「好きだけど怖くて話せない」そんな好き避け行動をしてしまう女性っていませんか。若い頃ならかわいげがありますが、アラサーともなると好き避け行動は恋の足かせにしかならないもの。でもなぜ人は好きな相手を避けてしまうのでしょう。
文・おおしまりえ
【おおしまりえの恋愛道場】vol. 22
大人になっても直らない「好き避け」が起きる仕組み
「好き避け」それは、好きな人との距離が縮まりそうになると、好きなのに相手を避けるような行動を取ってしまうこと。彼と話をするタイミングなのにそっけない態度を取っていたり、接点を持ちたいのに避けて行動してしまったり。
10代ならそれも未熟さゆえと思えるものですが、この好き避け行動は放っておいたら直るものではありません。筆者に相談をしてくれる女性の中にも、アラサーになって今なお直らない好き避け行動に頭を悩ませている人も……。
せっかくの恋愛感情が実らない可能性を高める好き避け行動。そろそろこの辺で直していきませんか?
好き避け女子の共通点5つ!
自分は好き避け行動が強いのか、ちょっとわからない女性もいるかもしれません。そこでまずは、好き避け行動を取りがちな女性に共通する性格と、その理由を簡単に解説します。
・相手が自分に気があると思うと、怖くなり避ける
典型的な好き避け行動のひとつです。この心理は、相手と親しくなった結果、相手をがっかりさせることへの恐怖心がワクワクよりも勝っているから起きています。
・自分からデートの誘いや告白をするのは極力避けたい
これも方法を変えた好き避け行動のひとつ。楽しいデートが実現するよりも、断られ、相手に面倒臭いと思われる恐怖が大きくなっています。
・いつも白黒極端な発想を持つほうである
好き避けをしがちな女子は、0か100、白か黒といった、極端な思考を持ちがちです。50やグレーなど、なあなあの思考が許せません。実はこれ、幼少からの物事の捉え方の癖が残っているから起きること。詳細は後述しますが、極端な思考は「無理ならもうやめる!」といった好き避け行動にもつながっていきます。
・傷つくくらいなら最初から人間関係は築きたくないと思っている
傷つくならば人間関係を築かない。これってすごく極端な発想ですよね。言葉を変えるならば「振られるくらいなら先に振る」「結婚できないなら別れる」といった唐突な判断も、同じといえます。これらは全て傷つくなら人間関係を放棄するといった極端行動。その軽微なものが好き避けにつながります。
・ふとした瞬間この世界から消えてしまいたいと思う
好き避けは“意欲の放棄”でもあります。簡単に意欲を放棄しがちな人というのは、根底に無力感を持ち合わせていることもしばしば。ふとした瞬間死にたい(実際に死ぬことはない)、すごく孤独を感じる、消えてしまいたくなる。こんな感覚を抱く人は、好き避け行動もしがちかもしれません。
好き避け行動の根底にある「不安感」と「回避」の気持ち
やっかいな好き避け行動。恥ずかしいとかシャイだから……という問題で済ませてはいけません。その行動の根底には、幼少期から適切に満たされなかった愛情による、認知の歪みが生じています。
代表的な歪みパターンは2つ
・欲しかった愛情がもらえなかったから、これからももらえないのではと考える愛情不安型
・欲しかった愛情がもらえないから、欲する感情をなかったことにする愛情回避型
彼に嫌われるかもと思うとドキドキして好き避けする、という人は不安傾向が強いタイプ。彼に嫌われてしまうくらいなら、最初から関係を持たないでおきたい、と思ってしまう人は回避傾向が強いタイプ。そんな風に行動動機を見つめると、自分の心の仕組みに気づけるかもしれません。
このタイプはもらえなかった愛情によって、物事の捉え方に偏りが残ったまま大人になっていることが多々あります。例えば大好きな恋人は、自分に優しい時もそっけない時も、総合してみれば大好きなはずです。
しかし愛情が足りず、物事の捉え方に歪みを持ったままの人というのは、たとえ大好きな人に対しても、「優しい時は大好き、そっけない時は大嫌い」といった、極端に部分的な捉え方をしてしまいます。これが発展すると、「ネガティブな反応の時は嫌い(怖い)だから避ける」といった、好き避け行動に発展することもあるのかもしれません。
好き避けを今日から克服していく!
ちょっと大掛かりな心の話になってしまいましたが、好き避け行動を今日から癒やしていくには、根本的な愛情を満たすことから始めなくてはいけません。とはいえ、それが難しい場合もあると思うので、ここでは2つのアプローチをご紹介します。
1つは「避けられなかった」という好き避け行動をちょっと頑張ってやめてみて、うまくいった成功体験を自分の中に積むことです。人間というのは、成功体験を積み重ねると苦手意識が自然と緩和されていくものです。とはいえ最初の一歩はとても怖いもの。そこで2つ目の手段が有効です。それは「他人にジャッジしてもらう」ということ。
あなたが好き避け行動を起こしそうになったら、親しい友人などに「好き避けを起こしている、いまの状況は当然だと思う?」と聞いてみて欲しいのです。本人にとっては重大な行動ですが、他人からみると本当に些細な状況であったり、「それは避けないで進めばうまくいくやつだよ!」と思ったりすることも多々あります。そういった冷静な判断を他人から入れてもらうことで、好き避け行動を取ってしまう心理から距離を取り、冷静な自分に常に戻していく。という行動が必要です。
好き避けって些細な行動かもしれませんが、避けた結果、チャンスをふいにしていることも多々あります。積極的にグイグイいくことは無理でも、「ここだ!」というポイントで変に怖気づかないためにも、ちょっと勇気を出して一歩進んでみませんか。
おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。