最近、若い世代を中心にメールのマナー違反が目立っていると、ITジャーナリストの高橋暁子さんは指摘する。
頻発のデジタルトラブルは誠実な心配りで回避できる。
「SNS世代は、メールの正しい使い方を知らない人が多いんです。さらに、公私の境目なくSNSを使用して、仕事がらみの炎上トラブルになることも増えています」
と高橋さん。マナーは、相手の立場に立つのが基本。相手を不快にさせない心配りさえできれば、知識が未熟な部分を補える、とマナーコンサルタントの西出ひろ子さんは言う。
「どんな場面でも心を込めること。自分がされて嫌なことは相手にしないこと。デジタルが普及した時代だからこそ、こうした誠実さが一層大切になっているのです」
お二方にデジタルマナーについてのみんなの疑問に答えていただきました。
「お世話になっております。」は全てのメールにつけるべき? →どんなメールでも冒頭挨拶は必須。
SNS世代でメールに慣れていない人は、挨拶なしにいきなり用件を書き始めることもあるとか。
「ビジネスメールで挨拶なしは失礼ですし、ぶっきらぼうな印象に。新社会人はまずルールとして、冒頭の挨拶フレーズは毎回入れると覚えましょう」(高橋さん)
「マナーとしては必須ですが、同じ人と1日に何度もメールをする場合などには、『お世話になっております。●●社の△△です』と毎回書くと、丁寧すぎて相手の負担になることも。相手との関係性や状況を見極めて使い分けられるようになると理想的」(西出さん)
急いで返信したい時、スマートフォンからだと失礼にあたる? →PCメールへの返信は、スマホからでもOK。
ビジネスにおいて、すばやい対応は大切なところ。外出先で受け取ったメールにすぐに返信する必要がある時は、スマホを使って対応しよう。
「本来、ビジネスでは会社のPCメールが正式。緊急の時は、PCから送るメールと同じ署名をつけてスマホで送りましょう。急ぎでない場合は、会社に戻ってPCから送るのがベター」(西出さん)
「今の時代、スマホから返信すること自体は失礼ではないけれど、『出先なのでスマホから失礼します』とひと言つけると、丁寧な印象になります」(高橋さん)
西出ひろ子さん 互いが幸せになるためのマナーを提供するヒロコマナーグループの代表。真心を重視するマナー指導に定評がある。マナー評論家としてメディアでも活躍中。著書は80冊以上。
高橋暁子さん 教員を経てITジャーナリストに。SNS、情報リテラシー教育を専門に、執筆や講演を行う。著書に『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎エデュケーション新書)などがある。
※『anan』2018年4月18日号より。イラスト・サヲリブラウン 文・熊坂麻美
(by anan編集部)
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