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煎茶、抹茶、玉露、ほうじ茶など、意外と知らない緑茶の違い/日本茶の基本 vol.5

こんにちは!日本茶インストラクターの伊藤尚哉です。飲むとほっこり、穏やかな気持ちになれる日本茶。この連載では、種類や産地によって味わいが異なる日本茶の魅力をご紹介します。第5回目は、煎茶、抹茶、玉露など、知っているようで意外と知らない日本茶の種類について解説します。

こんにちは!日本茶インストラクターの伊藤尚哉です。飲むとほっこり、穏やかな気持ちになれる日本茶。この連載では、種類や産地によって味わいが異なる日本茶の魅力をご紹介します。第5回目は、煎茶、抹茶、玉露など、知っているようで意外と知らない日本茶の種類について解説します。

種類や産地によって味わいが異なる日本茶の魅力をご紹介

緑茶も烏龍茶も紅茶もみな兄弟!?

日本茶を知るために、まず知っておきたいのが、緑茶と烏龍茶、紅茶のこと。それぞれ見た目も味わいも違いますが、実はいずれも「カメリアシネンシス」という学名のお茶の木から作られています。もちろん原料の葉は同じでも、栽培方法や製造方法の違いによって、見た目だけではなく、味や香りも大きく変わります。

そしてお茶の種類は、発酵度の違いによって分類されます。

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お茶の葉には酸化酵素があり、摘んでそのままにしておくと、徐々に発酵が進んでいきます。「緑茶」は、発酵が始まる前に、蒸す(炒る)ことで酵素の働きを失活させて作られたお茶で、不発酵茶とも言われます。「烏龍茶」は、ある程度発酵が進んだところで、蒸すか釜で炒るなどして作られたお茶(半発酵茶)。発酵を止めないで強く発酵させて作られるお茶のことを「紅茶」と大別されます。

「緑茶」の中にも色々な種類がある

日本茶と聞くと緑茶を思い浮かべる人も多いかもしれませんね。量販店などで売られているお茶や、ペットボトルのお茶など「緑茶」と名前のついた商品が多いですが、実は「緑茶」の中でも栽培方法や製造方法の違いによって、いろいろな種類に分類されます。

今回は主な種類である「煎茶」「深蒸し煎茶」「玉露」「かぶせ茶」「抹茶」「てん茶(碾茶」」「ほうじ茶」について、ご説明します。

■煎茶
茶園で栽培された生の葉をすぐに蒸して揉んで乾燥させるという一般的な製法で作られたお茶を「煎茶」といいます。日本で栽培される「緑茶」の約60%を占めています。

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また、普通の煎茶よりも約2倍長い時間をかけて茶葉を蒸してつくったお茶を「深蒸し煎茶」といいます。普通の煎茶に比べてやや粉っぽい形状になりますが、苦味が少なく濃厚なコクが特徴の味わいです。

■「玉露」と「かぶせ茶」
茶園を日よけに使う“よしず”や、藁、寒冷紗(かんれいしゃ)などの化学繊維で20日間ほど覆い、直射日光をさえぎって育てたお茶が「玉露」です。このような栽培方法は“被覆栽培”と呼ばれます。直射日光を制限して育てることにより、海苔のような……と表現される独特な香りと、渋みが少なく、出汁のような濃厚なうま味が特徴のお茶になります。

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「玉露」と同じように被覆栽培するお茶に「かぶせ茶(冠茶)」があります。「かぶせ茶」の被覆期間は「玉露」よりも短く、7~10日程度になります。「かぶせ茶」は、煎茶と玉露のちょうど中間に位置する種類のお茶で、比較的渋みが少なく、玉露のようなまろやかなうま味が楽しめる味わいが特徴です。低温で淹れるとより玉露に近い味わいになります。

■「抹茶」と「てん茶(碾茶)」
「玉露」や「かぶせ茶」と同じように被覆栽培で育てられた茶葉を、蒸したあと揉まずにそのまま乾燥し、茎や葉脈などを除いたお茶を「てん茶(碾茶)」といいます。そのてん茶を石臼などで挽いたお茶が「抹茶」になります。抹茶の原料として使われることが多い「てん茶(碾茶)」ですが、煎茶のように急須で淹れて飲むこともできます。玉露のように50℃程度の低温で淹れると苦味がなく、凝縮された濃厚なうま味が堪能できる味わいになります。

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■「ほうじ茶」
煎茶や番茶を約200℃の高温できつね色になるまで焙煎させて作られたお茶が「ほうじ茶」です。高温で炒ることで、煎茶などにはない香ばしさとサッパリとした口当たりが特徴のお茶になります。

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いかがでしたでしょうか? 一口に「緑茶」といっても、さまざまな種類があり、味も香りも全く異なりますが、量販店などでは、商品名が「緑茶」だったり、「掛川茶」や「宇治茶」など産地の名前になっていたりして分かりづらいと思います。お茶の種類に迷った時はこの記事を参考にして頂けると嬉しいです。

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