人からどう思われるかが常に気になってしまう人は、「自分軸」で生きられていないのかも。もっと自分らしく生きるために、7日間の集中トレーニングで心を解きほぐすことから始めてみよう。
自己肯定感をアップさせる7日間ワークとは? 教えてくれたのは、心理カウンセラーの根本裕幸さんです。ここでは1~4日目をご紹介します!
【ワークの進め方】1日1つのワークを気軽に書いてみよう。
自分自身に意識を向け、ありのままの自分を認めてあげるための1日1テーマ×7日間の集中ワーク。時間をかけてじっくり考えてもいいし、ぱっと思いつくままに書き込むのでもいい。また、どうしても思い浮かばないときは無理に書かずに飛ばしてもOK。
1日目:先週を振り返ってみる
「作った資料が見やすいと言われた」「新しい服を褒められた」「彼にドタキャンされた」など、仕事、プライベートどちらでも、些細なことでも書いてみて。
【解説】
ありのままを受け入れるだけでOK。
最初のワークは、今の自分はどんな状態なのだろう? と知ることにつながっていく。
「書き出した事柄それぞれについて、深く掘り下げて考えたり、反省する必要はありません。ただ、自分の心を眺めてみるという作業です」と根本さん。気をつけたいのは、とくに〈辛かったこと〉について、こんな思いをしたのは私のせいだとか、やっぱり私なんて……などと、自分を否定しないこと。自分にダメ出しをしたり、ネガティブにとらえてしまうのは他人軸で生きている人が陥りがちな思考パターン。
「ひとつも思い浮かばない場合は、書き出さなくても問題ありません。すべてのワークに共通することですが、ワークを上手にやろうとしなくていいのです。この空欄を埋めるのが目的なのではなく、ありのままの自分に目を向けるための手段と考えましょう」
2日目:学生時代の恥ずかしい思い出
小学校高学年から高校生くらいまでの思春期を思い出してみよう。「髪型を変えて失敗した」「授業で手を挙げて発言したら笑われた」などの経験があるのでは?
【解説】
過去を振り返れば原因が見つかる。
生まれたときからネガティブな人などいないので、今の自分につながるきっかけは過去のどこかにあった可能性も。そこで、2日目のワークは、過去の自分に意識を向けることがねらい。子どもから大人へと成長する思春期は、人と自分を比べたり、周りの目が気になり始める年頃。当時の自分がどんなコンプレックスを抱いていたのかを振り返るために、あえて〈恥ずかしさ〉をキーワードにその記憶を書き出してみよう。
「今にして思えば何でもないようなことでも、思春期の自分にとってはすごく恥ずかしかったという思い出があるのでは? そういった経験がきっかけで他人の顔色を窺うようになるケースも」
ここでも、「こういう出来事も、今の自分を作っている要因の一つなのかな」と感じるだけでいい。もし嫌な気持ちになったとしたら、その感情をごまかさずに受け入れてみることも大切。
3日目:この親でよかったと思うこと
「厳しく育ててくれた」「私の意思を尊重してくれた」など、あらためて考えてみたい親のこと。父母どちらについてでもいいので、本音で書こう!
【解説】
たとえ反面教師であっても……。
「あらゆる人間関係の基本になるのが、子どもの頃の親との関係。親との関係が原因で、つい他人軸になってしまうという人も多いようです」
親の愛情をしっかりと感じて育った人は自己肯定感も高い傾向にあるのだそう。反対に、感情にまかせて怒る親だったり、過干渉、支配的な親だったりした場合は、幼い頃から親の顔色を窺うようになり、大人になっても他人軸で行動しがち。
「親のいいところをすぐに思いつかない人もいるでしょう。でも、親の欠点を反面教師にして自分が成長できたという見方もできるかもしれません。どんな親であれ、その親から何かを学んできたはず。『こんな母だったから私はダメなんだ』『両親のいいところを書けないなんてひどい娘だ』などと悲観しなくていいんです。2日目のワークと同じように、今の自分を作ってきた要因を取り出して、見つめてみるという作業です」
4日目:周囲の人のここがすごい
「親身になって話を聞いてくれるところ」「毎朝、明るく挨拶するところ」など、友人、恋人、職場の同僚といった身近な人のいいところを書き出してみよう。
【解説】
実はそれがあなたの長所かも!
3日目までのワークで自分を知ることができたら、いよいよ自己肯定感を高めていく段階へ。4日目のワークは、周囲の人の好きなところ、尊敬できるところなどを書くというもの。他人について考えるのだから、自己肯定感とは関係ないようにも思えるけれど、これにはどんな意味が?
「このワークで書いた友人たちのいいところは、実はあなた自身のいいところ。人にはさまざまな長所、短所がありますが、その中で真っ先に思いついた身近な人の長所には、知らず知らずのうちに自分の価値が投影されているもの。これは心理学でよく用いられる魅力発見法なんですよ」
“Aさんの明るいところがすごい”と思いついたとしたら、あなた自身も明るい人で、それがあなたの魅力といえそう。自己肯定感の低い人ほど信じられないかもしれないけれど、「そういう面があるのかも」というくらいに心に留めてみて。
根本裕幸さん 心理カウンセラー。カウンセリング、セミナー、講演等で活躍。著書に『敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法』(あさ出版)、最新刊『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)など。
※『anan』2018年12月12日号より。取材、文・黒澤 彩 ©courtneyk