便は食べたもので作られるため、腸が元気になる食物繊維パワーで良い便を作る「育便(いくべん)」の食生活を心がけよう。便が喜ぶコンビニごはんも紹介。
良い便を作るために、特に意識したいのが食物繊維。
良い便を作るためには、毎日の生活習慣の見直しが欠かせない。
「腸の動きが良くなる生活習慣を心がければ、自然とすっきり出せる便が作れるようになります。たとえば、バランスの良い食事、質の高い睡眠、適度な運動、こまめな水分補給など。食べ物によって腸内環境は大きく変わり、便の状態に影響を及ぼすので、特に食生活の改善は最重要」(消化器内科医・中島 淳さん)
必要な栄養素を補給することで腸内環境が整う。特に育便と切っても切れないのが食物繊維。
「食物繊維は、腸内を活性化し、便通を改善してくれる働きがあります。『日本人の食事摂取基準(2020年版)』によると、18~64歳の女性の場合、1日の摂取目安量は18g以上ですが、多くの日本人が不足気味なので意識して摂ることが大切。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、理想的な食物繊維のバランスは水溶性1に対して不溶性2といわれています。ただし、それぞれ役割が異なるので、下記を参考に自分の便の状態に合わせて1食6g以上を目標にしましょう。また、西洋型の食事はできるだけ控えて。特に動物性脂質が多い肉は、便の材料になりにくいだけでなく、腸内細菌のバランスが乱れ、排便を妨げる可能性があるので食べすぎには注意が必要です」(うんち栄養士・梅原しおりさん)
便の状態から自分に合った食事を意識することが育便の近道!
便の状態から、取り入れる食物繊維を意識
カチカチ便、コロコロ便の人は…水溶性食物繊維を意識!
便をやわらかくし排便をスムーズにする効果が期待。
水溶性食物繊維は水に溶けてゲル状になる性質があり、高い粘性や粘着力で便をやわらかくしてくれるので、便が硬くて出しにくい人は特に意識して。また善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果も。糖質の吸収を緩やかにすることで、食後血糖値の上昇を抑えることにも役立つ。
水溶性食物繊維が豊富な食材は、ネバネバ、ツルツル、トロトロした食感のものが多い。らっきょう、わかめ、もずく、めかぶ、ひじき、里芋、熟した果物、もち麦、押し麦など。
ほっそり便の人は…不溶性食物繊維を意識!
便のカサを増やして、腸のぜん動運動を促す。
不溶性食物繊維は水に溶けにくい性質があり、高い保水性で胃や腸で水分を吸収して大きく膨らむため、便のカサを増やしたい人は特に意識して。カサを増やすことで、腸内の有害物質の排出を助ける役割も。また腸を刺激し、ぜん動運動を活発にすることで、便を排出しやすくする。
野菜に含まれることが多い不溶性食物繊維。ボソボソ、ザラザラとした食感の食材が多い。豆類、きのこ類、おから、バナナ、切り干し大根、ブロッコリー、たけのこ、玄米など。
水溶性・不溶性ともに豊富な食材もあります。
便をやわらかく、カサも増やしたい人は、水溶性・不溶性の食物繊維を共に豊富に含んだ食材を摂取するのが賢い手! 特にライ麦パンは2種類がバランスよく含まれている。
水溶性・不溶性ともに豊富な食材は、納豆、アボカド、オートミール、ごぼう、オクラ、焼き芋、大根、ライ麦パン、りんごなど。
うんち栄養士・梅原しおりさん監修! コンビニごはんの組み合わせで便秘解消!
カチカチ便、コロコロ便の人は…
もち麦おにぎり×ひじき煮物×蒸し鶏サラダ
もち麦は水溶性食物繊維の含有量がトップクラス。ひじきで水溶性食物繊維&ミネラルを補うことができ、さらに蒸し鶏サラダでタンパク質が摂れるので、栄養バランスが◎。
わかめ蕎麦×温泉卵
麺類を食べるなら食物繊維が豊富な蕎麦がおすすめ。具材は水溶性食物繊維が豊富なわかめ入りのものを。タンパク質を多く含む温泉卵をトッピングすると栄養バランスがUP!
麦ご飯×ネバネバサラダ×ホッケの塩焼き
レンチンですぐ食べられる麦ご飯は、コンビニでもパックで売っているので活用しない手はない。ネバネバ食材を加えて水溶性食物繊維もバッチリ。ホッケでタンパク質も摂取。