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「お世話になっております」はNG?[ビジネスメールのマナー]基本の書き出し方とは

ビジネスメールの冒頭の挨拶文には、ついつい「お世話になっております」を使ってしまいがちですよね。でも実は、関係性や状況によって使い分けることが大切なようです。今回は、今さら聞けない「ビジネスメールの冒頭の挨拶文フレーズ集」について、秘書歴約15年でマナーに詳しい、能美黎子さんが紹介します。

ビジネスメールの書き出し方のマナー

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【元社長秘書のマナー講座】vol. 18

日常的に使用するビジネスメール。冒頭の挨拶文は、意識して書いたことはありますか? 実は、メールの書き出しの挨拶は、相手との距離感によって異なるためとても大切な言葉です。メールの相手が初めてやり取りする方や大事な取引先などの場合、正しいマナーを理解していないと、よい関係が築けない可能性があります。冒頭の挨拶文には用途によってさまざまな言葉があります。覚えておくと引き出しが増え、対応力が磨かれるため、ぜひ活用してみてください。

ビジネスメールの冒頭の挨拶文フレーズ集

1. 挨拶

普段から連絡を取り合い、ある程度親密な関係の場合は以下を使用します。

1. お世話になっております。
2. いつもお世話になっております。
3. 大変お世話になっております。
4. いつも大変お世話になっております。
5. お世話になります。

2. 丁寧な挨拶

社外の人に宛てたメールの場合は、顔が見えないやり取りだからこそ、相手への気遣いが感じられる一言を添えるのが大切です。より丁寧な書き出しである「平素より大変お世話になっております」を活用しましょう。

1. 平素よりお世話になっております。
2. 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
3. 平素は格別のお引き立てを賜り、心より御礼申し上げます。
4. 格別のご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。
5. 日頃より格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
6. 【個人宛の場合】貴殿におかれましてはご健勝のこととお慶び申し上げます。
7. 【個人宛の場合】貴殿におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

3. 初めてのかたに使う挨拶

初めてメールを送る相手に「お世話になっております」は使用しません。初めてであることを認識してもらえるような書き出しが良いでしょう。

1. 初めまして。
2. 初めてご連絡いたします。
3. 初めてご連絡を差し上げます。〇〇と申します。
4. 突然のご連絡失礼いたします。
5. 突然のメールでのご連絡失礼いたします。

4. 久しぶりの方への挨拶

カジュアルな場合は、「お久しぶりです」を使用し、「ご無沙汰しております」は丁寧な印象を与えます。相手との関係性で使い分けすることをおすすめします。

1. 大変ご無沙汰しております。〇〇でございます。
2. 長らくご無沙汰しております。久々の連絡になり申し訳ございません。
3. お久しぶりです。その後いかがお過ごしでしょうか。
4. ご無沙汰しております。〇〇の件では、大変お世話になりました。
5. すっかりご無沙汰いたしまして申し訳ございません。

5. 重ねてご連絡する場合の挨拶

相手と1日に何度もメールをやり取りする場合、毎回「いつもお世話になっております」とするのではなく、適切なフレーズを使いましょう。

1. 度々申し訳ございません。
2. 度重なるご連絡ご無礼をお許しください。
3. 重ねてのご連絡となりまして、大変申し訳ございません。
4. お忙しい中、重ねてのご連絡失礼いたします。
5. 五月雨に失礼いたします。

6. 返信時の挨拶

相手からのメールに返信する際は、書き出しで返信に対するお礼を述べましょう。「早々」や「迅速」など配慮の言葉があると、相手にも良い印象を与えることができます。

1. 連絡をいただきありがとうございます。
2. 早速のご連絡ありがとうございます。
3. 早速のご返信、ありがとうございます。
4. 迅速なご連絡に感謝いたします。
5. ご連絡が遅くなりまして、大変申し訳ございません。

7. 季節に絡めた挨拶

1月に使える季語の挨拶についてご紹介します。季節ごとに覚えておくとよいでしょう。

1. 【丁寧な挨拶】厳寒の候、貴社益々ご清栄のことと心よりお喜び申し上げます。
2. 【丁寧な挨拶】初春の候、○○様におかれましては益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
3. 【丁寧な挨拶】寒風の候、いつも格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
4. 松が明け、お仕事にも新たな気持ちでご精進されていることと存じます。
5. 年も改まり、決意も新たにご活躍のことと存じます。
6. 寒気はなはだしき折、お元気にお過ごしでしょうか。
7. 寒の入りを迎え、ひとしお寒さが厳しくなってまいりました。

おわりに

ビジネスメールを送る場合には、上記に述べたような挨拶文を必ず一言入れる必要があります。ついつい、「お世話になっております」ばかりを使ってしまいがちですが、相手や取引先との距離感も加味しながら言葉を選ぶとより良い関係性を構築できるかもしれません。相手との関係性によっては、カジュアル過ぎると礼儀のない人だと思われてしまう可能性がありますので注意が必要です。相手に対して失礼にならないよう、今一度メールを送る際に読み返してみてくださいね。

<筆者情報>
ライター:能美黎子
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。

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