職場によくいる“話が通じない人”とのコミュニケーションは業務より難しい! 元コンサルタントで『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』の著者・安達裕哉さんが、あらゆる仕事のシーンで活用できるテクニックを伝授してくれました。
【鉄則1】難しい言葉を使わない
「以前働いていたコンサル会社では、中学生が理解できる言葉しか使うなと教えていました。自分の知らない言葉を使われると、“ばかにされている”と感じて不機嫌になる人が、すごく多いんです。特に古きよき時代を語りがちな人ほど、横文字が大嫌い。聞く耳を持ってくれないと感じたら、相手の立場に立って、わかりやすく伝えることを心がけてください」
【鉄則2】相手にとってのメリットを伝える
「問題解決に協力してくれないのは、あなたに労力や時間を費やす価値がないと感じているから。裏を返せば、向こうの目標達成につながることであれば、協力してくれる可能性が上がります。相手にとって優先度が高い課題ほど魅力を感じてもらえるので、日常の会話で探ってみて。自分とその人との課題をリンクさせて、具体的な解決策を提案しましょう」
【鉄則3】提案するときは相談の姿勢で
「話が通じない人は総じてプライドが高い。特に頑固なタイプは、自分のやり方に強いこだわりを持っています。そういう人に提案したいときは、まずは相談することが鉄則。相手のやり方を尊重する姿勢を見せ、前提条件を聞き出しましょう。そして“○○さんに教えていただいたとおりにつくりました!”と提案書を渡せば、向こうは受け入れざるを得ません」
【鉄則4】相手が話したいことを気がすむまで話させる
「仕事の提案が却下される理由のほとんどは、上司のやりたいことと違うから。話が通じない人をロジックで説得しようとしても無駄なので、その上司の要望を知る必要があります。威圧的な人や頑固な人は特に、自分の考えを語ることが大好き。話を聞くうちに相手のビジョンが見えてくるので、それをベースに自分の考えを混ぜて提案すると、通る確率はグンと上がります」
【鉄則5】相手が褒められたいことを見極める
「権力を主張したいタイプの人は、承認欲求を満たしてあげると上機嫌に。普段から観察して、
相手が特に力を入れていることをピンポイントで褒めると、より効果が高まります
。“部長が先日発表したプロジェクト、すごく評判いいですね! 私もこういう企画がやりたいんですけど……”という感じに提案すれば、門前払いされることはないでしょう」
【鉄則6】答えなきゃいけない環境に追い込む
「話をすり替える人は、責任を背負いたくないため決断を避けがち。その人のOKを待っていて仕事が滞ってしまうと、自分のミスになりかねません。自分ひとりで対処できる問題ではないので、さらに上の立場の人にSOSを出して介入してもらいましょう。質問に対して質問で返されたら、意見を伝えて、相手が決断するまで沈黙を決め込む。逃げられない状況をつくるのがポイント」
【鉄則7】意思決定者を先に説得しておく
「どんな仕事にも意思決定者がいて、その人以外は、ただのチームメンバーにすぎません。
全員を納得させるのは無理ですし、そもそも意味がない
。話が通じない人と意見が食い違い、らちが明かないときは、意思決定者に決断を求めてください。自己主張したがる人ほど権力者に弱いので、上司の意見はすんなり受け入れます」