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実は“振り向く”のも効果あり…! プロに聞く「夜道のひとり歩き防犯テク」

仕事が夜遅くまでかかり、ひとりで夜道を歩くことがある人は要注意! 怖いニュースはよく耳にするものの「自分は大丈夫」と思っていませんか? 明日は我が身かもしれません。そこで日頃の防犯術と素人でもできる簡単な護身術を、防犯・護身術師おりえさんに教えていただきました!

文・椎原茜

夜道を歩くときの防犯術

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夜はできるだけ人気(ひとけ)の多い道を通ることは必須。それでも、人が少ない道を歩かなければならない場合もあるかもしれません。そのようなシーンを想定した防犯術をおりえさんに教えていただきました。歩き方、おすすめの服や荷物、犯罪者が嫌うものなど要チェックです!

夜道を歩くときは一定の距離を・歩きスマホなどは避ける

おりえさん 犯罪者は20メートルほど前から目をつけ5~6メートルの地点から襲うことが多いです。夜道に人がいる場合は必ず一定の距離を取るように心がけましょう。歩きスマホやイヤホンで音楽を聴いて歩くのは人の気配を感じづらく、注意が散漫になるのでおすすめしません。スマホ使用者を狙うひったくりも増えています。

歩きやすい靴・動きやすい服を

おりえさん 残業で遅くなるかもしれない日や治安のよくない地域で飲み会があるときなど、あらかじめ帰宅が遅くなりそうな日は、いつもより歩きやすいパンプスにしたり、ストレッチ性のあるスーツや服を選んだりするなどの工夫も防犯になります。

犯罪者が嫌がる音・光・勘を駆使する

おりえさん 犯罪者は音と光を嫌いますので、暗い道を歩く前に、防犯ブザーの準備やスマホの防犯アプリなどを起動させておく、なども対策のひとつとして有効です。そしてもうひとつ、犯罪者は人間の勘もとても嫌がります。『おかしいな』と思ったら振り向くのも、実はとても大切。気がつかれただけでもあきらめる場合がありますので、勇気を出して振り向きましょう。

自分を抜かさせる

おりえさん 背後に不審な人気(ひとけ)がある場合、Uターンをする、もしくは立ち止まり『抜かさせる』ことをおすすめします。スマホの操作や靴ひもを結ぶふりでも構いません。おかしいと思ったら絶対に相手に背中を見せないことを意識してください。立ち止まっても相手がなぜか抜かさない、または抜かしても前方で止まっている場合は『完全に狙われてる』と認識して、必ず移動手段変えるなど何らかの方法を取りましょう。

コンビニに逃げ込むなら通報・家族へ連絡を

おりえさん 夜道で怖い思いをしたときに逃げ場として考えられるのがコンビニエンスストアですが、必ずしも安心ではありません。外から店内が丸見えで出入口がひとつのため、待ち伏せしやすい場所なので、一度目をつけられたら相手は何時間でも隠れて待つ可能性があります。自己判断で大丈夫だとは思わずに、逃げ込んだら通報してもらう、またはタクシーを呼ぶ、家族、知人に迎えに来てもらうなどしてください。また夜にコンビニで立ち読みなどをしている場合も外から狙いを定めやすく、帰り道に後をつけられる格好のターゲットになることがあります。

自転車も注意を

おりえさん 夜道は自転車だからといって安心できません。近年の犯罪では暗闇に潜み、急に出てきて自転車ごと蹴飛ばして倒すといった『相手がケガをして動きが弱ることを前提』とした自転車を専門に狙う悪質なパターンも増えています。また同じ自転車同士で追いかけられる場合もあります。犯罪者は人気のない場所、駐輪場、駐車場や公園の茂みなどに隠れている場合が多いので特に注意を払う、なるべく大きな道を通るなど、歩くときだけではなく自転車に乗っているときでも気を抜かずに行動しましょう。

ひったくりの予防策も

おりえさん ひったくり被害の8割以上は女性です。女性や高齢者は力やスピードが弱いことと、貴重品を1か所のバックに持つ場合が多いので狙われやすいといわれています。特に被害の多い場所は大通りに沿った1本横の裏道です。犯罪者も狙いを定めるときは『奪いやすさ』も吟味します。バッグをたすきがけにする、また建物側に沿って歩き、荷物も建物側に持つなどして被害に遭う確率を減らしましょう。自転車の荷物を狙うひったくりもありますので盗難防止カバーも有効です。

腕をつかまれたり、抱きつかれたりしたら?

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防犯対策と共に、万が一のことも考えなければなりません。腕をつかまれたり、抱きつかれたりしたらどうすればいいのでしょうか。

おりえさん 大前提として、実際に腕をつかまれた場合などは、とにかく大声を出して必死で逃げるのが一番です。相手が力の強い男性であれば、力ではかないません。すり抜けできそうな場合は、後ほどご紹介するような簡単な護身術で抜けてください。命より大切なものはありません。荷物目的の場合は抵抗せず速やかに渡して相手の特徴を覚えて速やかに通報してください。

ただし、命の危険を感じる場合や相手も力ずくで襲ってきた場合は思い切り噛みつく、後ろから抱きつかれた場合は『すね(弁慶の泣き所)』に足の裏(ヒールなど)をあてて思い切りすりおろす。みぞおちに肘をいれる。正面からはひざを上げて相手の金的を蹴り上げる、持っている荷物などを振り回したり、大声や大きな音を出したりして必死で抵抗することが大切です。

力のない女性でもできるワザ!

おりえさんに、力のない女性でもできる、すり抜けるワザや交わすワザを教えていただきました。

上から手首をつかまれた場合

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写真:おりえさん提供

おりえさん つかまれたほうの指を開き、親指と人差し指の間にL字型の空間を作ります。そのL字を相手の手首にひっかけて、L字型の角の部分を支点にして、自分の身体の外側に押し出すようにひねると相手の手が外れます。自分の片方の手で上から手首をつかんでセルフ練習もできるので、ぜひ試してみてください」。

後ろからはがい絞めにされた場合

おりえさん 後ろからはがい絞めにされ、どこかへ引きずりこまれそうなときは、瞬時にできるだけ勢いよく腕をまっすぐ上に伸ばしバンザイをすると相手の腕との間に隙間ができます。そのまましゃがむとすっぽり抜け出ることができます。ただし、ゆっくりやると相手も体制を立て直すのでできるだけ早いアクションで行ってください。抜け出したらそのまま大声をあげながら逃げて助けを求めてください。

おりえさんは、次のようにアドバイスします。

おりえさん 護身術は相手との体格や力の差、状況により必ず効果が出るものではありません。簡単ですが、とっさに動くためには、いざというときに使えるよう何度か練習しておくことが大切です。

常に、万が一のことを想定し、まずは防犯をしっかり行うこと、そしていざというときのための護身術を日ごろから練習しておくこと。自分の身や命を守るためにぜひ準備をしておきましょう!

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