この週末にも日本列島を縦断するような予報が出ている台風14号。台風進路図だけでない役立つ情報とは。
「チャンポン」と空目してしまったとTwitter上で話題になった台風14号「チャンホン」。予報円の大きさばかりクローズアップされていた印象がありますが、予報円の大きさばかりにとらわれてはいけないのです。その理由を気象予報士の千種ゆり子が解説します。
■台風進路図だけに頼る危険
台風の予報円は「台風の中心が予報円の中に入る確率が70%」であることを表す円です。つまり“台風の中心がどこに行くか”しか、この円は表していないのです。
中心付近だけに強い雨雲が分布している台風ならこの予報円だけで十分なのですが、今回は「台風が秋雨前線を刺激して大雨になる」パターンなので、この見慣れた台風の予報円だけ見ているのは非常に危険です。
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■太平洋側で大雨に警戒を
この「秋雨前線+台風のセット」は、過去に幾度となく水害をもたらしてきました。このパターンは離れた所でも大雨になりますが、皆さんどうしても台風の中心にばかり目が行きがちになってしまうので、不意打ちになりやすいのです。
11日までに予想される72時間雨量は紀伊半島や徳島県内で600㎜超で、関東でも300~400㎜の恐れがあります。3日先までの予想で、かなりブレ幅はあるものの、1つの可能性として睨んでおいても良さそうです。
■「これぞ求めていた情報」と大絶賛
では具体的に「いつどこで」影響が大きくなるのかについては「早期注意情報(警報級の可能性)」が参考になります。ある気象予報士が台風10号の際に紹介をし、「わかりやすい!」「これぞ求めていた情報!」と、1,000件以上リツイートされたもので、今回も参考になりそうです。
こちらは全国の発表状況を地図上に示したものですが、気象庁ホームページからは、市町村ごとに見ることができます。
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■気象情報は「腐りやすい」
以前、「台風の予報は3時間ごとの更新」という記事を書いたことがあるのですが、 気象予報、特に台風や大雨の情報は、消費期限がとても短いのです。この早期注意情報も、通常は1日3回(朝5時・昼11時・夕方17時)更新されます。
Twitterなどでは古い情報が流れてくることもありますので 確たる情報は気象庁ホームページなどで入手されることをオススメします。
(文/千種ゆり子)