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[映画とパスタ]シェフの気ままな休日レシピ vol.1「ニュー・シネマ・パラダイス」

さぁ、映画を観よう。とっておきのワインのコルクを抜いて、パスタを皿に盛り付ける……、これでいよいよ準備は万端。今日素晴らしい時間をくれるのは、「ニュー・シネマ・パラダイス」。シチリアの特産品の風味とともに、トトの選択を見守るとしよう。

toshikiwatanabe

レシピ

今日の映画は「ニュー・シネマ・パラダイス」

(C) 1989 CristaldiFilm

パスタ鍋のお湯が湧き、ガーリックの香りがキッチンに拡がっていく。

お気に入りのワインの栓を抜いたらごきげんな映画の時間の始まりだ。

今日のパスタの相棒は、イタリアの名匠ジュゼッペ・トルナーレの不朽の名作「ニュー・シネマ・パラダイス」。

もう何度も観ているけれど、ときどき無性に観たくなる作品だ。

全編を彩る小気味よい音楽と、イタリアののどかな風景、主人公トトの屈託のない笑顔。
ラスト5分間は私史上、もっとも感動したシーン。

元気で楽しい雰囲気の前半、
哀愁と葛藤が入り混じる後半、

そのすべてが最後の5分間にギューーッと旨味として詰まっているような映画である。
まるで、メニューを決め、買い出し、仕込み、調理するという作業のすべてが仕上げのために存在しているパスタのような映画ではないか。

天日干しのトマトの味で作品世界をより深く

Photo by macaroni

エストラット ディ ポモドーロ

この映画の舞台となったのは、シチリア島の西側山岳地帯の田舎町、Palazzo Adriano。
目立った産業はなく、羊飼いと農業がメインの小さな村。

その村の家庭料理をこの映画に合わせれば、トトの気持ちをより深く知ることができるかもしれない。

せっかくなので、この村の特産品であるエストラット ディ ポモドーロ(天日干しのトマトペースト。作中にはこの赤いペーストを女性たちが板に塗って乾かしているシーンがある)も使って「仔羊とナスのカサレッチャ(ショートパスタ)」を作ってみよう。

作り方はいたって簡単。ちょっとくらいレシピと違っても、材料がそろわなくても、そこはイタリア式で気楽に作ってもらいたい。

「仔羊とナスのカサレッチャ」のレシピ

▶材料(4人分)

・カサレッチャ(ショートパスタ)……400g
・仔羊肉……300g程度
・茄子……2本
・エストラットディポモドーロ(ドライトマトペースト)……10g
・白ワイン……50cc
・ニンニク……2かけ
・ミント……適量
・香草パン粉(パン粉にハーブミックスを混ぜたもの)……適量
・ペコリーノシチリアーノ……60g
・ドライオレガノ……適量

▶作り方

①フライパンに潰したニンニクを入れ、油に香りが移ったら、そこに適当に小さく切った仔羊と茄子を入れ、白ワインを少々とエストラット ディ ポモドーロ、オレガノを入れる。

②アルコールが飛んだらひたひたになるくらいお水を入れて軽く煮込んでいく。

③茹で上がったパスタを入れてパスタに味を染み込ませ、ペコリーノシチリアーノで味を整える。

④お皿に盛って、香草パン粉とミントをかけたら完成だ。

トトが村を出て都会に行く時に食べたこのパスタと、成功を手にして村に戻って来た時に食べたこのパスタ。彼はどんな違いを感じ、何を想い出し、どう味わったのだろう。

そんな事を考えながら食べるパスタは、いつもより深い味がするのではないだろうか。

料理名は映画の中での町の名前をとり、Casareccia al Giancaldese (ジャンカルド風カサレッチャ)と名付けることにしよう。

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