この連載では、作家さんにSNSで「新作」を募集。編集部の目にとまった素敵な作品を、制作の背景と交えてご紹介していきます。今回ご紹介するのは、astin muhlerさんの新作、アスパラガスのスマホケースです。
astin muhler
「手にしてくれた人の気分をあげ、日常に彩りを」というコンセプトのもと、押し花のような“乾燥”の技法を使い、色とりどりのスマホケースを制作。
「わたしもほしい」のひとこと
思わずみんなに自慢したくなる、眺めてたのしい華やかなastin muhlerさんのスマホケース。「押し花」ならぬ、ジューシーな「押しフルーツ」デザインは、そのカラフルさに目を奪われてしまうこと間違いなしです。
astin muhler: もともとは自分のためにつくったものなんです。
第一子が生まれたばかりの頃、専業主婦で時間に余裕があったこともあり、「ものづくりの趣味を持ちたい」と考えていました。
インターネットで当時人気だった押し花を使った作品を見て“押しフルーツ”をひらめき、スマホケースをつくりはじめたんです。実際に使いはじめると、通りすがりの人に「どこで買ったんですか?」「わたしもほしいです!」と声をかけられて。この言葉をきっかけに「minne」での販売をスタートさせました。
朝市で調達
これまでにない、リアルでかわいい押しフルーツのスマホケースはあっという間に人気が広がり、今ではテレビや雑誌など複数のメディアで取り上げられるほどに。
astin muhler: わたしがよくお話させていただくのは、astin muhlerは押し素材に関しては尋常ではないこだわりを持っているということ。注文が入ってから朝の市場やスーパーに素材を仕入れに出かけ、押し素材に適しているサイズ、色、熟度を目利きし、帰ってきてすぐに押しの作業に取りかかります。
より綺麗な素材をつくるにはどうすればよいのか、素材の厚み、熟度、重石の重量など、各フルーツ、野菜によってさまざまな技法を用いては、研究に没頭する日々です。
astin muhler: そして現状に満足することなく、日々試行錯誤しながらスマホケースひとつひとつに愛情込めて制作し、想いを込めて発送しています。
そんなastin muhlerさんの、新作をご紹介します。
新作は、アスパラガスのスマホケース
astin muhler: 新作のデザインを考えていた日の夕食に、たまたま「茹でアスパラガス」をつくったのですが、それがとってもおいしくて。「かわいい」だけでなく、この「おいしい」の感動も一緒に伝えたいと強く思ったんです。ふとパッケージに貼ってあった『佐賀県産』のテープが素敵だなと感じ、これまでになかった「産地推し」の作品はどうか、という考えに辿り着きました。
astin muhlerさんは、新作だからといって今までのコンセプトやイメージにとらわれすぎないようにしているそう。ちょっと話題性がありそうな、「一本取られた!」と思われる作品づくりを心がけているのだと言います。今回の新作は、まさにこれまでの作品とはまたひと味違う、印象的なビジュアルに。
鮮やかなグリーンは、初夏のコーディネートにもマッチしそう。インパクトとそのユニークさで、会話のきっかけとしても活躍してくれそうです。
astin muhler: アスパラガスの配置やラッピングには徹底的にこだわりました。表記するフォントや文字の色によっても印象が変わるので、本当にいろいろな試行錯誤で生まれた作品です。
astin muhler: あたたかみのある手づくり作品は、その個性が多くの感動を生んでいるのだと思います。
たくさんの作家さんがたくさんの作品を常に生み出し続けています。その中に必ずあなたのほしいものをつくっている作家さんがいるはずです。ぜひ、自分の推し作家さんを見つけてみてほしいなと思います。
連載「新作おしえて」はSNS連動企画です。minne作家のみなさんは、TwitterまたはInstagramにて「#新作おしえて」「#minneとものづくりと」の2つのタグをつけ、新作画像と作品URLをつけてぜひご投稿ください。
文 / 西巻香織