いつだって私たちを幸せにしてくれるのは、バターの豊かな香りとコクをまとったお菓子。“バターたっぷりはおいしさの合言葉”と言わんばかりに、バタースイーツ専門店が最近では増えて多くの人を虜にしています。
なかでも、発酵バターを使ったお菓子というだけで、どんなものかと期待を膨らませてしまう人が多いのではないでしょうか。
美味しさだけではなく、見た目やシェアしたくなる焼菓子をご紹介するこの連載。第42回目は、kashiya-Étoile(菓子屋エトワール)から「シェルシェール ・サブレ・ブール (発酵バターのクッキー缶)」をご紹介します。
超レアや高級発酵バターも使ったクッキー缶
発酵バターを使ったクッキーは数あれど、発酵バターの種類が定期的に変わるという斬新なコンセプトに驚いたのが今回ご紹介するクッキー缶です。
有名どころでいうと、エシレやイズニー、ボルディエ。聞きなじみのない、オー ボン ブール、プレジデント、パムプリ……など、主にフランスから選りすぐった発酵バターが10種以上も!(全部知っている方はかなりの食通かバターマニア)一体どんな味わいなのか、全種類制覇したい欲求がむくむく沸いてきます。
こちらを手がけるのは、川島 志保さんがオーナーを務める「菓子屋エトワール」。2015年からネットショップでの販売を主に活動し、2021年夏には「シンプルにおいしい」をモットーにブランドをリニューアル。
過去に仕事でフランスへ行った時に食べた発酵バターのおいしさが忘れられず、材料や製法を見直すなかで「フランス産発酵バターは外せない!」と思ったのだとか。
商品名の「シェルシェール」は、フランス語で“探求”の意味。お客様と一緒に発酵バターの魅力を探求していきたいという思いが込められています。
バターの奥深さが味わえるシンプルなクッキー
材料はとてもシンプルで、こだわりの発酵バターとフランス産小麦粉、シシリー産アーモンドプードル、新鮮な卵と砂糖。厚みをもたせ、やや大きめに作られているので、素材の風味をストレートに感じられます。
「バターの味の違いなんて微々たるものでは?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、その個性はさまざま。
川島さんの一番のお気に入りは、世界的に活躍するチーズ熟成士監修の「ロドルフ・ムニエ」。「他とは比べものにならないくらい香り立ちがよくて、これを超えるものは他にない!」というくらい好きなのだとか。
私がいただいたのが、フランス・ノルマンディー地方で生産される「ガスロンド」。ミルクの甘みとコクがしみじみと沁み渡り、食べ終わっても豊かな余韻が残ります。川島さん曰く、サブレにした際に他の発酵バターよりもザクザクとした食感になるそう。風味だけでなく食感も変わるだなんて、ますますいろんな種類を食べ比べしたくなります!
おいしさと可愛さを両立!贈り物やご褒美に
フランス語で“星”を意味する店名からチョイスされた星の包み紙は、満天の星空のようでロマンチック。
ワクワクしながらほどき、缶を開けると、芳しいバターの香りがふわり。きれいに敷き詰められた牛の模様のクッキーが顔を出し、ほっこり和みます。
使用する発酵バターの種類は入荷状況などによって2〜3ヶ月で変わります。すっかりファンになってしまった私は、次の発酵バターが何になるか楽しみでしょうがないです。発酵バターの奥深い世界を探求し、お気に入りのブランドを見つけてみてくださいね。