やる気はまず“コトバ”から! 実は誰よりもネガティブだという、日本一熱い男・松岡修造さんが、読者のお悩みにお答えする、BAILA本誌の大人気連載。今回は、SNSとの上手な付き合い方についてアドバイスしていただきました。
【今月の修造ワード】S=シンプル N=ニコニコ S=サヨウナラ
SNSのコミュニケーションで同調圧力を感じたことがありますか。
「最近、SNSで空気を読むことに疲れています。インスタに何かを投稿しようと思っても『不快な気持ちになる人がいたら』『自慢してると思われるかも』と、不特定多数の顔が浮かび反応が気になって投稿できないのです。本当は思ったことを自由に発信したいのに息苦しさを感じます。自分の素直な思いをSNSで共有してつながるのは難しいでしょうか。修造さんはどのようにSNSとつきあっていけばよいと思いますか」(30歳・秘書)
【松岡さん】
あなたの気持ちにすごく同調します。SNSがどんどん進化しその影響が大きくなるなか、発信したい思いと同時に見ている人に対して「嫌な思いをさせてしまうんじゃないか」「自分の思ったようにとらえてもらえないんじゃないか」という不安な気持ちが出てくるのは自然なことだと思います。ただSNSには自分でコントロールできる面とできない面があるとも感じています。そこで修造流SNS3カ条を考えました。
一つ目は、シンプルに自分の思ったことを伝える。誰のためにSNSをするのか? プライベートで使う場合は、「自分のため」だと僕は思います。だから基本的に自分の思ったことを主体的に発信してOK。複雑に考えすぎず、まずは自分の投稿を自分が見てシンプルに「いいね」と思えることが大事。僕はそれを自分同調と呼んでいます。
ただし仕事でSNSを使う場合は別です。いかに多くの人に見てもらい、いかに同調してもらうかが重要で、その投稿は「見る人のため」のものになる。仕事で成果を出すためのまったく異なる発信の仕方になると思います。
二つ目は、ニコニコ穏やかな気持ちで書きましょう。共有できるからこそ怖さもあるSNS。僕はテニスのジュニア合宿で、そのリスクを子どもたちに理解してもらうために専門の先生に講義をしてもらっています。これはアスリートの例ですが、試合に勝って気持ちが高揚したハイの状態や逆に落ち込んでローの状態のときは、言葉の選び方や言い回しが極端になりやすいので、すぐ投稿ボタンを押さず一度心が落ち着くまで待つことを指導しています。どんな内容でも笑顔で冷静に伝えることで、より前向きにとらえてもらえる気がします。
三つ目は、投稿したあとは、もう自分だけのものじゃないからサヨウナラ。インターネットに一度公開したら簡単には削除できません。だから責任をもって発信し、自分の手を離れたあとは、自分の投稿であってももう自分だけのものじゃないと思うこと。そのくらい自分の思っているとおりにとらえてくれない人はたくさんいるし、どのように受け取るかは読み手次第なのでその反応はコントロールできません。だから気にしすぎなくていいというのが僕の持論です。
お悩みから、自分らしくSNSで発信し、みんなが笑顔になってくれるかたちでつながりたいという気持ちが伝わりました。そのポジティブな思いがかなうよう応援しています!