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実家暮らしで貯金できないのはなぜ!? しっかりお金を貯める方法

ライフスタイル

川部紀子(ファイナンシャルプランナー/社会保険労務士)

実家暮らしで、ひとり暮らしの同僚よりも生活は楽なはずなのに、給料日前はカツカツ。「このままではいけない……貯金しなくちゃ!」と、お金を貯めたいのに全然貯まらないと悩む人もいるのではないでしょうか。そこで今回はファイナンシャルプランナーの川部紀子さんに実家暮らしの人へ向けた貯金方法を聞きました。

■実家暮らしの社会人の貯金目安

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実家暮らしの人のほうが、ひとり暮らしの人より自由に使えるお金が多いはずですが、それでも貯金がないという人はどのくらいいるのでしょうか。実家暮らしの人の、貯金の現状と目安をご説明します。

◇平均貯金額と貯金ゼロの人の割合

正確なデータはないものの、実家暮らしの社会人の平均貯蓄額は、「圧倒的に貯めている人」と「ひとり暮らし以下の人」という二極化している傾向があるように思います。これは、いずれも親に対する甘えから生まれる現象だと考えています。きちんと貯めている人は、親に甘えて家にお金を入れていないか、気持ち程度の金額に留め、自分のお金を貯めています。その一方で、貯金がひとり暮らし以下の人は、「住むところも食事も親が保証してくれる」と、当面の不安がないがゆえに豪快に使いすぎているのです。さらに現在、年代や世帯人数にかかわらずどの層を切り取っても、貯蓄が全くない人は約3割いるのではないかと思われます。これも調査データはありませんが、実家暮らしであっても貯蓄ゼロは3割程度いるものと考えられます。

◇月収の何割貯金するのが目安?

人により夢や目標、人生設計、親の資産や職業、ライフスタイルなどが違うので、月々、一律いくら貯めましょうとは言いません。ですが、がんばっている人は、手取り額の3割を貯蓄に回している ことは知っておいてください。その額が難しい場合、会社員であれば、まず自分が払っている税金と社会保険料(所得税+健康保険+厚生年金+雇用保険)と同じ金額を目標にしましょう。天引きされているものの合計額を知ることで、金銭感覚を磨くことにもつながるのでオススメです。たとえば、手取りが約20万円なら約15%の3万円ですね。40歳からは、介護保険料も含まれるので貯めるべき金額が上がります。

■実家暮らしでお金が貯まる人、貯まらない人

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実家暮らしだからといって、貯金できると一概に言い切れません。貯金できる人とできない人には、どのような違いがあるのでしょうか。自分にはどちらがあてはまりますか?

◇実家暮らしできちんと貯蓄できる人の特徴

実家暮らしでお金が貯められる人は、下で挙げるように「親に甘えて、自分に甘えず、知識を重視」する傾向があります。

☆親の懐事情を把握しており、親に対する甘えどころを心得えている

親が特にお金に困っている様子がないことを正しく理解しているので、最初の段階から実家に対して払う家賃や、食費・光熱費などの生活費を格段に安く設定しています。またこの場合、親の懐事情を正しく把握しているので、関係性も悪くなりません。

☆ひとり暮らしよりも使えるお金が多いことに甘えない

余裕があるから使うのではなく、毎月の給料から財形貯蓄(給与からの天引きで行う貯蓄制度)、積立貯蓄(ある口座から決まった金額を毎月決まった時期に別口座に振り替えて貯蓄する方法)、確定拠出年金(企業or個人の加入者が毎月一定額の掛金を拠出し、加入者自身で運用する年金)などといった、会社の制度をフル活用し、自分名義のお金を着実に増やすことを怠りません。さらにボーナスで大きく貯めます。

☆お金の知識は重要であると考えている

これからは知識で懐事情に差がつく時代。たとえば、税金面では「ふるさと納税と確定拠出年金を活用して節税しよう」、「医療保険はネットの保険や共済も比べてみよう」など、よくわからないから避けるのではなく、少しだけ調べることでお得を作り出し、お金に対する知識を蓄えるのです。

◇実家暮らしで貯金ができない人の特徴

実家暮らしでお金が貯まらない人は、お金が貯まる人とは真逆で「親に甘えて、自分に甘い怠け者」という点が特徴として挙げられます。

☆実家に入れるお金は気まぐれで、基本的にあまり多くは払わない。

実家に入れるお金を、最初に取り決めをせず、払えるときに払うなどあいまいにしがち。基本的にあまり多くは払わないことが多いのですが、気まぐれで突然多く払ったりもします。払う額をきっちり決めていないということは、お金に対しての意識が低いことであり、結果貯金ができないことにつながります。

☆ゆとりがあるので全て使い果たし、会社の財形貯蓄などの制度も活用できず

住むところや食事はなんとかなると、ひとり暮らしよりも使えるお金が多いことの認識があるせいで、それに甘えて同世代のひとり暮らしよりも出費が多くなるパターンです。また、年数を重ねるにつれてより贅沢になっていく傾向も。加えて、給料やボーナスを会社の制度で貯めることへの意識が低いのも、特徴のひとつです。

☆面倒くさそうと「お得な情報」や「難しそうな財テク」の知識習得を避ける

とりあえず生活できるため、お得だけれど面倒くさそうなこと、貯められそうだけれど手続きが難しそうなことを避けて、結局お得にお金を貯めることを逃していることがあります。

■実家暮らしだからこそ実践したい賢い貯金のしかた

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貯金ができるかできないかは、収入の額で決まるものではなく、先に述べたように「親に甘えて、自分に甘えず、知識を重視」できるかどうかがカギになります。自分次第で貯金できるようになりますので、以下の貯金術をぜひ参考にしてみてください。

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