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日記ブーム到来! 日記本を読んでみる、文学フリマに参加してみる…日記をより楽しむ3つの行動

“自分のため”だけでなく、“読み手がいる”日記も書く人が増えている今、あらためてその本質に迫ります! 書く人も読む人も、ますます日記が楽しめるおすすめの本&イベントがこちら!

1. おすすめの日記本を読んでみる

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『日記の練習』
くどうれいん
NHK出版 ¥1870
「ひと月ごとに、断片的なメモのような日記を詳細なエッセイで締めくくる、ユニークな構成。日記に抱いていた疑問が解ける爽快感と、エッセイが完成するまでの過程を知られる、2つの面白さが」

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『1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい』
小沼 理
タバブックス ¥1980
「著者はゲイ男性のライター。差別を受けたこと、作った料理、恋人との会話が同じ温度で描かれていて、小説のようにロマンチック。丹精で美しい文章に、うっとりします」

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『おくれ毛で風を切れ』
古賀及子
素粒社 ¥1980
「今、最も注目される日記作家。悩みや苦しみが支持されてきた日記本の常識を打ち破り、二人の子どもを育てるシングルマザーの日常をユーモアたっぷりに描いています。とにかく笑えて元気が出る一冊」

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『富士日記 上中下巻』
武田百合子
中央公論新社 ¥1034~¥1056
「作家・武田泰淳の妻が生前につけていた日記を、編集者が発見して出版。日記文学の頂点と言われる名作です。みずみずしく日々を切り取る文章力は、何度読んでも感動します」

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『無人島のふたり-120日以上生きなくちゃ日記-』
山本文緒
新潮社 ¥572
「膵臓がんを患い余命4カ月を宣告された日から、亡くなる数日前までの記録。残された人に感謝を伝えることもできると知り、あらためて日記の奥深さを認識」

2. 文学フリマに参加してみる

「文学フリマとは文学作品の即売会で、プロ・アマチュア問わず、どなたでも出店できます。出店者は、作品のジャンルを小説、評論・研究、詩歌、ノンフィクションの4つから選択できますが、中でも日記が含まれるノンフィクションは近年、増加傾向に。日記本を売る人も買い求める人も、普段からnoteで日記を書いていたり、日記を読んでいる人が多い印象です。自主制作の日記本の魅力は、より作家のプライベートに近いこと。出版社の手が入っていない状態だから、その人らしい文章を楽しめます。初参加の出店者からは、“締め切りに向けて書き上げる作業が新鮮で楽しかった”“自分の本を対面で買ってもらうたびに涙が出るくらい嬉しい”といった声が」

開催情報
2002年に始まった当初は年1度、東京のみの開催でしたが、参加者の増加に伴い開催回数も増えて、今年は全国8カ所で9回開催。次回は6月15日@岩手県。

3. 「日記屋 月日」の“月日会”に参加してみる

「日記屋 月日は、日記に興味・関心のある人が集まれる拠点を目指して、2020年4月にオープンしました。店舗で自主制作本を含む古今東西の日記本を販売するほか、会員同士で日記を読み合うオンラインコミュニティ『日記屋 月日会』、ファシリテーターと一緒に日記をつけるワークショップ『日記をつける三ヶ月』、年2回のマーケットイベント『日記祭』などを運営しています。最近の顕著な変化としては、ワークショップの参加希望者が急増中。SNSやnoteなどで公開された文章を読むのが日常となった今、ひっそりと内省することに興味を抱く方も多いのではと感じています。自分の内面と向き合う文章は、情報を消費するのでなく、時間をかけて物事を捉え直す楽しみとして現代に響いているのかもしれません」

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日記屋 月日
東京・下北沢にある日記の専門店。コーヒースタンドを併設している。
東京都世田谷区代田2の36の12
【営業時間】8時〜19時

《Report》月日会会員に話を聞いた!

「オープンと同時に入会し、これまで自主制作で日記本8冊を作りました。続けてずっと読んでくれる方もいて、作った本が誰かの手に渡ることに面白さがあります。最近は自主制作の本を取り扱ってくれる書店もあり、書店に私の書いた本が並ぶという夢のような出来事もありました!」(針山さん)

撮影/さとうしんすけ スタイリスト/山本瑶奈 構成・原文/中西彩乃 ※BAILA2025年7月号掲載

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