自分自身に向き合う貴重な時間で、体も心も休められる睡眠時間こそ、有効活用しないともったいない!長い時間を割くのが難しい忙しい美ST世代が確認しておきたい、良い睡眠のためのチェックリストを睡眠のプロに伺いました。
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更年期の不眠悩みに注意!深い眠りで心身をリカバリーして
\良い睡眠のためのチェックリスト/
・日中はしっかり活動して夜とのメリハリをつける
・夜はリラックスして眠れる環境づくりを
・できるだけ毎日の就寝・起床時刻を一定に
・本、スマホを問わず、文字が読める明るさはNG
質・量・リズムが良い睡眠の要。更年期の不眠悩みには特に注意を
これから更年期を迎えたり、更年期真っ只中の方も多い美ST世代。更年期女性の半数は不眠とも言われています。ホットフラッシュなどに代表される更年期特有の自律神経失調症状やメンタルの不調が睡眠の質を低下させ、睡眠の質の低下がさらに心身の不調を招くという負のスパイラルで疲弊する場合も。
不眠症状に対して安全性の高い睡眠薬を用いること、更年期症状に対して漢方薬を用いたり、血栓症などのリスクに配慮しつつホルモン補充療法を受けることも、負のスパイラルを打破するための解決策として挙げられます。生活習慣から睡眠を改善させるためには、週に2回以上、1回30分のウォーキングなどの有酸素運動を取り入れると睡眠の「質」とともに自律神経失調症状も改善が期待されます。
睡眠の「質」は眠りの深さであり、睡眠の「量」は〝睡眠時間×睡眠の質〟の掛け算のイメージ。更年期の症状などで眠りが浅くなったうえに睡眠時間まで短いと睡眠の「量」はかなり減ってしまいます。少なくとも7時間程度は睡眠時間を確保したいものです。
また睡眠には「リズム」も大切。できれば入眠・覚醒の時刻を一定に保ちたいですが、うまく寝つけなかった日でも起床時刻はできるだけ一定に保つようにしましょう。疲れていても昼寝は15時まで30分以内に。日中は明るい場所で活発に活動し、夜は照明を落としリラックスして就寝するという昼夜のメリハリをつけることが大事です。更年期の不眠をきっかけに「慢性不眠障害」に発展するケースもあります。「つらい」と感じたら睡眠外来へ。よい睡眠で、不調のスパイラルも断ち切るよう早めに適切に対処していきましょう。
教えてくれたのは……眠りと咳のクリニック虎ノ門院長 柳原万里子先生
医学博士。日本睡眠学会睡眠専門医・日本呼吸器学会呼吸器専門医/指導医。2022年11月に「眠りと咳のクリニック虎ノ門」開院。
2023年『美ST』9月号掲載
撮影/須藤敬一(人物)、五十嵐 洋(静物) モデル/吉村ミキ ヘア・メーク/Sai スタイリスト/MaiKo yoshida 取材/安西繁美 編集/浜野彩希