レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回ご紹介するのは、『Bar Portillo(バル ポルティージョ)』のコンビナード(タパス6種の盛り合わせ)です。
「バル」とは、スペインの“立ち飲み居酒屋”をさす。その特徴はタパスという小皿料理(オリーブの実、魚や野菜のフリットなど)が充実していること。日本でよくみかけるバルは、低価格だけを強調する“安っぽい”店のなんと多いことか! と、あきらめていたけど、骨太な店が登場してきた。
5月10日、中目黒にオープンした『バル ポルティージョ』は、スペインでも珍しいスタイル。何しろタパスは30種以上、さらに現地のバルでは絶対出ないパエリアを10種類前後揃えている。実はここ、代官山『サル イ アモール』、銀座『ラ パンサ』で大成功を収めたアロセリア(米料理専門店)の3店舗目。オーナーの岡本ビクトル栄氏の思いは、店名に込められていた。“小さな扉”。これはスペインへの入口という意味。タパス初心者にもわかりやすいよう、プランチャ(鉄板焼)、フリット(揚げ物)などのテーマごとにグルーピングした盛り合わせが用意されている。これがあれば2人でつまむには十分。そして、19時からは炊き上がったパエリアをテーブルごとに回って売り歩くサービスも。本来2~3人分3000円前後の一品料理だけど、売り歩きパエリアはタパス値段で一皿600~700円。上手に利用して、スペイン料理のおいしいとこ取り!
コンビナードNo.5。イベリコ豚の生ハム、ピキージョピーマンのコンフィ、イカのフリート、焼きチョリソとフライドエッグ、マッシュルームのセゴビア風、タラのグラティナードの6種で¥3,500。
Bar Portillo 東京都目黒区青葉台1‐19‐12 エスセナーリオ青葉台103 TEL:03・6455・2536 17:30~23:30(22:30LO)、土・日・祝日17:30~23:00(22:00LO) 月曜休
いぬかい・ゆみこ レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。
※『anan』2019年6月19日号より。写真・清水奈緒 取材、文・犬養裕美子
(by anan編集部)