子どもの遠足の弁当作りや週明けの早朝会議など、いつもの起床時刻よりも早く起きなければならない朝は、なんだか憂鬱なもの。でも、予定外の早朝起床は、なかなか変わらなかった乱れた睡眠習慣を立て直す良いきっかけになります!
今回は、多くのプチ不調や美のお悩みを解決してきた、ナイトケアアドバイザーの小林麻利子が、早朝起床の対策と、睡眠習慣を立て直す方法をご紹介します。
文・小林麻利子
【小林麻利子の美人の作り方】vol. 124
早く布団に入っても早起きはできない
多くの方は、翌朝早く起きなければならない日の前日は、早めに布団に入って寝ようとされるようですが、眠気の波はそう簡単にやってくるものではありません。なかなか寝つけず、気づけばいつもの就寝時刻を過ぎてしまった! ということもあり、結局寝起きの悪い朝を迎えてしまいます。
翌朝に早朝起床を予定しているときの前日の過ごし方
そのため、翌朝の起床時刻がいつもより早かったとしても、「いつもの就寝時刻」に眠りにつくようにしましょう。そして就寝時刻の1時間前にはお風呂から上がるようにします。いつもシャワー浴の方は、この晩は特に睡眠時間が短くなるので、深い眠りに入れるように、湯舟に浸かることを強くおすすめします。
体の内側の深部体温が急降下すればするほど深い眠りにつくことができるので、湯舟でしっかり体を温めて深部体温を少し上げてあげればその反動で、シャワー浴よりも体温を下げることができます。炭酸系の入浴剤を入れたり、入浴前に温かいお湯やノンカフェインの温かいお茶を飲むなど工夫してから入るのも良いでしょう。
翌朝の起床で守ってほしいこと
この日の過ごし方で、ご自身の乱れた睡眠習慣の立て直しができるので、ぜひ守っていただきたいことをお伝えします。
1. 目覚まし時計をかけて「1度」で起きる
そもそも目覚まし時計を設定すると、音で無理やり起こされるため、寝起きは悪くなるのですが、今回はわざとその状態を作っているので、ぜひセットしてください。
ただし、何度も音がなるようなスムーズ設定はNG。深夜の深い眠りのときに出る脳波が朝の二度寝の際に出現してしまい、音で何度も起きたり眠ったりを繰り返すことで、さらに最悪の寝起きとなってしまいます。
今日から睡眠を立て直すのだという強い意志を持ち、1度で目覚めよう! と心に決めたら意外と1度で起きられるものなので、ここは少し努力して起きてみてください。
2. 朝食は早い時刻に食べない
朝食は、早く起きたからと早い時刻に食べず、いつもの時刻に食べるようにしてください。たとえ早く起きたとしても、消化器系の体内時計はいつもと同じ時を刻みます。翌朝からまたいつもの日常生活に戻るわけなので、体内時計を乱さないよう、食事時刻はいつもと変えないようにしましょう。
3. 早朝ゴルフの夫のための朝食は作らない
ちなみに、ゴルフなど早朝に予定のある夫のために早く起床した方は、朝食を作らないようにしてください。2とも関係しますが、ご主人も翌朝はいつもの時刻に起床するわけなので、ゴルフだからと早めに朝食を食べてしまえば、消化不良を起こしてしまうこともあります。
また、早朝は脂肪をため込む物質が多いこともわかっているので、ご主人の健康のためにも作らないことをおすすめします。何か食べるものを持たせて、極力いつもの朝食時刻に食べるようお伝えください。
その後は、絶対に二度寝をしない
乱れた睡眠習慣を立て直すために最も重要なことは、「絶対に二度寝をしない」ということです。家族のために早朝起床した方は家族を送りだしてから、またご自身が早朝出発をする必要がある方は電車の中などで、ついウトウトと二度寝をしがち。
ここで眠ってしまうと、気持ちがよいためその場では睡眠不足を解消できるので一見よさそうですが、今回のテーマは、「乱れた睡眠習慣を立て直す」こと。ここは、どんな手段を使ってもいいので、必ず眠らないようにしてください。
可能なら昼寝もしないこと
昼食を食べようが食べまいが、人は13時~15時頃眠気を感じるメカニズムがあり、20分以下の昼寝は、仕事や家事のパフォーマンスを上げる最高の作用があります。ですが、何度も言いますが今回の目的は睡眠習慣を立て直すことにあるので、昼間も決して眠らないように気をつけましょう。
単純作業や退屈な時間を過ごすと、覚醒度が下がりがちになるので、眠くならないように、ジムの体験レッスンに行ったり、友人と食事の約束をしたりと予定を入れるのもよいでしょう。自宅では、ハイテンポの音楽を流したり、いつも放置していた掃除に集中するのも良いでしょう。
その日の就寝時刻を設定する
睡眠不足状態で1日過ごしたので、覚醒時間が長くなり、さまざま発見されている睡眠物質がたくさん分泌し、そのお陰で夜はいつもよりぐっすり眠ることができるはず。
そのために、まずは翌朝に起きる時刻から6時間半以上前に眠りにつけるよう、就寝時刻を定めましょう。まだまだ睡眠時間6時間未満の方が多いのですが、眠りの深さだけでなく、睡眠時間自体にも、体を修復してくれることが最新の研究ではわかっているので、最低6時間半は眠れるよう設定する必要があります。
最適な睡眠時間がわからない方は、3日以上ある長期休みのときなどに、同じ就寝時刻で寝始め何時間眠ればすっきり起きられるか探ってみるとよいでしょう。