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#三宅香帆 が選ぶ「共働きを考える本」3選[働いていても読みたい本]

文芸評論家の三宅香帆が、バイラ世代におすすめの最新本をピックアップ! 今回は、共働きを考える本として、『パパたちの肖像』など3冊をレビュー。

【三宅香帆が選ぶ最新書籍】共働きを考える本

行成薫、似鳥鶏ほか『パパたちの肖像』

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小説にもビジネス書にも共働き時代を救う本がいま、増えています!

バイラ世代には、共働きの夫婦が増えているはず。今月は揺れ動く日本の共働き家庭を考える本に注目したい。中でも面白い視点で語られるのが『パパたちの肖像』。上の世代よりも密に子育てに参加するようになった「パパ」たちの悲哀や葛藤、喜びを、様々な作家が描く短編小説集だ。読み進めると、社会の中ではまだまだ男性の育児参加のスタンスが定まっていないんだなあと発見できるものも多い。私自身も含め、子育てしてない人こそ読んでみると周囲のパパたちに思いを馳せることができるはず。

キャリア、子育てや夫婦関係、友人との時間……すべて完璧に整えるのは難しいけれど、それでも挑戦しようとする人たちの姿に間違いなく励まされる。

『パパたちの肖像』
行成薫、似鳥鶏ほか著
光文社 2200円

「イクメン」という言葉が死語になり、男性の育休取得割合が上昇するなど、“パパ”を取り巻く環境は日々変化しているがその心の内は一体? 令和の家族像が7人の父親作家によって語られる小説アンソロジー。

これも気になる!

クラウディア・ゴールディン 『なぜ男女の賃金に格差があるのか 女性の生き方の経済学』

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『なぜ男女の賃金に格差があるのか 女性の生き方の経済学』
クラウディア・ゴールディン著 鹿田昌美訳
慶應義塾大学出版会 3740円

ノーベル賞受賞の経済学者が明かすのは、なぜ今もなお男女間貸金格差があるのかという問い。決して他人事ではない、日本で働く私たちが知るべき構造がここに。

ジェニファー・ペトリリエリ 『デュアルキャリア・カップル ―仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える』

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『デュアルキャリア・カップル ―仕事と人生の3つの転換期を対話で乗り越える』
ジェニファー・ペトリリエリ著 高山真由美訳
篠田真貴子日本語版序文 英治出版 2420円

夫婦がキャリアを形成していく上で、「もめやすいタイミング」を3つの転換期に分けて考察する本。お互いにとってベストなバランスをとるヒントが満載。

イラスト/おおさわちか ※BAILA2026年1月号掲載

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