職場の上司から高評価を受け、同僚や後輩から慕われる。訪問先の方々や友人から“あの人、やるな”と思われる。そんな誰しもが一目置く、“できる”女性になれる気遣いや所作を、いまの時代に合ったマナーの観点からマナーの専門家・尾形圭子さんが伝授!
姿勢や表情、声掛けなど、日々の生活の中でできるちょっとした気遣いとふるまいで、印象は激変! 叱られたり、不快な思いをしてクレームを入れる…といった、感情が出やすいような場面でも、スマートな対処法さえわきまえておけば、“いいよね”と好印象になること間違いなし! いいよね、あの人と言われる“日常生活での気遣い&ふるまい”5選をお届けします。
周りが声を掛けやすい表情でいる。
イライラしたり、どんなに忙しくても、険しい表情で周囲の人を遠ざける、不快な雰囲気を出さないことも立派な気働き。
「威圧感や不機嫌さがダイレクトに伝わってしまうのが、眉間のシワ。険しい表情は声のトーンにも影響しますが、自分では気づきにくいもの。PCの近くや二つ折りのスマホケースの内側など、よく目にするところに鏡を置き、小まめに表情をチェックしましょう」
Point:眉間にシワを寄せない。口角を常にキュッと上げておく。
店員さんの名前を覚えている。
名前を呼ぶことは、その人を気にかけていることを伝えるサイン。仕事や友人関係だけでなく、食事に訪れた店のスタッフの名前も覚え、親近感を持ってもらおう。
「最初に発する『○○さん、今日もよろしくね』というひと言で、呼ばれたスタッフのモチベーションは上がるもの。同時に、認識されていると知ることでいい緊張感が生まれ、丁寧なサービスを受けられて、一石二鳥です」
褒められ方が上手い。叱られ方が上手い。
褒められたり、叱られたり、感情が動くシーンでの受け答えによって、印象は大きく変わる。
「褒められて『そんなことはないです』と謙遜すると、相手を否定することにもなりかねません。『ありがとうございます』と素直に受け止め、『嬉しいお言葉です』など謙虚さを添えてみましょう」
叱られている最中に、話を遮り、弁解を始めるのは絶対にNG!
「反射的にカッとせず、冷静に最後まで聞きましょう。誤解を正すのも『そう受け取られたのには私にも責任があります』と、いったん相手の話を受け止めてから」
【褒められたとき】
○:感謝の気持ちと謙虚なひと言を。
×:「いえ、いえ、そんなことは…」
【叱られたとき】
○:冷静にミスを受け止める。
×:話を最後まで聞かないで弁解。
クレームの伝え方がスマート。
つい感情的になりがちな、クレームを言う場面。ここで試されるのは理性と品格、そして心の広さ。
「品格ある大人として、クレームを告げるときは理路整然と。同席している仲間や無関係のお客さんにまで険悪な雰囲気を強いないよう、言い方や声量にも注意して」
では、同席者がいても、その場でクレームを言うべき?
「場の空気を壊さぬよう、率先して質問形式で言えば好印象です」
【上手な伝え方】
(1)理路整然と話す。
(2)質問+要求を具体的に。
(3)場の空気を壊さない声量で。
例えば、「これ、注文と合っていますか? 違うようなので○○と替えてください」と、質問+要求を具体的に伝える。トラブルになったら、気持ちを切り替え、その場はやり過ごし、後で自分一人のときに責任者に伝える。
スルーしがちな気配りができる。
バスやタクシーなどの運転手への「ありがとう」。飲食店のスタッフへの「ごちそうさま」。そうした当たり前に思える小さな気配りを欠かさないことが、周囲の人への大きな信頼へと繋がっていく。
「友人などの車に長距離乗せてもらったら、ドライバーに感謝し、ガソリン代や駐車代、高速代を負担することを忘れないで。向こうに言わせず、『割り勘にしよう』と自ら積極的に切り出してみて」
おがた・けいこ 全日空や大手書店での人材育成経験を基にマナーの専門家として実践的なコツを伝授。『大人かわいい女性の話しかた&マナー』を監修。近著に『一生使える「電話のマナー」』がある。
※『anan』2019年6月26日号より。イラスト・HONGAMA 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)