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始めどきがわからない?小児歯科専門医が答える「子どもの歯列矯正」Q&A

子育て
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見た目だけでなく生活や健康にも関わる歯並びや噛み合わせ。「うちの子は大丈夫?」と気になるパパママも多いようです。一体いつから何をしたらいいのでしょうか? 成長期の歯に詳しい小児歯科専門医に子どもの歯列矯正についてお聞きしました。

【歯科医師さんが教える歯みがきのコツ】赤ちゃんが歯みがきを嫌がる理由はママ!?

■PROFILE 桜堤あみの歯科 網野重人院長

日本小児歯科学会認定小児歯科専門医。患者さんとのコミュニケーションを大切にし、子どもの成長や個性を考えた治療を日々行う。著書に『子どもの歯並びをよくする方法』(現代書林)など。

乳歯時期から?永久歯から?歯列矯正の始めどきはいつ?

最近、お子さんの歯並びに関心のある保護者の方が増えてきています。「お友達が始めたからうちの子も」「早く始めたほうが楽みたい」など、様々な情報を耳にすると「うちの子は大丈夫?」と心配になるのはもっともです。

成長中の子どもの口の中は個人差が大きく、乳歯から永久歯に生え変わりながら顎の大きさも歯並びもどんどん変わっていきます。

子どもの矯正治療では、この〝成長〟という変化を踏まえた判断が必要になるのが特徴です

例えば、歯の土台である顎が成長している途中で歯並びをきれいにしても顎の成長と共にせっかくきれいにした歯並びも崩れてしまい、後から仕上げの矯正治療が必要になるケースが多くあります。このような

歯並びを整える治療は、永久歯が生え揃い顎の成長が終わった10代後半からで十分に間に合います。

逆に、

顎も歯も成長中の6歳頃から治療をしたほうがメリットの多いお子さんもいます

。受け口(反対咬合)など骨格に問題がある場合です。上顎が小さくて下顎が普通の大きさ、上顎が普通の大きさで下顎が大きく育つタイプは成長力を利用して骨格をコントロールするのが有効です。そうすることで上顎と下顎のバランスが整ったり、顎を広げることで本来は収まりきらない歯が収まったり、抜歯の必要がなくなる可能性があります。

「早ければ早いほうがいい」は不正解。ひとりひとりに合ったアプローチを

このように、子どもの矯正治療はお子さんの特性によって開始時期も治療法も様々で、そのお子さんの成長を見極めたアプローチが必要になります。「早ければ早いほうがいい」と思い込んでいる方も多くいますが、ひとりひとり違うことを知っておきましょう。

矯正治療は長い治療期間がかかり費用も高く、専門装置を使用するためお子さんの身体的ストレスや見た目のコンプレックスなど心理的な側面にも影響してきます。また、食べ物が噛みにくかったり、しゃべりにくいなど日々の生活や健康面にも関わる一生の問題です。お子さんの歯列矯正を考える場合は焦って始めるのではなく、長く付き合える

信頼できる歯科医師を見つけて、我が子に適したタイミングや方法を相談しながら親子で無理なく取り組んでいきましょう。

気になることがあれば、まずはかかりつけの歯科医に相談を。小児歯科の専門知識を持つ小児歯科専門医に相談するのもおすすめです。

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歯列矯正は 永久歯になったら始めればいい?

矯正治療には、成長期に顎の骨格を整える「一期治療」と永久歯が生え揃い、顎の成長が終わってから歯並びを整える「二期治療」があります。顎の大きさも歯並びも変化する子どもの場合は成長が終わった二期治療から始めるのが一般的ですが、成長力を利用して顎を動かす一期治療から始めたほうがいいケースもあります。

一期治療6歳頃

乳歯と永久歯がまだ交ざっている時期に、子どもの成長力を利用して顎の形や大きさを調整。永久歯がきれいに生えやすい土台を整える。

二期治療12歳頃〜

永久歯が生え揃ってから行う。大人と同じ矯正方法ですが、一期治療から継続することで子どもの顎骨の成長に合わせた治療計画も可能。

乳歯の時期から やったほうがいいケースって?

受け口(反対咬合)など骨格に問題がある場合は、成長力を利用できる乳歯時期から治療を始めるのがいいでしょう(一期治療)。顎を押さえたり広げたりと顎の成長をある程度コントロールできるからです。このようなケースの場合、一期治療をせず成長後に矯正をする場合には、「顎の骨切り」など外科的な処置が必要になることもあります。

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