セックスについて、人には話しにくいリアルな声に寄りそう「大人のセックスもやもや相談室」。今回は、BAILA読者から寄せられた「自分はしたいのに相手が求めてくれない」というお悩みに、臨床心理士・公認心理師 みたらし加奈さんと恋バナ収集ユニット・桃山商事 清田隆之さんが回答。
【読者のリアルなケース】自分はしたいし、昔は違ったのに。相手から求めてくれなくなった
10年以上つきあっている彼氏が、ここ最近、セックスを求めてこなくなり悲しいです。1年前くらいまでは頻度も変わらなかったので、突然の変化に戸惑いを感じ、自分の女性としての魅力がなくなったのかと落ち込んでいます。断られるかも、と思うと自分から誘いにくく、何もできずに一人で悩むだけ。彼は、どうして求めてこなくなったのでしょうか? 特に何か大きな問題が起きたわけではなく、セックスをしない以外はうまくいっているのですが……。(29歳・メーカー)
性欲も愛情表現も十人十色。変化することもあるので、まずはヒアリングしてみましょう
臨床心理士・公認心理師
みたらし加奈さん
性被害や性的同意に関する情報を発信するメディア「mimosas」の代表副理事を務める。
「“性的な欲求を向けられること=あなたの価値”ではありません。ただ、その状況で苦しいあなたの気持ちも大切です。もしかしたら原因の中には、コミュニケーション不足もあるかも。パートナーシップを築いていく上では、必ずしもセックスが必要なわけではありません。性欲も愛情表現も十人十色。あなたや彼の、セックスまたは性欲のかたちが変わってくる場合もあります。そこをお互いにヒアリングすることが、次のステップへのカギとなります。急にセックスの話題を出すのはハードルが高ければ、コンテンツを通じて提起するのがおすすめ。個人的に好きなのは、佐伯ポインティさんの動画。プッと笑える動画をきっかけに、過去のセックスの思い出などを切り出してみると、お互いに警戒せずに話せるかも」
推測地獄から抜け出すためには自分から発言&行動するのみ!
恋バナ収集ユニット・桃山商事
清田隆之さん
1200人以上の恋バナを聞き集め、「恋愛とジェンダー」をテーマにコラムやラジオなどで発信。
「仕事が忙しいのかもしれないし、刺激よりも安定感を求めたくなったのかもしれない。様々な推測ができますが、本当の理由は本人にしかわかりません。相談者さんは、単にセックスがしたいのではなく、あったものがなくなった状態に不安を感じているのかも。“セックスは男性から求められるもの”という価値観では最終的なアクションがすべて相手任せになってしまうので、やはり話し合うことは必要だと思います。自分はどんな関係を求めていて、彼は何を考えているのか。それらをクリアにすれば、具体的な選択肢が見つかるはずです」
イラスト/misaitoi 構成・原文/中西彩乃 ※BAILA2023年7月号掲載