防災袋は、ポーチとリュックの2種類。それぞれ違う意味合いがあり、両方作っておくと安心。とくに防災ポーチは、近年、携帯する人が増えているアイテム。外出時の頼れる味方。暮らしと備えのアドバイザー・Misaさんに聞きました。
【防災ポーチ】入れておくモノリストを基本に、自分に必要なものをプラス。
【作る目的】
外出先で被災した時の心のお守りとして
【置く場所】
バッグに入れて外出時は常に携帯
【重さ】
目安は300g前後
防災ポーチという存在に、あまり馴染みのない人もいるのでは?
「外出先で災害に遭った時に、最低限、自分を助けてくれるアイテムを入れておくものです。大がかりなものを入れる必要はなく、心のお守りのような感覚で持っていてください。外出する時に、バッグに入れて携帯しましょう。ただ、重いと持ち歩くのが嫌になってしまうので、300g前後にしておくと持ち運びも負担になりません」(暮らしと備えのアドバイザー・Misaさん)
中身は下記をチェック。防災ポーチのほかにモバイルバッテリーも持ち歩いたほうがいいが、コンパクトなものがおすすめ。
「そのほかは自分用にアレンジ。常備薬や、コンタクトをしている人は替えを1セット。私は乾燥する時期にはリップ、夏になると塩飴を入れています。何を入れたらいいかなかなか思い浮かばない人は、例えば、エレベーターに閉じ込められた時に必要なものは…? と考えると、自分が何を防災ポーチに入れるべきかが見えてくると思いますよ」
入れておくモノリスト
1、静音アルミブランケット
極薄のアルミ素材で作られた防風、防寒、防水用のシートのこと。ガサガサ音のしない静音タイプであれば、外出先での避難時に近くの人にうるさがられる心配もない。
緊急簡易ブランケット(静音タイプ)
アルミニウム・低密度ポリエチレン製。サイズは130×210cmで、シングル毛布と同じ大きさ。2枚入り 参考価格¥550(KOKUBO TEL:073・487・1811)
2、救助笛
救助笛は、閉じ込められた時用に。どんなタイプのものでもいいけれど、吹き口にキャップが付いていると、ポーチに入れっぱなしにしておいても衛生面で安心。
セーフティホイッスル
人の耳に聞こえやすい2つの周波数の音を同時に発生。より広範囲の人に注意喚起することができる。吹き口にキャップ付き。¥660(コクヨ TEL:0120・201・594)
3、非常用トイレ×1枚
自宅に備えてある非常用トイレから1枚を防災ポーチへ。
4、大きめのゴミ袋×1枚
自宅にストックしてある大きめのゴミ袋を1枚。
5、LEDミニライト
LEDミニライトは、停電時の備えとして。単4形電池1本で使えるくらいの小型&軽量が◎。
6、携帯ウェットティッシュ
10枚入りなど、軽くてコンパクトなものをセレクト。手指の消毒用に、アルコールタイプを選んでおこう。
7、大切な人の連絡先メモ
携帯の電波がつながらなくなったり、充電が切れたりした時、手書きの連絡メモがあれば公衆電話や避難所の電話からかけられる。緊急時の避難場所も書いておこう。
8、小銭
小銭は、公衆電話を使う時に必要。また、災害時はコンビニなどお店も被災しておつりを出せない可能性があるので、細かいお金を入れておくといいでしょう。
【防災リュック】在宅避難ができる人は、1泊2日くらいの軽い装備でOK。
【作る目的】
急いで避難する時に最低限持ち出す用
【置く場所】
すぐに取り出しやすいところ
【重さ】
目安は5~10kg(背負って走れる重さ)
防災リュックの中身を考える時は、先に自宅の災害リスクをチェックしておくことで、効率よく準備ができるそう。
「自宅の災害リスクがなく、在宅避難になりそうな場合は、必要最低限の準備で十分です。一人暮らしで心細い場合は、夜だけでも避難所で過ごしたいということも考えられるため、1泊2日外で過ごせるくらいの準備があれば安心です」
ここでは在宅避難を想定した防災リュックのリストを紹介。なんとなく自己流で詰めている人は、余分なものを省き、身軽かつ、いざという時に役立つ中身にアップデートしよう。
「下記が基本の例。これを防災リュックに入れておいて、避難する際は防災ポーチやお財布、鍵など普段外出する時に持ち歩いているものをプラス。さっと背負って出られるように、無理のない重さであることを確認しておきましょう。置いておく場所は、クローゼットの取り出しやすい場所にしまっておくと、平常時に邪魔にならずに済みます」