体の健康管理について、様々な情報があるなか「性のお悩み」だけは…正解を見つけづらい…家族や友だちにも聞きづらいし、誰に相談したらよいかもわからない。そんなストレスを抱えることはありませんか?このコーナーでは、セックス、セルフプレジャー(マスターベーション)、カラダや性にまつわる読者のお悩みに、性の専門家として活動する4名のスペシャリストがリレー形式で回答!自分らしいセクシャルウェルネスを探求する、きっかけにしてみて!
Q.意外と知られていない…「セックスにまつわる誤解」を教えて(30代後半・女性)
「ああしたほうがいいんでしょ」
「こうしたほうがいいんでしょ」
セックスに関する、謎のウワサや、テクニック情報。これからセックスに関わる限り、きっと一生耳にし続けることでしょう。もちろん、やってみようかなとワクワクしたり取り入れてみるのは自由です。あくまで、自分と相手の心身を大切に、しっかり同意を取った上でならOK。好奇心旺盛にチャレンジしてみてくださいね!ただ、科学的に間違っていたり、それはファンタジーだよと突っ込みたくなったり、定番の「あるあるな間違い」もあるので今回は、そこをいくつか訂正できればと思っています。
【よくある間違いその①】腟は締まっていたほうが、男性は気持ちいい!
ペニスを挿入するなら、締まりがいい(腟圧が強い、腟筋肉を締められる)ほうが、圧迫感や摩擦は強くなります。「すごく締まる!」と、喜んでくれる人も多いでしょう。ただ、ペニスが敏感ですぐに射精してしまうとか、長い時間をかけて1回のセックスを楽しみたい男性の場合は、少し焦ってしまうかもしれません。女性視点でも、筋肉を締めて動かせるほうが快感が強くなる傾向があります。さらに、インナーマッスルである骨盤底筋を鍛えておいた方が、子宮脱や尿漏れなどの疾患予防にもなるため健康的なメリットも得られるでしょう。ただ問題としては、ペニスや腟のサイズは人それぞれ違っている、という点。生まれつき腟が狭い女性は、指1本の挿入でもキツイことがあります。大きなペニスを受け入れるには、練習が必要。またペニスの直径が小さく、細身なサイズだった場合には腟のサイズがよくわからない…ということもあります。
結論、「締まるほうがいいかどうかは、時と場合による」のです。あまりこだわりすぎなくていいように思います。ただ、男女かかわらず、骨盤底筋群を鍛えることは大切。特に、締まりをよくしたいと思っている女性や太いものが入ると痛いと感じる女性は、「締める、緩める」の動きを練習できるよう、トレーニングをおすすめします。
【よくある間違いその②】男性がセックスで射精しないのは、気持ちがよくないから…。
男性って、意外と射精しないでセックスが終わることも多いんです。勃起と射精は、男性の心身の健康の絶妙なバランスの上に起こっている現象。「毎回射精するのが当たり前」それって、アダルトビデオ(AV)に影響された思い込みじゃありませんか?例えば、仕事でへとへとになっていたり、ストレスがたまっていると、「あれ… おかしいな… 射精できない… 」と、男性本人がびっくりしてしまうことも。反対に、極度の緊張や興奮をしていると、勃起しなかったり、射精できず中折れしてしまったり。「相手のことが好きで好きでたまらない!」と、思っている場合でも緊張しすぎて、セックスができなくて焦る…なんてことも。
膣内射精障害の相談に乗っている専門家が、「セックスで男性が射精できる確率は50パーセントだと思っていた方がいいですよ」と、教えてくれました。だからこそ、パートナーの皆さんは、「私に魅力がないから!?」と焦らなくてOK。そんなこともあるよね!と笑って済ませたほうが案外、相手もホッとするかもしれませんよ。
イラスト/鈴木七代
今回答えてくれたのは…
ラブグッズプロデューサー なつえり
1991年生まれ、通称バイブ姫。自分に自信がなく、依存・束縛・浮気を繰り返すこじらせ恋愛やセックスレスで悩んできた経験から、性生活を楽しむヒントを伝える公認ラブライフカウンセラー®️に。ママ向け性教育ワークショップ「Oya.Co(おやこ)」を定期開催。ラブグッズを年間100個以上試すアイテムプロデューサーとしても活躍。アイテムをおすすめする個人ブログは月間15万pv、Twitterフォロワー1万人。早稲田大学法学部卒、日本性科学会員。