働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちがお悩み回答形式で紹介します。今回の回答者は、FP(ファイナンシャルプランナー)の山本麗子さん。
今回のお悩み「年収400万ならいくらの家賃が妥当?」
在宅ワークになったこともあり、もう少し広い家に引っ越したいと考えています。とはいえ、それによって固定費が増えるのも心配……。できれば10万円以上の家に引っ越したいのですが、年収400万円の私の場合、いくらの家賃が妥当なのでしょうか?
年収400万円の場合、家賃は6万8000円以内が理想
家賃は、手取り月収の3割に収めるのが理想的だと思います。
ということは、年収が400万円の場合は手取りがおよそ320万円になるので、家賃は6万8000円程度に抑えるのが妥当だといえます(※年収にはボーナス2カ月分が含まれることも加味して、320万÷14カ月×3で計算)。
この「3割以内」という数字は、貯金などの余裕を持って生活する上での理想。住むところへのこだわりが強いようであれば、支出の優先順位付けをし、食費や他の部分で削っていくのがおすすめです。
在宅ワークが続くようなら駅からの距離で家賃を抑えて
新型コロナウイルス感染症の影響で、働き方や働く場所がガラリと変わりましたよね。
もし、この先も在宅ワークが基本になるのであれば、駅近である必要はないので、駅からの距離を少し広げて部屋探しをしてもいいでしょう。おそらく、同じ条件で家賃を抑えられるはずです。
コロナ禍で、海の見える場所の物件を内見する方が増えているそう。やはり価値観も変化し、多くの方の住まいへの条件や理想が変わってきているのではないでしょうか。
条件の優先付けと交渉で家賃の節約を
家賃が決まるポイントは、立地・間取り・築年数・設備など。
これらの条件が整えば整うほど家賃も比例して高くなっていくので、自分の譲れない条件をきちんと持っておくのがおすすめです。
「自分が住まいにおいて何を大切にしたいのか」を洗い出した上で部屋選びをすることで、家賃を上手に抑えられるはずですよ。
変化球としてもう1つおすすめしたいのが、「家賃交渉」。今住んでいる場所が気に入っているのであれば、引っ越すのではなく家賃を下げる方向で考えてみてはいかがでしょう?
コロナ禍で収入が不安定になっている時期なので、大家さんとしても住み続けてもらいたいと思っているはず。更新のタイミングなどを狙って、ダメ元でチャレンジしてみて。
交渉する際には、自分が住んでいる部屋と同じような条件、かつ家賃が安い空き物件を探して、そのデータを持っていくのもいいかもしれません。
実はこれ、私も以前チャレンジして成功した方法。月に5000円抑えられるだけでも年間6万円の節約になるので、挑戦する価値はあると思いますよ。
直接伝えるハードルが高ければメールでもOK。今や情報をすぐに取りにいける時代なので、交渉できる材料を準備してぜひ試してみてくださいね。
令和のマネーハック15
コロナ禍で在宅ワークが増えた今、“いい家”に住みたいなら、駅からの距離を伸ばして家賃を抑えるのが賢いやり方かも!
(監修:山本麗子、取材・文:ameri)