仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回は「一人で仕事を抱え込んでしまう」というお悩みに、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。
一人で仕事を抱え込んでしまう
最近後輩も増えてきましたが、仕事を人に振るのが苦手です。いつも自分で全部できると思って勝手に抱え込み、その結果キャパオーバーになり、この前はミスが発生してしまいました。上司からは「もっと他の人に振っていいんだよ」と言われますが、残業してでも自分がやった方が早いし、クオリティも高いはずと思ってしまいます。それでも人に振った方が良いのでしょうか。振る場合は、どうやって振ればいいのでしょう。
あなたは仕事に真面目で、多分完璧主義なところがあるのでは。私にもその傾向があるので、自分でやってしまいたくなる気持ち、よく分かります。
でも長い目で見ると、人に振った方が良いんですよね。会社にとっても、あなたにとっても。
仕事を抱え込むのは、自分にも会社にもリスクがある
例えば、既に経験されたキャパオーバーによるミスは、人に振ることで防止できます。振られた側のスキルや経験値アップにもなります。結果、チームのパフォーマンスも上がり、ひいては、会社の利益アップにもつながります。
また、非常時のリスクを軽減する上でも、大きな意味があります。
例えば、あなたが40度の高熱を出した時。仕事を一人で抱え込んでいる場合、這ってでも出社したり、フラフラの状態で書類作りをしたりする羽目になります。それすらできない場合は、取引先に納期を延ばしてもらうことになるかもしれません。
一方、日頃から人に仕事を振っていれば、あなたの仕事ぶりは誰かに伝授されているため、代理を任せることができます。
つまり、「この仕事ができるのは〇〇さんだけ」という状況を作ってしまうと、あなたに何かあった時の対応が難しくなるのです。
結果、あなたは常にプレッシャーを抱え、会社もリスクを抱えます。それを防ぐためにも、仕事は分散させた方がいいのです。
仕事を振る時に心掛けるべきこと
ではどうやって仕事を振るか。大事なのは、最初から相手に100%の出来を求めないこと。最低限のポイントを押さえてくれればOK、くらいの気持ちでいましょう。
そして、相手が後輩なら、「良い感じだね!」と褒めた上で「ここはこうするともっと分かりやすいかも」といった具合に、完成度を上げるために、少しだけ口を出す。
これを続けるうちに、あなたは仕事を振ることに慣れ、相手も慣れてきて、作業効率も上がっていきます。
ビジネス講師の知人が「完璧主義な人は、人に振った仕事に口を出してはいけないと思っている」と言っていて、ハッとしたことがあります。確かにそう思っていると、人に振れないですよね。
でも、口を出していいんです。振られた側も指南ゼロでは不安なので。
大事なのは「信頼されている」感
ただ、口を出しすぎると、自分で考えてやり遂げる機会、つまり仕事の面白さを感じる機会を相手から奪ってしまいます。
向上心を持って質の高い仕事をしてもらうためには、裁量を与え、「信頼されている」と感じてもらうことが大切です。
仕事を人に振るのは、マネジメント能力を磨く良い機会になります。昇進への道も開けるかもしれません。
出世に興味がなくても仕事の幅や視点が広がるので、やってみて損はないと思いますよ!
Point.
・仕事を人に振ることは、チームや会社の業績アップにつながる
・自分に何かあった時に業務がストップするリスク防止にも
・人に振った後、口を出すのは問題ない(ただし出しすぎはNG)
・マネジメント能力を磨く機会にもなる
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)