“引き立て役”だと思っていた友人の結婚。
その時"独身アラサー女子"の私を待ち受けていたのは、
驚きや焦り、どこか置いてけぼりにされたような気持ち。
...そして運命を変えた1つの出会いだった。
…大学の同期たちとのBBQは楽しみにしてたイベントだ
「沙織、久しぶり!」
私が振り返った先にいたのは、元カレの"和也"だった。
昔もカッコよくて自慢の彼だったけれど、さらに大人っぽくなりますますいい男に変わっている。
…和也に呼び掛けられ振り向く沙織
彼はみんなに声をかけながら私の方に近づいてくる。
そしてついに私に気づき、少し驚いたような顔をしながら近寄ってきた。
和也「あれ?もしかして沙織?」
沙織「え、あ、うん。久しぶり」
私はどうしていいかわからず、俯きがちに答えた。
和也「来てたんだ!すごい久しぶりだな!元気だった?」
沙織「うん、元気。和也は?」
まるで何事もなかったように話す和也とは対照的に、私はどこかたどたどしく話してしまう。
和也「俺も相変わらずだよ!」
和也を見ていると、どうしても過去の辛かった思い出が走馬灯のように蘇って来るようだった。あの頃は、信じていた彼と友人に同時に裏切られ、誰も信じられなくなるほど傷ついていた。
だからこそ、見返してやると意気込んできたものの、こんな風に普通に話しかけられてしまうとどうしていいかわからなかった。
和也「なんか沙織、イメージ変わったね」
急に、和也がじっと私のことを見つめてそう呟いた。
沙織「え、そうかな?」
和也「うん、すごい綺麗になったよな。なんか華やかになった」
…和也の言葉に驚きながらも少しうれしい気持ちの沙織
(もしかしてカラコンのおかげかな?)
和也「あの時は・・・ごめんな。あの後結局あいつともすぐ別れてさ、実はちょっと後悔してたんだ。あれから何人か付き合ってみたけどなかなか続かなくて、今も彼女いないしさ」
沙織「そうなの?」
和也の口からそんな言葉が出てくるなんて意外だった。
和也「うん、大学時代の自分が今ここにいたら一発殴ってやりたいよ・・・ってそれは沙織の方だよな!」
あまりに唐突なことを言うので、私は思わず笑ってしまった。
沙織「・・・確かに!一発殴ってやりたいかも!」
和也「うん、思いっきりいっていいよ!」
そんなくだらないことを話しながら、いつのまにか和也と過去の話で笑い合えている自分に気づいた。まさか当の本人とそのことについて話すときにが訪れるなんて夢にも思わなかった。
和也「でもさ、俺の中ではお前が一番いい彼女だったよ!」
…和也の一言に驚くけれど少しうれしい沙織
まっすぐに私を見つめてそう言った彼の目には、嘘はないように思えた。
和也は最終的に私を傷つけたけれど、嘘はつけない人でもあったのだ。
だからこそ"浮気"ではなく、感情のまま"好きな人ができた"と馬鹿正直に打ち明けてきたのだろう。
そんな素直な和也だからこそ、私は彼に恋をしていたのかもしれないと思った。
そんなことを考えながら和也と話しているうちに、今までの胸のつかえがスーッと消えていくような気がした。
あんな風に別れてしまったせいで、彼の好きだった部分も見えなくなっていたけれど、今日この場で和也と再会することができたおかげで過去の思い出も、そう悪くないものだったように思えてくるのが不思議だった。
その時、不意に私の携帯が鳴った。
見てみるとLINEが1件。相手はこの間の結婚式で声をかけてきた水谷さんだ。
水谷(今度、2人でお食事でも行きませんか?)
最近こんな風にデートに誘われることもなかったから、思わず顔がにやけてしまう。
和也「誰?もしかして彼氏?」
つい、和也と話していたことも忘れて返信を打っていると、和也が探るように私に尋ねてきた。
一瞬なんて言おうか迷ったものの、
沙織「ううん、ただの友達」
とあえて思わせぶりな笑顔で答えてみせた。
それは7年越しの、ちょっとした和也に向けた"仕返し"だったかもしれない。
(水谷さん、か。友達か彼氏になるかはまだわからないけどね!)
「それで、元カレどうだったの?」
BBQの数日後、旦那に子供を預けた舞と久々に二人きりでカフェに訪れると、急かすように舞がこないだのことを訊いてきた。
…何だか自分の事の様にうれしそうな舞
沙織「なんかね、話してたら昔のことはどうでもよくなっちゃった!」
何でもないようにコーヒーをすすりながらも、そのことを思い出すとつい顔がにやけてしまう。
舞「え、なんで?なんかいい事でもあったの?」
そんな私の様子を見て、舞は不思議そうに首をかしげた。
沙織「実は、元カレに綺麗になったねって言われちゃったんだ!」
舞「わ〜良かったじゃん!見返せたんだね!」
沙織「うん、舞にカラコンを薦めてもらったおかげ!」
舞に勧められてカラコンに挑戦してから、本当にいろんなことがうまくいくようになった気がしていた。
舞「やっぱカラコンってすごいね!じゃあ結局、水谷さんと元カレ、どっちにするつもりなの?」
沙織「元カレは所詮、元カレだよ(笑)!今は過去の恋愛より、新しい恋愛に挑戦してみたいから、今度の土曜水谷さんとデートするつもり!」
30歳を目前にして、新たに何かに”挑戦する”ということがなくなっていた。
全て仕事や年齢のせいにして、本当は今の自分が変わっていくことを恐れていていたのだと思う。
新しい恋愛や未来の先には、その先へ進むために乗り越えなければならない"壁"が立っているものだ。
慣れきった毎日の中、無駄な苦労や傷つくようなことはしたくない。
年齢を重ねるにつれ"心の傷"は、治りが遅くなるものなのだから。
だからこそ、人の結婚には敏感になりながらも、”結婚できないのではなく、しないだけ”、”仕事が恋人”、などと、これまでずっと何の変化もない毎日を正当化する言い訳ばかり並べてきたのだった。
変化を恐れること。
それこそが私を含め、"結婚できない女"の共通点だったのだ。
だけど変わる"きっかけ"とは、とても細やかなことなのかもしれない。
まずは、ほんの少しの"挑戦"をしてみること。
例えば、人生初"カラコン"を入れてみること、だって立派な挑戦だ。
その結果、"カラコン"は私に"小さな勇気"をくれたのだ。
その小さな勇気が、今より一歩前に進む力に代わり、
その先には大きく未来を変えてしまうほどの"運命の出会い"が待っているかもしれない。
"カラコン"との出会いは、
私に"小さな勇気"と、そんな"運命かもしれない出会い"をくれたのだった。
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LOCARI初!連載コラム
「結婚できない女」の共通点
は今回で最終回です。バックナンバーもぜひ楽しんでくださいね。
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vol.1
vol.2
Vol.3
[Staff]
撮影/飯岡 拓也 ヘアメイク/只友 謙也(P-cott)
[Model]
yu.i.k.a kiyoko1207