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復刻で話題に!函館の歴史ロマン伝わる「五島軒」“ブーケシリーズ”の「ソーフケーキ」/人気店の定番スイーツ vol.45

グルメ
長年愛される「定番」スイーツ紹介の連載、第46回は、函館の老舗レストランで人気の焼き菓子シリーズ、その中でも、明治時代より語り継がれる同店の「スイーツのルーツ」をご紹介します。開港や箱館戦争といった歴史上の大きな事件とも関わる、ロマンに溢れた品です。

明治期の激動を経て誕生した函館「五島軒」の歴史

北海道・函館の人気レストラン「五島軒」は、明治12年(1879年)創業。その店名は、長崎の五島列島出身であった初代料理長、五島英吉(ごしまえいきち)氏に由来します。

彼はフランス陸軍士官の通訳を江戸で務め、戊辰戦争勃発で旧幕府軍の一員として蝦夷地へ。土方歳三らと共に軍艦に乗り、箱館戦争を戦った人物です。やがて敗走して逃れた函館ハリストス正教会でロシア料理を学び、10年後、創業者の若山惣太郎氏と共に、「五島軒」の歴史に名を残すことになるのです。

「五島軒」の菓子のルーツ「ソーフケーキ」とは?

五島氏が、故郷・長崎のカステラを手本に作り上げたとされ、そのレシピが今も語り継がれるスイーツが「ソーフケーキ」。創業当時は石炭ストーブで焼き上げ、レストランのデザートとして提供していたそうです。

外国人を中心に話題となり、外国航路の船内や横浜などでも販売されたと言います。昭和中期~後期には婚礼の引出物として提供されていたそうですが、いつしか姿を消した幻のケーキでした。

そんな歴史あるお菓子が、2016年に復刻。同店の人気スイーツ9品を選び、パッケージも新調した「ブーケシリーズ」の1品として販売されると、たちまち評判になりました。

見た目はカステラ風ですが、バターや牛乳、洋酒が使われていて、洋食文化を採り入れた当時の最先端の菓子であったことが想像されます。しっとり濃厚な味わいで、コーヒーや紅茶との相性も抜群です。

昔のレシピを元にしつつも、そのまま再現するのが難しく、一部の配合を改良しながら、当時の味に近づける努力をしたそうです。現在は、専用の自社工場で丁寧に手造りしていて、生地の浮き方や比重の調整について、日々工夫を続けているのだそう。

クラシックな焼き菓子が魅力の「ブーケシリーズ」

「ブーケシリーズ」は他にも、北海道産かぼちゃを使った「ポテロン」や、「ポルボローネ」「バターサブレ」「ベルギーチョコレートブラウニー」など、素朴でいて素材の味わいを大切にした品が揃います。

箱の絵柄は、「五島軒」に伝わる開港錦絵からモチーフを取ったもので、開港により西洋文化が入ってきた創業時の函館の雰囲気が伝わってくるのも魅力的です。

もう1つ私のお勧めは「ブランデーケーキ(コニャック)」。卵やバター、アーモンドパウダーがたっぷり入ったリッチな生地に、全体にしみわたったブランデーが芳醇に香ります。10cm弱四方ほどのサイズも、1-2人で食べきりやすく重宝します。

「五島軒」では、1980年代に婚礼の引出物として発売。常温で日持ちする商品を作るために、レストランで提供していたブランデーを使用して開発したそうです。

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