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ナプキンの置き場所には意味がある? コース料理の“食事マナー”Q&A

いざという時に慌てないよう、レストランでのフォーマルな食事のマナーをあらためておさらい。SNSで人気の漫画の主人公「犬のかがやき」と学ぼう。教えてくれたのは、トータルフードプロデューサー・小倉朋子さんです。

ディナーデートへ、いざ出陣! 食事編

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Q、コース料理のナイフとフォーク、どれからどう使えばいいの?

A、難しいことは考えず“外から内へ”と覚えよう。
下のイラストが、西洋料理の基本的なテーブルセッティング。料理に合った、形やサイズの違うさまざまなカトラリーが並んでいるが、両サイドの外側から順番に使っていけばOKと、ルールはとてもシンプル。たとえ間違えて使ったとしても、次の料理が出てくる時にスタッフが持ってきてくれるので、心配しなくて大丈夫。

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位置皿、ナプキン
位置皿はカトラリーと一緒に最初から置いてあるもので、オードブルが終わると下げられる。ナプキンはオーダー後、膝の上に。

ナイフ、スプーン
右からオードブル用、スープスプーン、魚用、肉用。魚用は肉用より短く、丸みを帯びていることが特徴。

フォーク
左から順に、オードブル用、魚用、肉用となる。料理の内容によって、大きさがそれぞれ異なる場合もあり。

Q、西洋料理でのバゲットとライス、きれいに食べられるようになりたい!

A、端の方から少しずつていねいに食べるのが正解。

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バゲットの食べ方
外側のパリパリした部分など、ポロポロとかけらが落ちやすいバゲットは、真ん中から2つに割ったりせず、ゆっくりとひと口大に割いて食べることがポイント。多少は落ちるものの、四方八方へ飛び散ることは避けられる。

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ライスの食べ方
ナイフとフォークを、お皿の手前左側から右の奥へ向けて動かすことで、米粒を取りこぼすことなく掬えるように。また、お皿にへばりついたお米は、フォークの背中を使って少し引き上げるようにするとうまく取れる。

Q、ナプキンってシーンによって置き場所、使い方が違うよね?

A、食事の進行具合を示すなど、それぞれの置き場所に意味がある。
ナプキンは、口や指先についた脂などを拭うためだけでなく、サーブをするスタッフに食事の進み具合を伝える役割があるので、意味をしっかり覚えておきたいところ。最初はテーブルにセットされており、料理を注文したあと、もしくは、最初にお水や食前酒を注いでくれたタイミングで、さりげなく膝の上に広げるとスマート。

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食事中
ナプキンを膝の上に置くと、“料理を運んできても大丈夫ですよ”という合図になる。二つに折り、折ってある側をお腹に向ける。口を拭うのはナプキンの内側で。

中座する時
お手洗いに行くなど席を一時離れる時は、ナプキンを軽く畳んで椅子の上に置く。食事を終えたのではなく中座しているというサインになる。

ごちそうさま
テーブルの上に置いたナプキンは、“食事を終えてもう戻りません”ということを意味する。軽く畳むか、くしゃっとした状態にしておく。

Q、お酒を注ぐ・注いでもらう時のマナーは?

A、ワインは添えず、ビールは片手。手の添え方はお酒次第で変化。
ワイングラスの場合は、手を添えないことが基本ルール。ビールはグラスを持って軽く手を添えるくらいのカジュアルさが正解。日本酒はおちょこを両手で持って。どのお酒であっても手酌はNG。ちなみに、自分が注ぐ時に関していうと、女性がワインを注ぐのは原則厳禁なので、お店の人におまかせを。ビールはラベルが見えるように上に向けて両手で。日本酒も、とっくりを両手で持ってお酌を。

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ビール
最初は、少しだけグラスを傾けた状態で注いでもらう。ビールがグラスの半分以上注がれたタイミングで、グラスを縦にする。

ワイン
注ぐ人がこぼした時に手にかからないよう、手はグラスには触れず、テーブルに置いておく。注ぎ終わってから脚の部分を持って飲む。

日本酒
利き手でおちょこを持ち、反対の手をおちょこの下に添える。この時、指先を揃えておくと、所作がより美しく仕上がる。

【乾杯のポイントは?】
乾杯というと、お互いのグラスを軽く当てるイメージがあるけれど、フォーマルなシーンでのマナーとしては間違いとなる。グラスを胸の高さまで持ち上げて、ぶつけずに行うのが正解。また、上司など目上の人がいる場合、相手よりグラスを高く上げると失礼にあたる。

Q、写真を撮りたいけど、スマホってテーブルの上に置いていいの?

A、置きっ放しは避けるべし。撮る前には許可取りも。
コース料理を出したり、ドレスコードを考えた方がいいようなお店で、スマホをテーブルの上に置きっぱなしにするのは、あまりおすすめできない行為。また、料理を写真に収めたい時は店員さんに「撮ってもよろしいですか」と聞くのがエチケット。料理が冷めるほど何枚も撮ったり、立ち上がって撮影することも失礼にあたる。

小倉朋子さん トータルフードプロデューサー。講演、執筆、飲食店のコンサルティングなど幅広く活動している。テーブルマナーや食を総合的に学ぶ「食輝塾」主宰。『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)など著書多数。

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