よろスィーツ！ スイーツ芸人のスイーツなかのです。
手土産やプレゼントでスイーツを贈るとき、「なにこれ！」とか「こんなのあったの！？」と驚きとともに喜ばれると、ちょっと嬉しかったりしますよね。そんな「サプライズスイーツ」をご紹介するこの連載。第16回目は、スペインチョコレートブランドが作るトウモロコシのアイスをご紹介します。
なぜ、トウモロコシ……？
梅雨も明けて、いよいよ夏に突入しましたね。街を歩くとかき氷をはじめたお店も増えてきました。というわけで、今回も夏におすすめのひんやりスイーツを扱います。前回の記事でアイスを扱いましたが、今回もアイスにしました。ただ、サプライズスイーツの連載ということもあり、ちょっと驚きのアイスです。
写真を見ても分かる通り、トウモロコシのアイス！ インパクトすごいでしょ？ 見た目だけでも印象的なのですが、もっと面白いのはこれを作ってるのが高級チョコレートブランドということ。
アイスを手がけるのは「カカオ サンパカ」。チョコレートが好きな方なら、必ず名前を聞いたことがあるお店です。1920年創業のスペイン最大のカカオ豆の輸入・チョコレート原材料の製造会社「ネダーランド」グループの子会社として、1999年バルセロナに誕生。スペイン王室御用達のチョコレート屋さんとしても有名です。
では、いったいなぜチョコレート屋さんがトウモロコシのアイスを？ そこには、実はチョコレートの歴史にも繋がる、おもしろい理由があるのです。そういえば、このアイス、まだちゃんと商品名を言ってなかったですよね。正式名称は「アステカモーレ」。2017年に発売され、日本限定の商品です。“モーレ”はスペイン語で“料理”の意味。つまり、直訳すると「アステカの料理」と理解できます。
「トウモロコシのアイスが、アステカ料理ってこと？」
「チョコレートは関係あるの？」
「そもそも、アステカってどこ？」
そう、これだけだと、まだ頭にはハテナが残りますよね。詳しくは、次でお話します！
カカオの歴史にルーツが……
学生の頃、アステカ文明やアステカ民族などの言葉で勉強した記憶がある方も多いのではないでしょうか。いまのメキシコあたりを中心としてひろがったアステカ王国では、トウモロコシの粉末にカカオを混ぜて飲んでいたと言います。当時のチョコレートは「ショコラトル」とよばれる飲み物で、とても貴重な物でした。スペインで残されている文献には、アステカ人がマヤ人より特別なカカオのレシピを受け取ったとされている絵画もあるのだとか。
ちょっと勉強っぽくなってしまいましたが、「アステカモーレ」の由来はわかってもらえたでしょうか？ チョコレートのルーツでもあるアステカ料理にインスパイアして生まれたのがこのアイスです。なので、ただトウモロコシのアイスではなく、裏面を見てもらうとカカオニブがぎっしりと付いてることが分かります。表面とのギャップに驚き！何も知らないと、いったいなぜ？となってしまいますが、理由が分かると、なんだか神秘的ですよね！
トウモロコシの粉末を使用して自然本来の風味を生かした味は、なんだかホッとするトウモロコシのやさしい味わい。そして、数種類の産地のブレンドしたカカオニブの食感や香ばしい風味は、クランチやクッキーとは違う、今まで食べたことがないタイプのアイスでしょう！
実は、これ、実際のトウモロコシから型をおこしているのだそう。なので、トウモロコシの粒は型からは抜けにくい立体の形状をしているため、型抜きの際にかけないよう注意して作ってるそうですよ！パッと見た時のリアルな印象は、こんな秘密もあったのです。
カカオの歴史をユニークなアイスで知ってみるのはいかがでしょう？ チョコレートが好きの人にプレゼントしてもセンスいいし、ちょっと驚かせたいエンタメ系アイスとしてもぴったりですよ！
ナイスィーツ！！
