤独を感じることがあります。このモヤモヤはどうすれば晴れますか?(33歳/3歳男の子・1歳女の子)

A. 気にしない。比べない。羨まない。

バリバリ働く友達や活躍している女性が住んでいる星と、専業主婦が住む星を中途半端につながない、比較しないことが大事なのかなと思います。女性という括りで2つの星を一緒に語るから、女性の社会進出という議論をすると、進出していない女性が引け目を感じなきゃいけないんだと思うんです。

その結果、たとえば政治経済の世界で女性の進出が一向に進まない理由の一つとして、女性がリーダー的ポジションに就くことを、男性だけでなく女性も嬉しく思っていないんじゃないかという問題があって。

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つまり、女性活躍が進むほど孤独感や疎外感をもっと感じなきゃいけない女性たちが日本にはたくさんいて、この人たちがガンガン出ていきたい女性を支持できない、場合によっては嫌がらせをしたくなってしまうということが問題であるんじゃないかって勘繰ってます。

専業主婦的に生きたい女性たちと、国会議員になりたいと思う女性たちがいがみ合ったりギクシャクせずに共存できる世界を作り出すのがすごく大事だと思うので、まずは比べないことですね。女性活躍が進んでいるからといって、すべての女性が「活躍」しなくちゃいけないわけではありません。

Q. 2人目が欲しいけど セックスレスです。

夫が子作りに非協力的で悩んでいます。夫から女性として見られたい、大事にされていると実感したい気持ちもあります。以前そう伝えたところ、はぐらかされてしまい、それ以降は話し合う勇気がありません。友達に2人目が生まれたと聞くと、羨ましさを通り越して妬みすら感じます。(32歳/3歳男の子)

A. セックスと愛情と親心を、 ぜんぶ家族の中に収めるのは 荷が重すぎませんか。

みんな夫婦やパートナーにセックスを求めすぎじゃないかって感じるんです。セックスや性愛と、愛着やパートナーシップってだいぶ違うものですよね。その違うものを家族という一つの器に乗っけなくちゃいけないっていう思い込みが辛さの原因なんじゃないかなと。

フランスパンに麻婆豆腐を合わせてるみたいな……昔は個人が生きる世界が狭かったので、家庭の外の遠くでセックスパートナーを見つけるのが難しいし、問題が起きる可能性も高かった。けど、今は風俗やアダルト産業が進化したりアプリでの手軽な出会いもあったりして、昔のような夫婦の在り方が維持しにくくなっている。離婚率やシングルマザー率も高くなって国によっては婚姻制度が有名無実化しているのも、その現れかもしれません。

無理せず、家族や夫婦関係を築いていくパートナーと、性欲を満たすパートナーは分かれててもいいって考える方がスムーズなんじゃないかなと。これってそんなに深い話じゃなくて、レストランや出前が進化したら外食の方がラクという話と同じだと思うんです。セックスなしで妊娠、出産する方法も進化してますし。それを言っちゃおしまいでしょうか?

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【BOOK】

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『22世紀の民主主義選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』

22世紀の民主主義選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる

(SB新書)

大ヒット中の初著書。「言っちゃいけないことはたいてい正しい」をモットーに、民主主義や政治の新たな解を提案する、22世紀に向けて読むと社会の見え方が変わる唯一無二の一冊。

【Proflie】 経済学者・データ科学者・ イェール大学助教授・半熟仮想(株)代表。 成田悠輔さん

不登校気味の麻布中学高校を経て、東京大学経済学部卒業後(最優秀卒業論文賞受賞)、マサチューセッツ工科大学で博士号を取得。専門は、データ・アルゴリズム・数学・ポエムを使ったビジネスと公共政策(特に教育)の想像とデザイン。ウェブビジネスから教育・医療政策まで幅広い社会課題解決に取り組み、ソニー、ヤフー、ZOZOなど多くの企業や自治体と共同研究・事業を行う。現在はアメリカと日本を行き来する生活を送り、本業の傍ら、報道・討論・バラエティ・お笑いなど多様なテレビ・YouTube番組でも活躍中。

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