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旦那にイライラ! 夫婦がうまくいく上手な伝え方

木村泰之(夫婦カウンセラー)

こんにちは、夫婦カウンセラーの木村泰之です。日ごろどんなに仲のいい夫婦でも些細なことからケンカに発展するケースは珍しいことではありません。その原因を聞くと多くの場合は「え、そんなことで大ゲンカしたの」というような本当にちょっとした行きちがいです。旦那に腹が立つときに、妻の立場としてはどういう対処がいいのでしょうか。

■妻のイライラが爆発!? 旦那の腹立つ行動

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そもそも妻がイライラするときというのは、旦那が自分の思い通りに動いていないときです。つまり自分が基準になっていて、そこから外れている言動に腹が立つのです。そんなときに夫に対して出る言葉は「なんで」、「どうして」、「あり得ない」ではないでしょうか。その言葉を出すと冷静さを失い、夫が余計にコントロールできない存在に見えてくるのです。

◇妻が思う旦那の腹立つ行動

では、どういう行動に腹が立つのかを、私に寄せられた相談でよく見かける旦那の例で具体的に説明します。

☆決めた事を守らない

たとえば洗濯物を入れない、モノを出しっぱなし、勝手に置く場所を変えるなど。このときに出てくる言葉は「なんでいつも言っている通りにしてくれないの」。夫婦で決めたはずのルールを守らない、何度言ってもわからないという旦那に対して腹が立ってくるのです。

☆約束した日時を忘れる、反故にする

しっかりとスケジュールしていることを忘れたり、ほかの用事を優先されてしまう……。こんなときに出る言葉は「どうして忘れるの」、「どうしてそっちを優先するの」。自分は一生懸命準備していたのに旦那は軽く考えていたという、真剣さのギャップに怒りがわいてくるのです。

☆理解してもらいたいときにぞんざいな態度をとられる

たとえば友人とのトラブルで夫だけにはわかってもらいたいと相談したときに、「そんなこといちいち俺に言うな」と相手にされないとか、「それはお互い様だろう」と突き放すように言われてしまう。こんなときに出る言葉は「そんな態度あり得ないでしょ」です。妻である自分の気持ちをわかってくれるのは夫、そんな思いを踏みにじられて腹が立つのです。

◇無意識に腹立つ行動をしてしまう旦那の心理

では、夫はなぜ妻に対して腹が立つ行動をしてしまうのでしょうか。
夫は、意図的に妻が腹を立てることをしているというわけではありません。ただ配慮が足りなかったり、ていねいさが足りなかったり、面倒くさいという態度を上手に隠せていないだけです。
仕事から帰って疲れているところに口うるさく言われたり、正直どっちでもいい事を聞かれているというときに、ついぞんざいな言動が出てしまうもの。夫の「わかった、わかったから」、「好きにしてくれ」と、早く解放してほしいという思いが妻にとっては腹が立つ態度として映るのです。

■旦那にイライラしたときの対処法

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では、そういう夫に対してどういう対処法があるのでしょうか。先述の通り、夫に腹が立つときというのは、妻の思い通りにいかないとき、思い通りの反応が得られないときです。夫に腹を立てるとますます夫婦の関係が悪化するのに、それを止められない自分がいます。では、どうすればいいのでしょうか。

◇仕返しは逆効果? 怒りをぶつけるのはあり?

そもそも、夫に腹が立つときにその怒りをぶつけるのはいい事なのでしょうか。
私の相談者の例ですと「夫に怒りをぶつけたら輪をかけて逆ギレしてきました」というケースもあれば、「夫も私があまりにも怒ったのでシュンとして反省していました」という場合もありますので、一概にいいとも悪いとも言えません。
どうして結果に差が出るのでしょうか。それは、夫に自分の感情をぶつけるだけという場合と、意味があってぶつけているという意識で伝えた場合との差です。前者ですと夫は「そこまで言う事ないだろう」と敵対の感情を持ちますが、後者ですと「自分にも配慮が足りなかった」という思いが出てきます。
そういう意味では、怒りをぶつける事がいいのか悪いのかというよりも、言っている意味を伝える意識があるかどうかが重要です。
それがあれば怒りの感情をあらわにしてもいいのです。怒りだけをぶつけようとしている場合は、腹が立っている意味を伝える冷静さを失っているので、我慢すべきではないでしょうか。

◇夫婦がうまくいく! 上手な伝え方とは

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では、理由があって腹を立てていると伝えるにはどうしたらいいのでしょうか。
まずは腹が立つ自分の気持ちを整理することです。なぜ腹が立つのかを考えると、夫が自分のルールや枠の中に入っていない、夫と共有していたと思っていたのにできていなかったという理由が浮かんできます。共有できていないということは、言い方や伝え方にも問題があるのです。

以前相談を受けた女性も夫への言い方に問題がある人でした。夫に理由も言わず「服をしまう場所はここね」、「来週木曜7時忘れないでね」、「今日の私の話聞いて」と切り出したそうです。それに対する夫の返答は「場所はどこでもいいだろう」、「先のことはわからない」、「そんな話は聞きたくない」というものでした。意に沿わない答えにその相談者は、腹が立ったと言いました。でも、それはなるべくして起こっているのです。理由を言わずに伝えているのが問題です。

そして、夫に腹が立つときというのはタイミングも大きく関わってきます。たとえば夫が空腹時や平日の仕事のことで頭が一杯のときに伝えるのは好ましくありません。話の中身を聞く前に嫌な顔をして逆ギレされ、その反応に妻側も腹が立つのです。このように、夫に上手に伝えるにはそもそものコミュニケーションの方法やタイミングや場所が非常に重要なのです。

夫に腹を立てるときには多くの場合は感情が先に立ってしまっていますから、言った後に「しまった、言わなければよかった」という後悔が生じることも。そうならないためにも、夫とのコミュニケーションには日頃から気を付けましょう。以下のようなポイントに留意するといいですね。

☆どうしてほしいかの目的を明確にして話す

夫は会社でも理論的思考で過ごすことも多いですから、妻がただ目的もなく話をするとイライラしてしまうものです。逆に妻が話の目的を明確にして話せば、聞く耳を持つのです。

☆伝えるタイミングを見計らう

夫との会話を感情にまかせて自分のペースで切り出してしまうと、どうしてもいざこざが起こりやすくなります。夫の気持ちが落ち着いていて穏やかなときに伝えると心に余裕があるので、妻の言い分も冷静に聞いてもらえます。たとえば就寝前とか土日の休日など、リラックスした状態のときに話をすると、夫に腹が立つ確率は下がってきます。

☆夫の言葉を一旦肯定をする

世の中の夫は説明をすることが大好きで、説明されるのは大嫌いです。夫が腹を立てるときはどこかで妻の無意識で一方的な説明が入っていることが多いもの。その説明に腹を立てているわけで、それを回避するためには夫の言うことを一旦肯定してみるといいでしょう。自分の意に反することを言ってきても「へー、そうなんだ」、「なるほどね」、「そういう考え方もあるね」という言葉を返してみましょう。夫も「俺の話を聞くのなら俺もちゃんと聞こう」というスイッチが入るものです。

夫との会話にこれらのポイントを意識しておくと、今まで衝突していた関係からお互いに理解を深めようとする関係に変わっていくはずです。ぜひ試してみてくださいね。

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