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なかなか来ない……。生理周期が長くなる原因

「生理が2カ月以上来ない」「生理周期が長い気がする」。

多くの女性が抱えているであろう生理周期にまつわる悩み。あなたも、予定日を過ぎても訪れない生理を前に、病気や妊娠の可能性を考えて不安を覚えたことはないでしょうか。

生理周期が長くなる原因や、その対処法とは? 産婦人科専門医の尾西芳子先生に教えてもらいました。

健康な女性の生理周期とは?

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「生理(月経)周期」というのは、生理が始まった日から、次の生理が始まる前日までの日数を指します。

生理周期の目安は25日~38日

一般的に健康な女性の生理周期は28日周期で考えることが多いですが、これは実は個人差が大きいです。つまり、28日周期ではないから異常ということではありません。

25日~38日周期で、変動が6日以内であれば正常範囲とされています。

生理周期が長い=希発月経かも

生理周期が長く、39日以上3カ月未満で次の生理が来る場合を希発月経(きはつげっけい)といいます。

また3カ月以上生理が来ない場合は無月経といわれ、希発月経とは区別されます。

希発月経かも? 生理周期が長くなる原因

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ここでは、39日以上3カ月未満で生理が来る、希発月経の原因について説明します。

希発月経の原因にはストレスやダイエットによる影響のほか、多囊胞性卵巣症候群などの病気が挙げられます。

ストレスやダイエットによる影響

生理が起こるには、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンがきちんと分泌されることが大切です。

排卵はエストロゲンの分泌量がピークになることをきっかけに起こります。排卵とは卵巣にある卵胞(卵子を包む袋)から卵子が排出されることです。排卵後には卵胞は黄体という器官となり、ここからプロゲステロンが分泌されるようになります。

プロゲステロンは排卵からだいたい1週間後くらいに分泌量がピークになりますが、妊娠しなかった場合、排卵からおよそ2週間後までに元の分泌量に戻ります。生理はこのプロゲステロンが減少することをきっかけに起こるとされています。

このように、生理が起こるためには、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンがきちんと分泌されている必要がありますが、これら女性ホルモンの分泌を司る脳の視床下部は、実はストレスの影響を受けます。ストレスを受けると脳は女性ホルモンを分泌する指令を出せなくなってしまうので、そのために生理不順となることがあるのです。

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生理周期が長くなる原因(例)

・過度なダイエットや激しい運動によるエネルギー不足
・睡眠不足
・引っ越し、結婚など、環境の変化
・仕事のストレスや受験など

病気の可能性

希発月経の原因が病気である場合もあります。

多囊胞性卵巣症候群(PCOS)

妊娠できる年齢の女性のうち5~8%[*1]という高い割合で起こり、排卵障害の原因の多くを占める病気です。患者さんの多くは初めての生理時から希発月経などの周期の異常がみられます。超音波検査で卵巣を見ると卵巣が腫れて大きくなり、表面に発育途中の小さな卵胞が多数あって、ネックレスのようにつながっている様子がわかります。

この病気の主な原因は卵巣で男性ホルモンが過剰に生産され、卵胞の正常な発育が妨げられることだといわれています。また、太っていると血糖値を下げるホルモン・インスリンの働きが悪くなるのですが、そのことも悪化の一因になるといわれています。

その他、視床下部・下垂体ホルモン、甲状腺ホルモンなどの異常

視床下部や下垂体から出るホルモンのバランスが悪く、排卵を邪魔するようなホルモン(プロラクチン)が過剰分泌されている場合や、甲状腺ホルモンに異常がある場合、プロゲステロンの分泌が不足している場合などでも希発月経が引き起こされます。

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