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360度大迫力の浮世絵も! パリのジャポニスム、体験型コンテンツとして上陸

昨年11月、所沢の新名所としてオープンした角川武蔵野ミュージアム。アート、本、博物という異ジャンルをミックスしたこのミュージアムは、図書館の機能も併せ持ち、リアルとバーチャルで人を魅了する異色の存在。そのオープン1周年を記念し始まったのが本展『浮世絵劇場 from Paris』。

パリのジャポニスムが360度の体験型コンテンツとして上陸。

これはパリを拠点に活動する注目のアーティスト集団ダニーローズ・スタジオの話題作で、デジタル・アート先進国フランスの中でも、2018年~’19年に約200万人を動員した展覧会「Dreamed Japan“Images of the Floating World”」を、バージョンアップさせた作品だ。

1100平方メートルを超える展示室は360度スクリーンが取り囲む大空間。足を踏み入れると、浮世絵を題材にした映像が、音楽とともに展示室いっぱいに投影される。第1幕のテーマは「風景」。葛飾北斎「富嶽三十六景」や歌川広重「東海道五十三次之内」などから名作が屏風や扇のように現れては消える。続いて第2幕の「桜」では、桜の木が映し出され、無数の桜の花びらが舞い散り、その風景はやがて神秘的な森へと移り、第3幕「日本の妖怪たち」へと続く。このように第4幕は「海」、第5幕は「魚」、第6幕は「花」…と絶え間なく流れる映像は、全12幕・30分間。伸びやかな音楽とともに現れては消える幻想的な演出が圧巻。特に第4幕の「海」は北斎の絵が臨場感たっぷりで、荒れ狂う海にのみ込まれてしまうような大迫力。終了後は一本の映画を観終えたような充実感に満たされるはず。

見どころ1:360度大迫力の浮世絵×映像美!!!

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カラフルな背景色や浮世絵モチーフの組み合わせの美しさがダニーローズ・スタジオの真骨頂。デジタルアーティストやプログラマー、音楽家といった多領域で活躍する彼らならではの感覚で表現された浮世絵はグラフィカル。©Danny Rose Studio

見どころ2:“答え合わせ”も楽しめる。

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「後室」と呼ばれるエリアでは、映像作品に使用された浮世絵を紹介。吊り下げられた浮世絵の裏には作者と作品名が。また浮世絵にまつわる書籍も展示され、自由に手に取ることができる。

見どころ3:進化系・現代の浮世絵師にも注目!

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大石恵美(BALCOLONY)「桃色四葉乙接吻四人衆大合戦絵巻」UKIYO‐E PROJECT所蔵

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石川真澄「出火吐暴威変化競 鬼童丸」 UKIYO‐E PROJECT所蔵

過去の作品ばかりでなく、フランスや日本で更なる進化を続けているのが浮世絵。会場では日本の現代浮世絵師たちの作品も紹介。演劇ポスター画などで活躍中の若手作品も要チェック。

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『浮世絵劇場 from Paris』 角川武蔵野ミュージアム 1Fグランドギャラリー 埼玉県所沢市東所沢和田3‐31‐3 ところざわサクラタウン内 開催中~2022年4月10日 10:00~18:00(金・土曜~21:00。入場は閉館の30分前まで) 第1・3・5火曜休(祝日の場合は翌日休) 一般2400円(当日)ほか TEL:0570・017・396 https://kadcul.com/

https://kadcul.com/
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NHK紅白ロケでも話題の本棚劇場。高さ約8m、360度本棚に囲まれた空間は20分ごとに3分プロジェクションマッピングが。

※『anan』2021年12月8日号より。写真・土佐麻理子 取材、文・山田貴美子

(by anan編集部)

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