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俳優・坂口健太郎さんに40代女性について聞いてみた。「20代はキュート、30代は強さ、40代は…」

エンタメ

菅波先生に北条泰時……。どんな役柄を演じても私たちの心の底まで深く印象に残る俳優の坂口健太郎さん。優しくて柔らかい春を思わせるような方でした。

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お話を伺ったのは……俳優・坂口健太郎さん
映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』で演じる主人公・未山は、そこに存在しない「誰かの想い」を見ることができる不思議な能力を持つ人。その能力で傷ついた人々の心身を癒しながら、自分自身の過去と向き合う姿を描いた切なく美しい物語だ。台詞は最小限、余白が大きく、見る側の想像力で内容が膨らむ。

「伊藤ちひろ監督が僕ありきで原案を書いてくださっているので、例えば外見にしても、作りこまずにありのままを見せています。座るときも僕自身の癖を押さえ、垂直に座るなど、カッコつけず、何もしないことを心掛けました。さらに、そこに存在するのに存在感を失くすことを要求されました」。

難しかったけれど、仕上がった映像を見て監督が言わんとしたことが理解できたそうだ。撮影は長野で行われた。映像の美しさが脳裏に残る。

「夕陽の美しさ、蟬が羽化する美しさ、川のせせらぎ……映画の中ではさまざまな美しさが描かれています。どれもこれも美しいけれど、最近は一生懸命働く方々の汗や、残業してPCの前で突っ伏して寝ている姿も美しいと感じるようになりました。いろんなことを消費し、経験し、初めて生まれる美しさに特に惹かれますね」。

今年は春以降、4月期と7月期、2クール連続ドラマに主演することが決定し、撮影が続いていく。いちばんの癒しであり、リラックス方法は人と喋ることだとか。

「人好きなので、他愛ない会話であっても、人と会って話すことがストレス解消法です。言い換えたら話すことで癒してもらっています。僕、よく喋るんですよ。以前よりお喋りになりました。自分に蓋をして、坂口健太郎然としていなければならなかった時期もありましたから。気がつかないうちに人目についていたこともあって。ピリピリしていたなあと思います。その頃から見ると、今はずっとラクになって、基本楽しいし、怒る感情はほとんどないですね」。

物事に対しても寛大になったと言う。

「何がきっかけかわからないけれど、優しい気持ちでいる方が自分が生きやすいし、ラクだと思うようになって、方向転換できたんです」。そもそも自家発電能力がすごく高い。いい意味で自己愛が強いから太らないし、心も健やかだ。「自分へのLOVE度が強いです。自分の中のタンクはある程度満たされています。常に満ち足りているから人間関係も順調ですね。だからかな、よくご飯に誘われるんです」。

40代女性について聞いてみた。

「20代はキュートさ、30代は強さかな、40代は強さの中にしなやかさが加わって、もちろん可愛い人もいるけれど、僕から見ると美しく見えますね。美しさとしなやかさを持ち合わせている。ちゃんと自分のことを見つめられる年齢でもあると思います」。

今年32歳になる。高校時代の友人には「ほんと、変わらないね」って言われるそう。

「だから40代になったときもこのままでいたい。何をしていてもきっと自分に満足していると思います」。

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いちばん幸せな時間は、ご飯を食べているとき。「好き嫌いが全くなく、何を食べても美味しい。ワインを飲みながら、食事をしているときってステキな時間だなと思います。あ、結局ご飯の話で終わってしまう(笑)。いいですか?」

\坂口健太郎さんの手/

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大きく厚みがあって安心感のある日本人最高峰の手だと思っています(笑)。手と言えば『風の谷のナウシカ』の中でおじいさんが「この手を見てくだされ。あと半年もすれば石と同じになっちまう。じゃが、わしらの姫様は、この手を好きだと言うてくれる。働き者のきれいな手だと言うてくれましたわい」(略)を思い出します。手は人に感動を与えるものです。

《Profile》
1991年東京都出身。’14年俳優デビュー後、ドラマや映画に多数出演。’17年『64-ロクヨン-前編/後編』で日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。’18年「シグナル 長期未解決事件捜査班」で連ドラ初主演。映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』では主人公の未山を演じている。4/14より全国ロードショー。

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2023年『美ST』5月号掲載
撮影/彦坂栄治 ヘア・メーク/廣瀬瑠美 スタイリスト/壽村太一 取材/安田真里 編集/伊達敦子

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