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えっ“相手に選んでもらう”テク? 選択力UPの心理ルール7つ

ライフスタイル

「自分で選ぶ力」を磨くと同時に、自分の狙い通りのものを相手に選んでもらう技術も時には必要。今回ご紹介する秘密の心理ルールを使えば、自分の気持ちを上手に伝えられるかも。

“選ばせる力”を磨けば、選択力アップに繋がる。

自分の思い通りに物事を進めたい時、人はどうにかして相手を説得しようとしたり、強引に意見を押しつけてしまうことがある。

「しかし、その提案が素晴らしいものであっても、ちょっとした言い方の違いで相手の機嫌を損ねてしまったり、傷つけてしまうことも。そうなると、たとえ自分の思い通りに物事が進んでも、後悔が残って短期的な喜びで終わってしまいます。しなくていい衝突を避け、相手といい関係を築きながらスムーズに話を進めるには、実は自ら意思決定を下すより、相手にうまく選ばせることが一番の近道。そのスキルを磨けば、結果として自らの選択力を高めることにも繋がります」(リーダーシップ・行動心理学研究者・池田貴将さん)

そこで、数々の研究者たちの実験によって解き明かされた人間の心理現象をもとに、相手にうまく選ばせるための7つのテクニックを心理学用語とともにご紹介。どれも日常生活の中で使えるものばかり。明日から早速試してみて。

親近効果

【右側に置くべし】
相手に何か選んでほしいものがある時は、その並べ方がポイントに。「左からA、B、C、Dの順に並べられた4足のストッキングの中から、手に取った時の感触や耐久性などが最も優れていると思う商品を選んでもらう実験を行いました。すると、実は4足ともブランドや形、色、素材がまったく同じだったのにもかかわらず、評価は被験者にとって一番右に置かれたDのストッキングが最も高く、C、B、Aの順に続いたのです。これは、最後に見たものが一番記憶に残りやすくなる親近効果による心理現象。私たちはものを見る時や文字を読む時、左から右に向かって視線を動かすため、右のものが一番新しい記憶になります。人は最も新しく記憶に刻まれたものを好ましいと思う傾向があるので、相手に選ばせたいものやすすめたいものがある時は、一番右に置くのが効果的です」

【例えば、選んでほしいものがある時】

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手土産として買ってきた4つのケーキ。本当は食べたいものが決まっているけど、自分からは選びにくい…。そんな時は、お目当て以外の品を相手から見て一番右に。一番新しい記憶に残して、違うケーキを選んでもらおう。

ザイオンス効果

【何気なく、何度も視界に入れるべし】
人に何かおすすめしたいものがある時は、何度も視界に入れることが大切。「ある教室で受講者に4人の女性の写真を見せ、好感度チェックをしてもらったところ、4人の評価はほぼ同率。その後、1人の女性にだけ、他の受講者に気づかれないように半年間授業に参加してもらい、半年後に再び受講者に4人の写真を見せて好感度チェックを行ったところ、授業に参加していた女性の評価がトップになったという実験結果が。これは、同じ人や物に接する回数が増えるほど、その対象に対してポジティブな印象を持つようになるザイオンス効果と呼ばれる現象です。人は一回見ただけでは、その存在にさえ気づかないことも。つまり、人にすすめたいものがある時は、何度も見せること。ただし、強制的に見せるのではなく、あくまでさりげなく相手の視界に入れることがポイントです」

【例えば、何かおすすめしたいことがある時】

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旅行はもっぱらシティ派の彼にハワイ旅行を提案したい時。何度もプレゼンするより、南国の素敵な写真やガイドブックを、さりげなく彼の視界に入る場所に置くのが正解。彼も気づかない間に、ハワイへの好感度が高まるはず。

分析病の罠

【先に頭を使わせておくべし】
何か許可を得たい時の必勝法は、先に相手にさまざまな選択をさせておくこと。「AチームとBチームに分かれて、冷水の中にできるだけ長く手を入れてもらうという実験では、Bチームにだけ事前に好みのTシャツやペンなど、さまざまな選択をさせたところ、Aチームよりも早く手を出しました。この現象は、事前に考えすぎたり、分析しすぎたりすると、自制心や判断力が鈍っていく分析病の罠。これを応用して、何か許可を得たい時のテクニックとして使うことも。その際は本題に入る前に、相手にさまざまな選択をさせておくことが大切。決定数が多いと人は判断力が鈍り、すすめたものを受け入れやすくなる傾向が。ただしこのテクニックは、大きな決断を必要とする選択には不向き。あくまで本題はそこまでの判断力を必要ないものとし、大きな選択の後に持ってくるといいでしょう」

