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狭い部屋でもおしゃれに楽しむ[映画で学ぶインテリア]

4月も中盤。新生活も少しだけ落ち着いた頃? そろそろお部屋のインテリアを冷静に見直してみない? 「こんな部屋に住んでみたい」そんな視点で映画を観たら、一度見たことのある映画でも、きっと良いヒントをくれるはず。住み慣れた家、狭い部屋だってアイデア次第できっと満足できるお部屋作りができるはず。GWはゆっくり映画鑑賞なんかして、自分らしい部屋づくりのヒントを学びましょう。

MOVIE 01 /『猫が行方不明』

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猫のグリグリと同居人と「ファニーな家具」に囲まれて。引っ込み思案もユニークな思考で克服。

部屋の片隅に置かれたランプ。ちらりと映る窓辺の植物。物語とは直接関係のない細部にすぎなくても、そこには人々の日常がしっかりと刻まれている。そんなふうに、映画から不意に生活の匂いが漂う瞬間が、たまらなく好きだ。フランス映画『猫が行方不明』で、メイクアップアーティストのクロエがゲイの友人と暮らすのはパリ区のアパート。キッチンカウンターのある広々としたリビングが彼らの共有スペース。猫と一緒にまどろむ深紅のソファに、花のような形のローテーブル、ユニークな形の鏡やランプなど、どれも色鮮やかな家具ばかり。どこか古ぼけていたり手作りっぽい雑さがあったりして、それがまたいい。道で拾ってきたり、友達からもらったり、いかにも寄せ集めで作った部屋、という感じ。世間から少し浮いた若者らしい生活感が楽しい。

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フランス/1996年、監督:セドリック・クラピッシュ、出演:ギャランス・クラヴェル

可愛がっていた愛猫グリグリが突然行方不明に。慌てたクロエは、個性豊かな隣人たちを巻き込み、パリの街を駆け回る。下町らしい気さくなパリの姿をたっぷりと楽しめる、とっておきの青春映画。

発売元:アイ・ヴィー・シー/価格:Blu-ray ¥5,280  DVD ¥4,180

MOVIE 02 /『エリック・ロメールコレクション 満月の夜』

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「あの映画のあのランプ」を真似したい。デスクスタンドを間接灯にというのが、手軽でユニーク。

同じフランス映画『満月の夜』の主人公ルイーズが住むのは、同じパリのアパートでももっと落ち着いた部屋。インテリアデザイナーの彼女は、年上の彼氏と郊外の家で同棲中だが、自分だけの時間が欲しいとパリのアパートで一人暮らしを始める。お金をかけず、自分のセンスで一から作り上げた部屋には、すぐに真似できそうな工夫がいっぱい。壁紙やベッドはグレーで統一し、小物や壁にかけたカラフルなストールで色を加えていく。クリップライトやデスクライトを壁に向け間接照明にすれば、優しい光が溢れ出す。ちなみに映画のなかのインテリアは、ルイーズ役を演じた女優パスカル・オジェ自ら手がけたもの。

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フランス/1984年、監督:エリック・ロメール、出演:パスカル・オジェ

パリ郊外の家で恋人と暮らすルイーズ。夜遊び好きで独立心旺盛なルイーズは、恋人の反対を押し切り、パリで一人暮らしを始めるが、最後は思いもよらぬ教訓を得ることに。P・オジェのファッションも最高。

発売元:紀伊國屋書店/販売元:紀伊國屋書店価格:¥4,800+税 ©1984LESFILMSDULOSANGE-LAC.E.R

MOVIE 03 /『ソン・ランの響き』

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部屋の片隅にはいつも盆栽が、まるで恋人のように植物を育てる。

1980年代のベトナムを舞台に、男同士の切ない恋模様を描いた『ソン・ランの響き』。借金取りのユンが住むのはおしゃれとは無縁な部屋。ひびの入った壁に囲まれ、無造作に家具が置かれた様子からは、彼の荒んだ生活ぶりが見て取れる。そんな殺風景な部屋に、大事に育てられた観葉植物がいくつも置かれている。棚の上にそっと置かれた盆栽のような小さな木。窓辺にずらりと並んだ植物たち。くすんだ部屋の片隅にある小さな森。孤独な男の心の奥底が不意に見えてくる。

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ベトナム/2018年、監督:レオン・レ、出演:リエン・ビン・ファット、アイザック

1980年代、ベトナムのサイゴン。冷血な借金取りのユンは、ふとしたきっかけから旅回りの役者リン・フンと出会う。孤独に生きてきた二人の青年が恋に落ちるまでを描いた、切なくも美しい恋物語。

発売元:TCエンタテインメント/販売元:TCエンタテインメント 価格:¥3,800+税 ©2019STUDIO68

illustration : Nobuko Uemura

text : Rie Tsukinaga

edit:Naoki Kuroda

最新号 ONKUL vol.15(2021年4月22日)より
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