ファミコン世代の私たちは、子どもの頃に「ゲームはダメ」と言われてきたもの。そのせいか、親となった今もなんとなくその価値観のまま、子どものゲームを禁止、あるいは制限してしまっていませんか? 「実はゲームが子育ての役に立つ」ということを実践しているパパ、ママたちに話を聞きました。
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ゲームのおかげで、子どもの気持ちを探る時間が長くなった
○ 小籔千豊さん(49歳)
1973年生まれ。大阪府出身。「ビリジアン」解散後、2006年より吉本新喜劇の座長を16年務めた。現在はMCや俳優業の傍ら、ジェニーハイのドラマー、「フォートナイト下手くそおじさん」YouTuberとしても幅広く活躍中。娘19歳と息子12歳の父。
YouTubeでは、息子や吉本新喜劇メンバー、有名若手ゲーマーたちとゲーム配信をする様子が好評。登録者数は12万人以上! 「下手くそおじさん」と言いつつ、なかなかの腕前。こだわりのコントローラーを駆使し、「クレイジーヒメーン」という名のチームを持つ。
◇ 虫取りやキャッチボールをするのと一緒。 それがたまたまゲームだっただけの話です
《子どもができたらゲームはさせない》。妻と結婚時に決めました。僕自身、子どもの時はゲームにめっちゃ時間を費やしてきたけど、大人になって役立っている感じがなくて……。
でも、長女の幼児期に情にほだされ仕方なくゲームを購入。「この子はゲームやって勉強せんくて、アホになっていくんかもな。子どもの人生を良くないほうに誘ってしまったかも……」という後悔がずっとありました。
そんな環境の中ですっかりゲーム好きになった息子に、ある時「フォートナイト」を勧められました。一緒にやってみたら「なんやコレ!」。昔とは全然違う操作性で難しい……。それなのに息子がまた上手で「なんで俺はできへんねん」とハマっていった。
以後、息子とは【友達、軍師、師匠】のような関係に。「新武器どう?」「パパ、こうしたら上手くなるで」といった共通の話題で盛り上がり、息子がゲーム課金したいという時は、援軍として「今だけ必要なもんがあんねん」と妻を説得することも。
確実に息子との会話の種類、そしてこの時期だけの思い出が増えました。 頭ごなしに「あかん!」言うてる大人より子ども目線になれた。気持ちに寄り添いながら子どもの心を深く探れる時間が長くなりましたね。
ゲームの専門家に聞きました
東京大学大学院 藤本研究室 特任研究員 財津康輔先生
九州大学で心理学·教育学を専攻。『ゲームの社会的活用』について研究、博士号取得(学術)。ボードゲームの「サイコロ塾」を起業。現在は東大の特任研究員としてゲームを活用した学びの研究をしている。
◇ ゲームは親も子も対等な立場で取り組むことができる、コミュニケーションツールです!
小籔さんが「親子の会話が確実に増えた」と話していたとおり、ゲームは最高のコミュニケーションツールです。
日頃、親子はどうしても上下関係ができてしまいますが、ゲームにはそれがありません。そして、ひとつのルールを共有しながら遊ぶことで、共通の話題が生まれやすい。
さらに「親子大会」では助けたり、助けられたりという親子間の互助活動が起きやすいのも、ゲームならではの良さです。
撮影/平井敬治 取材/東 理恵 ※情報は2023年4月号掲載時のものです。
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