【例えば、相手から許可が欲しい時】

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結婚式のプランニング。ブーケも少し奮発したいけど、彼に言い出しにくい。そんな時は、式場やドレスなど、散々高額なお金が関わる選択をした後にお伺いをたてるのが◎。くたくたの彼はつい「いいよ」と言ってしまうはず。

ジャムの法則

【選択肢は多くても5~6個までにするべし】
人は選択肢が多ければ多くなるほど、選ぶのが困難になってしまうのだそう。「スーパーの店頭でジャムの試食販売を行った実験。ある日はジャムを6種類、また別の日は24種類のジャムを提供したところ、顧客の満足度が高かったのは、圧倒的に24種類のジャムを提供した日でした。しかし、24種類のジャムを提供した日は、試食した人の3%しか購買に繋がらなかったのに、6種類のジャムのみを提供した日は、なんと試食した人の30%が商品を購入するという結果に。これは、選択肢が多すぎると人は選ぶことに困難さを感じてしまう、ジャムの法則と呼ばれる心理現象。選択肢が多いほうが満足度は高くても、選ぶのが面倒になってしまいます。そのため、何か相手に選んでもらわなければならない時は、選択肢は多くても5~6個までに絞ってあげるといいでしょう」

【例えば、たくさんの中から選んでもらわなければいけない時】

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食事の場所を決める際、「何が食べたい?」と聞いて、「なんでもいい」と返されてしまうのが一番困るパターン。そんな時は、お店の候補をいくつかに絞ってあげると、優柔不断な相手でも選びやすくなるはず。

一貫性の法則

【本題の前に、一度「うん」と言わせるべし】
誰かに自分の要求を受け入れてもらいやすくするには、相手に“うんと言った手前、断れない…”と思わせるような状況を意図的に作り込む作戦が有効!「街行く人に、いきなり“メールアドレスを教えてください”と言っても、教えてくれる人はほとんどいません。しかし、“あなたは好奇心旺盛ですか?”という質問をして、“YES”の返事をもらった後にメールアドレスを聞くと、半数以上の人が教えてくれるようになったという実験結果が。これは、自分の態度や発言、行動などに、一貫性を持たせようとする人間の心理が働いたもの。つまり、本題に入る前に、その要求を認めざるを得なくなるような問いをしてYESの返事をもらっておくと、本題も受け入れてもらいやすくなるということ。ただし、このテクニックは、事前の質問でNOと返されてしまうと使えないので要注意」

【例えば、確実にYESが欲しい時】

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出無精な彼氏をどうにかして温泉デートに連れ出したい時。直球で誘うより、まずはじめに「温泉好き?」と聞いて、「うん」の返事をもらっておこう。気が乗らなくても好きと言ってしまった手前、彼も断りづらくなるはず。

返報性の法則

【先に何かあげるべし】
相手にしてほしいことがある時は、こちらから先に“飴”を差し出すのが手。「2人一組のペアになって、ある作業をしてもらいました。作業終了後、片方の人間が、相手に“パーティのチケットを買ってほしい”とお願いしても、買った人はほとんどいません。しかし、休憩中に、チケットを売る人間が相手に飲み物を差し入れしたペアにおいては、チケットを買ってくれる確率が倍以上に上がったという実験結果があります。しかも、買った枚数が多くなれば多くなるほど、それに比例して売り手への好感度が高くなったというデータが。これは、人から何かしらの恩恵を受けた時、お返しをしなくてはいけないと思う返報性の法則という心理作用によるもの。つまり、相手に何かしてほしい時は、事前にプレゼントを与えておくことが効果的。店頭で配られる試供品は、その好例です」

【例えば、何かしてほしいことがある時】

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いつもお世話になっている職場の先輩や同僚には、コーヒーの差し入れや旅行のお土産など、日頃からちょっとしたプレゼントを渡しておくのがおすすめ。そのお返しとして、困った時は仕事を手伝ってもらえるはず。

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