生活リズムも価値観も自分優先ではなくなったけれど、本当は誰にでもあるずっと変わらず好きなことをインタビューする連載「オトナになっても好きなこと」。今回は、YouTubeでのお悩み相談も話題のタレントの藤本美貴さん。Web版では、3人の子育て事情を中心にお話を伺いしました。
子どもたちは、子ども扱いしないのが我が家のルール
——夫婦仲がいい印象がありますが、3人の子育ても楽しそうに見えます。
私自身、4人きょうだいの末っ子として育ちました。運動会が近づくと帰宅後にリレーの練習をしてもらったり、学校でいじめられてもお姉ちゃんたちがいるからいいやって思えるくらい、きょうだいのなかで育った記憶があるんです。だから、子どもにもきょうだいを作ってあげたかったのはありますね。
“何事も一生懸命やること”。これは常に子どもたちに伝えるようにしています。例えば、ペットボトルのフタが開けられなくて、「ママ、あけて」と言われたとき。すぐに開けてあげるのではなく、「本当に飲みたかったら、あけられるよ。自分で考えてみて」と一旦考える時間を与えるようにしています。そうすると、子どもたちなりに試行錯誤して、あけるんですよね。
仕事が忙しいときは、“忙しさの、その先”を伝えています
——小学校受験も経験されていると伺いました。仕事、受験、日々の家事育児と回すコツはあったのでしょうか。
長男の受験のとき、受験塾の先生に「さっきテレビに出てたけど、もうお迎えに来てる……もしかして双子ですか?」なんて冗談で聞かれたことがあるくらい、目まぐるしかったです(笑)。でも、子育てが始まったからといって仕事をゆるめたことはありません。私一人では回せないから、母やシッターさんに頼りながら、スケジュールを組んで乗り切っていました。
——仕事が忙しくなってくると子どもたちとの時間が取れないと悩むママもいると思います。藤本さんは子どもとの時間で悩んだことはありますか?
私も、両親が共働きの家庭で育ちました。一生懸命働いていた両親をすごいな、と思って見ていましたし、きょうだいで家事分担をして忙しかった記憶があるので、すごく悩んだことはありません。親が信念を持って働いて、一緒にいるときは思いっきり抱きしめるなど愛情表現できるところはする。それで十分だと、私は自分の幼少期を振り返って思っています。
ひとつ大切にしていることといえば、仕事の繁忙期があったら、「あと3日は忙しいけど、終わったら遊べるからね」など、スケジュールを子どもたちと共有しています。大人でも先の見通しが立たないと不安になるものだから、その先を見せてあげることは大切にしてあげたいと思っています。子どもは大人が思っているよりも理解力がある気がします。
——「先を見せること」、はっとさせられましたし、大切なことですね。
でも、やっぱり共働きって大変ですよね。パパとママ、どちらが送迎するとか、育児はやっぱりママに多くの比重が置かれることもある。でも私は“子どもが誰を求めているか”で自分が頑張れるところは頑張りたいと思っています。ママがいい、というならママが頑張る。パパがいいならパパに頑張ってもらう。子どもの気持ちに耳を澄ますことは忘れずにいたいです。
●藤本美貴
タレント。アイドルとしてデビュー以来、バラエティ番組などで活躍。YouTube「ハロー!ミキティ」の人生相談は、愛あるアドバイスが話題に。夫はお笑い芸人の庄司智春さんで、現在3人のお子さんを育てるママ。
撮影/佐藤航嗣<UM> スタイリング/坂野陽子 ヘア・メーク/太田年哉<maroon brand>取材・文/高橋夏果 編集/城田繭子