ちょっとしたことでイライラしたり、落ち込んだり。周りからの影響を受けやすく、ストレスを抱えている人はいませんか? メンタルは、日々の行動習慣で鍛えることができるのだそうです。心理学や脳科学に詳しいマインドトレーナー田中よしこさんに「メンタルが強い人の行動習慣の特徴」を教えていただきました。
教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
メンタルが強い人がやっている行動習慣
メンタルを強くする秘訣は、日々の行動習慣にあります。具体的に何をするとよいのか、5つの行動習慣をご紹介します。
1.定期的に体を動かす習慣がある
運動には、ネガティブな気分を発散させ、心も体もリラックスできる作用があることが分かっています。さらに、脳にとって一番大切な睡眠リズムを整えることにも大きく関わっているのです。
最も効果的なのは有酸素運動で、軽いランニングやダンス、近所の散歩でも効果があります。
大切なのは、体を動かす習慣を継続すること。自分に合った続けやすいものを探して、日々の生活に取り入れてみましょう。
2.自分と向き合う時間をつくっている
メンタルが強い人は、自分を理解している人とも言えます。理解するには、自分自身を振り返る必要があります。自分と向き合う方法は、とてもシンプル。「感情を確認する」こと。
私たちは、毎日さまざまな感情をもっています。長時間ネガティブな感情をもち続けると、つらくてメンタルが不安定に。
反対に、ポジティブ感情を長くもっていると生きやすく、メンタルが安定した状態だと感じられます。そのため、日常の中で感じる感情に気づき、どのような意味を持っているのかを理解していくと、自然と自己理解につながります。
うまく対処できない感情にこそ、人生の大切な課題が隠れていることも。何を学び、成長させるためには何ができるのかを考える習慣をつけると、自己肯定感も上がっていきます。
3.良質な睡眠を大切にしている
メンタルの安定と睡眠の関係は密接です。睡眠は情報の整理や記憶の強化に不可欠で、仕事や日常生活のパフォーマンスアップに役立ちます。そして、何よりもぐっすり眠った後のスッキリ感は最高ですよね。
睡眠不足は、ストレスホルモンの増加と関連しており、ストレス耐性を低下させることがあります。これにより、日常生活のストレスへの対処能力が奪われてしまうのです。
また、睡眠不足がうつ症状と関連していることを示す研究結果もあります。眠りが浅い、寝つきがよくないといった問題を抱えている方は、湯船につかる、入眠スタイルを見直すなど、良質な睡眠がとれる方法を探してみましょう。
4.目標をもっている
メンタルが強い人は、“目標がある”毎日を過ごしています。
例えば、会社に行って流れ作業的に受け身で仕事をこなすのと、「15時までに3つのタスクを仕上げて、チェックも済ませる。できたらご褒美に〇〇を買おう」と自分なりの目標がある過ごし方とでは、達成感が違うのがお分かりでしょうか?
目標をもつことで自然と課題が見つかり、その分野を改善するための学びや成長へとつながります。
人生の目標のような、壮大なテーマがなくても構いません。日常の中で小さな目標を設定し、それを達成しようとするだけでも、達成感や自己効力感が高まり、メンタルを鍛えることにもつながるのです。
5.元気になれるものを知っている
“人生100年時代”と言われる長い人生において、落ち込んだり、イライラしたり、悲しい思いをすることは当たり前に起こります。メンタルが強い人は、そういったときに自分を元気にする方法を知っていて、実践しているのです。
一人時間をとること、自然に触れること、人と交流して刺激をもらうこと、美味しい食事を楽しむことで元気になる人。ゲームや読書に没頭して他のことを考えない時間をつくることで、元気になる人もいます。ひとつのパターンに限らず、自分に合ったさまざまな方法を知っていると、心強く感じられるようになるはずです。
ご紹介したように、もともと自信がある人でなくても、日々の習慣からメンタルの強さを育むことができます。良質な睡眠や運動は心も体も元気にしてくれるので、楽しみながら取り入れてあげてくださいね!