ビタミンC 美肌作りとストレス対策に必須のビタミン。
メラニンの生成を抑えてコラーゲンの合成を助け、高い抗酸化力で細胞の老化を予防…と、美肌にうれしい働きがいっぱいのビタミンC。
「肌にいいだけではなく、鉄分が体内に吸収されるのを助けるのもビタミンCですし、白血球の働きを活発にしたりと免疫力アップにも関わっています」(山崎先生)
多く含まれているのは、キャベツや小松菜などの緑黄色野菜に、大根、カリフラワーといった淡黄色野菜、じゃがいも、フルーツなど。
「野菜は生なら1食につき両手のひらに一杯、加熱したものなら片手に一杯分を。ビタミンCはストレスで消耗されるので、暑さが厳しい時期はしっかり補給を」(森さん)
摂り方のコツ ビタミンB群と同じく水溶性のビタミン。「熱に弱いので、生野菜や果物もバランスよく食べることが大事。ジュースにするのも一案です」(森さん)
フィトケミカル 植物の自衛成分に、強力な抗酸化力が。
フィトケミカルとは、野菜や果物が持っている色素や香り、苦みなどに含まれる成分のこと。
「植物が紫外線や外敵などから身を守るために作り出したもので、人にも良い働きをしてくれるものがたくさんあります」(山崎先生)
とくに紫外線にさらされる夏野菜は抗酸化作用を持つものが多く、
「代表格はトマトの色素“リコピン”。油と一緒に摂ると吸収率が高まります。また、しょうがやみょうが、ねぎ、しそなど、香味野菜の香り成分も有用。香りでリラックスできるだけでなく、血流改善や、ビタミンB群の吸収、肝臓での解毒を助ける働きも。野菜は、色や香りにも注目して選んでみましょう」
摂り方のコツ リコピンは油とともに加熱すると吸収率アップ。香味野菜は、しょうがやねぎ以外は加熱によって香味成分が消失しやすいので、できれば生で食べるとよい。
クエン酸 酸味に頼って、疲れも肌荒れも寄せ付けない!
体が、糖質をエネルギーに変えるときに必要になるのがクエン酸。
「酸っぱいものが疲れを取ることは経験上よく知られていますが、それはこのクエン酸が働いているから。ほかにもミネラルの吸収を助ける、抗酸化成分の働きを促進するといった作用があり、夏の体に欠かせない成分のひとつです」(森さん)
クエン酸は、酢のほか、柑橘類やいちご、梅干しなど、酸味のある食材に多く含まれている。
「ハイビスカスティーもおすすめです。クエン酸と、ビタミンCも豊富。ほんのり赤い色は、フィトケミカルも含まれているしるしです」
疲れオフも美白も期待できるハーブティーを、夏の定番ドリンクに。
摂り方のコツ ビタミンB1を多く含む豚肉や豆、未精製の穀類、糖質とともに摂ると効果的。玄米入りご飯と梅干しや、豚肉とレモンのパスタなどは良いメニュー例。
山崎まいこ先生 皮膚科医、まいこ ホリスティック スキン クリニック院長。消化吸収と腸内環境に着目した「ホリスティック栄養学」を提唱。体の中から美を導く診療に定評がある。
森さやかさん 女子栄養大学 栄養クリニック管理栄養士。医師と提携しての指導に定評のある、ヘルシーダイエットコースで調理・栄養相談を担当。https://www.eiyoclinic.com
※『anan』2020年7月29日号より。イラスト・oyumi 取材、文・新田草子
(by anan編集部)