世界屈指の温泉地として知られる、大分県別府市。温泉を目指して市街を歩くと、至る所にアートがちらほら。そんなアーティスティックな波はホテルにも。ここでは、最先端の別府ステイとして、「HAJIMARI Beppu」と「界 別府」を紹介します。
HAJIMARI Beppu(別府市/千代町)
別府文化に触れる始点に。アートと暮らせる新たな宿。
「HAJIMARI Beppu」は、宿主人である大分の建築設計事務所DABURA.mの光浦高史さん、陶芸家の坂本和歌子さん夫婦のもとに、別府にゆかりがあるアーティストが集い作品を寄せたホテル。参加アーティストは、安部泰輔さん、網中いづるさん、甲斐みのりさんなど全9組。元酒問屋の倉庫だった建物を改修した。
「このエリアは、昔は市役所があったまちの中心地で、アーティストも数多く住んでいます。面白いこの土地を知ってもらう機会になればと、事務所として使う予定だった建物で宿を作ることにしました。できるだけ少ない手入れで、暮らしの場に近いステイができるようにしています」(光浦さん)
客室にはシンプルなシャワールームに加え、シャンプー、リンス、ボディソープの桶セットも用意。これを持って気軽に地域の共同温泉に赴くことができる。まさに別府文化“アートと温泉”を知るきっかけとなる仕組みづくりだ。
「子供の頃から毎日のように温泉に通い、それが普通だと思っていました。しかし大人になってみて、さらに別府に住んでみて、貴重なものなんだとすごく感じるように。別府には今でもたくさんの共同温泉がありますが、これでもかなり減ってしまっていて。宿泊する方には、ぜひ地域の温泉に行っていただきたいです」(坂本さん)
イラストレーター・網中いづるさんの作品が飾られた客室。
坂本さんの作品が飾られた客室。
HAJIMARI Beppu 9月25日にオープン。各客室には参加アーティストの、異なる作品が飾られている。●別府市千代町5‐1 TEL:0977・76・7667 料金/¥14,080~(1~2名利用時1室、素泊まり) チェックイン15:00~22:00 チェックアウト11:00 アクセス/JR別府駅から徒歩13分。車で5分。https://hjmr.jp/
界 別府(別府市/ 北浜)
時の移ろいを五感で楽しむドラマティックなひととき。
別府湾の目の前にある星野リゾートの温泉旅館「界 別府」は、建築家・隈研吾さんが設計、デザインを手がけ、歴史あるさまざまな別府文化をスタイリッシュに演出。夜~朝まで、いろいろな角度から別府の魅力を体験できる。
夕方~夜の時間は、まずは大浴場を堪能。四季を実感できる露天風呂と内風呂があり、内風呂は源泉かけ流しの「あつ湯」、少し温度を和らげた「ぬる湯」の2種。副交感神経を優位にする「ぬる湯」に夜、交感神経を優位にする「あつ湯」に朝浸かるのがおすすめ。さらには〈湯の広場〉に手湯、足湯、一部客室は露天風呂付き。泉質はナトリウム系で、お肌をツルツル&しっとりに導いてくれる。
夜頃には、パブリックスペースが瞬く間にレトロな温泉街に。「温泉ミストづくり」「スマートボール」「地獄ラーメン」「ご当地楽“湯治ジャグバンド”」など…温泉から出た後も、外せない催しものばかり。まるでお祭りのような盛り上がりを体感してほしい。
朝の見どころは、なんといっても全客室で見られるオーシャンビュー! 東向きのまち・別府で、朝日を一番に迎える最上級の景色を、邪魔されることなく部屋から独り占め。これからの季節は日の出も遅くなるので、チャレンジしやすいはず。少し早起きをして、絶景から一日を始めてみては?
客室からの眺めは、柿渋色の壁、青い別府湾のコントラストが美しい。
夕食の会席料理で味わえる「和牛と椎茸のしゃぶしゃぶ」。
日本一の源泉数を誇る別府の湯は、ぜひ大浴場で。
客室「柿渋の間」は、古代の赤色が特徴的。
甘味や月見酒とともに特別室から月見を楽しむ1日1組限定「お月見堪能プラン」は、10/24~31、11/24~30の期間で開催。
界 別府 別府市北浜2‐14‐29 TEL:050・3134・8092(界予約センター) チェックイン15:00 チェックアウト12:00 料金/¥32,000~(2名1室利用時1名あたり、夕朝食付き) アクセス/JR別府駅から徒歩10分。https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaibeppu/